農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、「野菜苗の植え付けの裏ワザ」についてご案内いたします。
一般的に野菜の苗は、植え付けた後に たっぷりと水をあたえますが、今回ご紹介する方法は、苗を植え付けたあとの水やりは行いません。
木嶋先生の裏ワザ「ブクブク植え」は、苗がしっかり根を張り元気に育ってゆく方法ですので、参考になさってください。
野菜苗の植え付け後、水やりを行わない理由
苗の定植時が もっとも病気にかかりやすいため
農学博士の木嶋利男先生は、野菜の苗の植え付け時がもっとも病原菌の感染リスクが高くなります。と、紹介されています。
苗を植え付けたあと 水やりを行いますと、苗は根を伸ばそうとしなくなり、その間に病原菌の侵入を許してしまう可能性があるからです。
野菜の根の先端には「根冠(こんかん)」と呼ばれるヘルメットのような組織があり、粘液を出して根の生長点を保護しながら土の中を進んでゆきます。
粘液の中にはいろいろな根面微生物がひそんでいて、外部から侵入しようとする病原菌を排除します。
苗の植え付けで「発根」はとても大切で、スムーズに根を活着させる(=病気が出ない苗)ためには水やりをしないほうが良いのです。
ブクブク植えを行う前の下準備
苗を乾燥に慣らしてゆきます
苗を植え付ける2週間前になりましたら、苗を植え付けたあとの水分ストレスを少なくするために、水やりの量をやや控えめにして乾燥に慣らしてゆきます。
植え付ける土はお団子が作れる状態に
苗を植え付ける土は、お団子が作れる程度に湿っている状態にします。
木嶋先生は、雨が降った後の2~3日後が植え付けに最適ですと、紹介されています。
雨のタイミングが狙えない場合は、苗を植え付ける2~3日前に十分水やりをして、ウネをしっかり湿らせておきましょう。
野菜苗の植え付けの裏ワザ!水やりしない「ブクブク植え」
この章では、木嶋先生が紹介されている「ブクブク植え」について、ご案内いたします。
野菜の苗を植え付けた後 水やりを行いませんと、しおれてしまうのではないかしら?と心配になるかもしれませんが大丈夫です。
この方法で苗の葉先までしっかり吸水させて植え付けますと、植え付けたあとの水やりが不要になります。
野菜の苗の「ブクブク植え」手順
苗を植え付ける早朝、水に浸します
苗を植え付ける早朝、水を入れたバケツにポリポットを浸し、ブクブクと泡が出なくなるまで根鉢に水を含ませます。
ブクブクと泡が出なくなるまで、根鉢に水を含ませます。
日陰に2~4時間置きます
バケツからポリポットを取り出し、風のない明るい日陰に2~4時間置いて、葉先まで水を行き渡らせます。
これで苗は十分に吸水します。
晴天の午前中に植えつけます
晴天の午前中に畑に穴を掘り、吸水させた苗を土と密着させるように植え付けます。
苗が小さい場合、仮支柱を立てて苗を安定させましょう。
この後の水やりは行いません。
苗の植え付け後の水やりはNGです
苗を植え付けた後、5~7日間は、苗がしおれても水を与えないようにします。
野菜の苗を植え付けた後のお世話について
前述しましたとおり、苗を植え付けたあとの5~7日は水やりを控えます。
ここで水やりを行いますと、苗の根は水やりで湿った土に根を張り出します。
雨と異なり 水やりは地中深くまで水が浸み込んでゆきませんので、浅い土の中で根を張ることになり、軟弱な苗になってしまいます。
植え付け後は水を与えないことにより、苗の根は自分の力で水分を求めて地中深く伸びようとしてゆきます。
苗の植え付けで大切な「土づくり」
元気な苗を育ててゆくためには、土の中に善玉菌を増やしておくことも大切です。
木嶋先生がおすすめされている「美味しい野菜を育てるために有効な肥料」を、関連記事にてご紹介しておりますので、参考になさってください。
まとめ
野菜の苗の植え付けは、さまざまな方法がありますが、わが家は農学博士の木嶋利男先生の「ブクブク植え」を実践しております。
ブクブク植えを初めて行った時は、苗がしおれて枯れてしまわないか不安になりましたが、いずれの野菜の苗も弱ったりすることなく元気に育っています。
野菜の苗を植え付けたあと枯れてしまったり、調子がよくないと思われている方は、「ブクブク植えを」参考になさってみてください。
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