農学博士の木嶋利男先生が紹介されているアワノメイガ対策を3つご案内いたします。
トウモロコシは、アワノメイガという蛾の仲間の食害に遭いやすく、幼虫が茎や実に入り込みますと、農薬をほどこしても除去することは出来ません。
木嶋先生が紹介されている対策は意外にシンプルでハードルが低い方法ですので、参考になさってください。
トウモロコシにつくアワノメイガの3つの対策
1.雄花を切り取る対策
蛾の仲間であるアワノメイガはトウモロコシの花粉に誘引されます。
そこで、雄花(雄穂=ゆうすい)をカットしますと アワノメイガは寄ってこなくなります。
雄花をカットするタイミング
トウモロコシの雄花が出はじめて実のヒゲが出そろいましたら切り取って、雌花に人工受粉をします。
ほかのトウモロコシに雌花(ヒゲ)が出ていましたら、同じ雄花で一緒に受粉してあげましょう。
受粉用の雄花を残す対策も
農学博士の木嶋先生は、トウモロコシを収穫するために一部を受粉用に残し、あとの雄花を切ってしまうとよいでしょうと述べられています。
具体例として、トウモロコシ10本中、1本の割合で雄花を残しておくだけで良いそうです。
2.栽培時期をずらす対策
アワノメイガの発生時期は6月~8月で、この間に3回ほどピークがきます。
そこで、トウモロコシを「早まき」「遅まき」で栽培しますと、雄花の開花時期とアワノメイガの飛来時期が重ならなくなります。
早まきする時期
3月中旬に育苗し、4月中旬に苗を植え付けます。
遅まきする時期
7月下旬から8月上旬にタネまきをして育てます。
収穫時期は11月になりますが、糖度の高いトウモロコシを収穫することが出来ますので、木嶋先生は遅まきをオススメされています。
3.コンパニオンプランツと栽培する対策
トウモロコシをコンパニオンプランツと混植しますと、アワノメイガを忌避することが出来ます。
トウモロコシのコンパニオンプランツはエダマメ、インゲン(つるあり・つるなし)などのマメ科野菜です。
マメ科の作物は、アワノメイガを寄せ付けない効果がありますので、わが家も毎年トウモロコシとエダマメなどと一緒に栽培しております。
アワノメイガの幼虫を見つけた時の対策
アワノメイガは、トウモロコシの雄花がニョキっと出る前から(雄花の頭が見え始める頃から)卵を産み付けます。
アワノメイガの幼虫がいるトウモロコシは、葉にフンがボロボロと落ちていますので、幼虫を見つけて駆除しましょう。
木嶋先生が紹介されている駆除法は「半殺し」というもので、幼虫のからだの一部をつぶして葉の上に置いておきます。
すると、昆虫寄生菌が繁殖し、畑全体の害虫被害が少なくなってゆくのだそうです。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されているトウモロコシにつくアワノメイガ対策を3点ご紹介いたしました。
アワノメイガはトウモロコシの雄花の香りに誘引されますので、雄花が開花して実のヒゲが出そろったタイミングでカットし人工受粉を行いますと、アワノメイガが近寄らなくなります。
またアワノメイガの飛来時期を避けた、早まき・遅まきで栽培する方法もおすすめです。
更に、トウモロコシをエダマメやいんげんと一緒に育てますと、アワノメイガ対策になるばかりでなく、エダマメを食害するカメムシ対策にもなり、同じ空間で夏の定番野菜を複数収穫できるメリットもあります。
アワノメイガ対策は、意外にシンプルでハードルが低い方法ですので、参考になさってください。
[参考文献]
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