キャベツとそら豆のコンパニオンプランツ栽培のポイントをご紹介いたします。
キャベツはアブラナ科の野菜で、アオムシやコナガの幼虫の被害が大きいのが悩みの種ですね。
そこで、キャベツとそら豆をを同じウネで栽培しますと、単独で育てるより害虫をシャットアウトすることが出来ると言われています。
この栽培は、コンパニオンプランツ栽培の第一人者でもある 農学博士の木嶋利男先生がご紹介されている方法で、害虫を防ぐだけでなく、お互いの生長が促進する効果も期待できます。
とても効率的な栽培法ですので、ご参考にしていただきましたら幸いです。
害虫をシャットアウト!キャベツとそら豆のコンパニオンプランツ栽培
キャベツとそら豆の混植で害虫を防ぐことが出来る理由
モンシロチョウやコナガ(蛾)は、キャベツをはじめとするアブラナ科の野菜が大好物で、植えたばかりの苗に卵を産み付け 幼虫が葉を食害します。
しかしモンシロチョウはそら豆を苦手としていますので、キャベツのそばにそら豆を植え付けますと、害虫をシャットアウトすることが出来ます。
また そら豆は春先になりますと アブラムシが付くことがありますが、そばにキャベツを植えていることにより被害を少なくすることが出来ます。
キャベツとそら豆は異なる害虫が寄り付きます。農学博士の木嶋利男先生によりますと、別種の害虫はお互いを避け合う性質をもっているため、野菜に寄り付かなくなり、野菜全体が害虫から守られるというしくみになります。
お互いの生長が促進するコンパニオンプランツ栽培
キャベツとそら豆は科が異なりますが相性が良く、同じウネで育てますと お互いの生長が促進します。
それぞれ 地面の中に伸びる根っこの深さが異なりますので互いの生長が妨げられることはなく、むしろ促進します。
また、そら豆はマメ科野菜で、空気中のチッ素を固定してキャベツの生長を促す働きもあります。
同時期に植え付け・収穫できるメリット
家庭菜園は、野菜の収穫が終わったあと、心機一転、次の野菜作りの準備に取り掛かりたいですね。
キャベツとそら豆は、同じタイミングに植え付け・収穫ができますので、ウネを有効に利用することが出来ます。
害虫を防ぐ キャベツとそら豆のコンパニオンプランツ栽培のポイント
品種選び
キャベツはそら豆と同時期に栽培できる苗(もしくは種)を選びましょう。
そら豆の品種は特に選びません。
キャベツとそら豆の栽培スケジュール例
1 月 |
2 月 |
3 月 |
4 月 |
5 月 |
6 月 |
7 月 |
8 月 |
9 月 |
10月 | 11 月 |
12月 | |
キャベツ | ➡ | ➡ | ➡ | ➡ | 収穫 | 植付け | ➡ | |||||
そら豆 | ➡ | ➡ | ➡ | ➡ | 収穫 | 植付け | ➡ |
苗の植え付け
キャベツとそら豆の苗は、11月中旬ごろ 同時に植え付けをします。(地域によって前後します)
なお、そら豆は種をまいて育てることも出来ます。10月中旬にウネに直まきするか、ポットに種をまいて苗を育てます。
ポットで育苗する場合は、1か月後に(本葉が2~3枚の頃)ウネに植え付けます。
苗の植え付け方
キャベツとそら豆の苗は、どちらも株間を約45cmにして 交互に植え付けます。
越冬させますので、必要に応じてトンネルなどをかぶせましょう。
そら豆のお世話について
株元をカットして土寄せ
翌年の3月頃、そら豆の花が咲きましたら 7~8本の茎を残してそのほかを株元からカットし、土を寄せて倒れないようにします。
そら豆のアブラムシ対策
キャベツをコンパニオンプランツにして栽培しましても、薬剤を使用しませんので害虫を完全に寄せ付けなくするのは難しいです。
そこで そら豆にアブラムシが付き始めましたら、てっぺんの芯を摘み取ります。
するとアブラムシはそれ以上増えなくなりますので、おためしになってみてください。実の付きは悪くなりませんのでご安心くださいね。
鳥獣対策
収穫まぢかになりますと、鳥獣に狙われやすくなりますので、ネットや糸を張るなどの対策をされるのがおすすめです。
キャベツの収穫について
キャベツの収穫が遅れてしまいますと、トウ立ちしたり、球が割れてしまうことがあります。
丸くなった球をギュっと押して、固く感じられましたら収穫しましょう。
キャベツとそら豆の残渣(ざんさ)処理について
キャベツを収穫するとき、むいた外皮(食べない皮)が意外にかさばりますね。
また、そら豆は大きな木のように生長して、これもまた処分にお困りになったご経験はないでしょうか。
この章では、木嶋先生がおすすめされている残渣処理についてご紹介いたします。
キャベツ
土壌消毒になるキャベツの残渣
キャベツには「グルコシノレート」という辛み成分が含まれていますので、外皮や根っこを細かくカットして土にすき込みますと、土を消毒する効果があります。
土の中で分解されたグルコシのレートは、イソチオシアネートという気体に変わり、これが殺菌作用を発揮し、土壌を消毒することが出来ます。
土壌消毒による効果
・ジャガイモの「そうか病」の発生を抑えることが出来ます。
・土壌害虫「センチュウ」の被害を減らすことが出来ます。
そら豆
マメ科の野菜は土を肥沃にしますので、そら豆の株を細かくカットして土にすき込みますと「緑肥」になり、後作の夏野菜の生長によい効果を及ぼします。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生がご紹介されている「キャベツとそら豆のコンパニオンプランツ栽培」についてご案内いたしました。
おなじウネで多品目育てるコンパニオンプランツ栽培は、空間を有効に利用することができそうですね。
わが家は収穫した野菜の残渣を後作の土づくりに利用しています。
細かくカットするのは大変ですが(疲)、畑によい効果をもたらすのであれば、ゴミ処理するときの気持ちより、モチベーションが格段に違います。
害虫をシャットアウトし、互いの生長が促進する効果が期待できる「キャベツとそら豆のコンパニオンプランツ栽培」を、あなたもおためしになってみられてはいかがでしょうか。
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[参考文献]