野菜苗の植え付けの裏ワザをご紹介いたします。
一般的に野菜の苗は、土に植え付けをしてからたっぷりと水をあたえますが、ご紹介します方法は、苗を植え付けたあと 水やりを行いません。
今回ご案内します「ブクブク植え」は、農学博士の木嶋利男先生がご紹介されている植え方で、植え付けたあとの苗に水分ストレスをあたえない方法です。
木嶋先生の裏ワザ「ブクブク植え」は、苗がしっかり根を張り元気に育ってゆきますのでご参考になさってください。
野菜苗の植え付けで水やりをしない理由
苗の定植時が もっとも病気にかかりやすいため
農学博士の木嶋利男先生は、野菜の苗の植え付け時がもっとも病原菌の感染リスクが高くなります。と、おっしゃっています。
苗を植え付けたあと 水やりをしてしまいますと、苗は根を伸ばそうとしなくなってしまい、その間に病原菌の侵入を許してしまう可能性があるからです。
野菜の根の先端には「根冠(こんかん)」と呼ばれるヘルメットのような組織があって、粘液を出して根の生長点を保護しながら土の中を進んでゆきます。
粘液の中にはいろいろな根面微生物がひそんでいて、外部から侵入しようとする病原菌を排除します。
苗の植え付けで「発根」はとても大切で、スムーズに根を活着させる(=病気が出ない苗)ためには水やりをしないほうが良いのです。
野菜苗の植え付けの裏ワザ!水やりしない「ブクブク植え」
しかしながら、野菜の苗を植え付けたあと水やりをしないと、しおれてしまうのではないかしら?と心配になるかもしれませんが大丈夫です。
この章では木嶋先生がご紹介されています「ブクブク植え」をご案内いたします。
この方法で苗の葉先までしっかり吸水させて植え付けますと、植え付けたあとの水やりが不要になります。
野菜の苗の「ブクブク植え」
🌱 苗を植え付ける前に、水を入れたバケツにポリポットを浸し、ブクブクと泡が出なくなるまで根鉢に水を含ませます。
🌱 バケツからポリポットを取り出して、日陰に2~3時間置いておきます。
🌱 土がしっとり湿っている時に苗を植え付けます。この後の水やりは行いません。
野菜の苗を植え付ける前にやっておきたいこと
苗を乾燥に慣らしてゆきます
苗の植え付け2週間前になりましたら、苗を植え付けたあと水分ストレスを少なくするために、水やりの量をやや控えめにして乾燥に慣らしてゆきます。
植え付ける土はお団子が作れる状態に
苗を植え付ける土は、お団子が作れる程度に湿っている状態にします。
タイミングにもよりますが、木嶋先生は雨が降った後の2~3日後が植え付けに最適とおっしゃっています。
土が乾いている場合は、土に十分水やりをして湿らせておきましょう。
野菜の苗「ブクブク植え」の方法
水を入れたバケツにポリポットを浸します
ブクブクと泡が出なくなるまで、根鉢に水を含ませます。
日陰に2~3時間置いておきます
バケツからポリポットを取り出して、風のない明るい日陰に2~3時間置いて、葉先まで水を行き渡らせます。
野菜の苗を植え付けます
土がしっとり湿っている時に苗を植え付けます。
苗が小さい場合、仮支柱を立てて苗を安定させましょう。
野菜の苗を植え付けた後のお世話について
苗を植え付けたあとの3~4日は水やりを控えます。
水を与えないことにより、苗の根は水分を求めて地中深く伸びようとしてゆきます。
苗の植え付けで大切な「土づくり」
元気な苗を育ててゆくためには、土の中に善玉菌を増やしておくことも大切です。
木嶋先生がご紹介されています、美味しい野菜が育つための土づくりに有効な5つの肥料につきましては、別の記事にてご案内いたしておりますので、本ページ最後の「関連記事」をご参考になさってください。
まとめ
野菜の苗の植え付けは、さまざまな方法が紹介されていますが、私は農学博士の木嶋利男先生の「ブクブク植え」を実践しています。
苗の定植後、水やりを行わないため枯れてしまわないだろうか?と、とても不安になりますが、どの野菜の苗も今のところ弱ったりすることなく元気に育っています。
野菜の苗を植え付けたあと枯れてしまったり、調子がよくないと思われている方は、一度「ブクブク植えを」おためしになってみられてはいかがでしょうか。
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[参考文献]