ダイコンやニンジンなどの根菜類は、苗を移植すると又根になりやすいため直撒きで栽培するのが一般的と言われています。
今回は、そのタブーを破り、ダイコンをセルトレーで種まきし、ある程度育てた後に畑に移植することに挑戦しております。
どのような結果になるか、このページでお伝えしてまいりますので、参考になさってください。
ダイコンが又根になる原因
ダイコンは、苗を移植すると根っこが傷むので、まっすぐに伸びず又根になると言われていますが、そのほかにも原因があるようです。
―ダイコンが又根になる原因―
・たい肥や元肥がよく分解されない未熟な状態の土で栽培する場合
・地中に固い石など、障害物がある場合
・間引きが遅れた場合
・土壌病害虫のセンチュウに攻撃された場合
セルトレイでダイコンを育てようと思った理由
今回、移植がタブーとされているダイコンを、セルトレイで育ててみようと思った理由ですが、春先3月のまだ寒い時期に、畑での直まきはまだ早いと思い、ラディッシュ、小松菜、ルッコラなどの葉物野菜をセルトレイに種まきしたタイミングに、ダイコンも一緒に育ててみようと思い立った次第です。
野菜をセルトレイで栽培するメリットは、セル(1つの部屋)が小さいので地温が上がりやすく、発芽しやすい点と、自宅で水やりや日照の管理がしやすいという点です。
タブーに挑戦!セルトレイで栽培したダイコンが又根になるか実験中
2022年3月
2022年3月22日
3月半ばを過ぎた頃、セルトレイにダイコンの種をまきました。
自宅のもっとも温かい部屋の窓際に置いておいたところ、一週間ほどで発芽しました。
2022年3月30日
さらに一週間後、本葉が出てきました。
セルトレイであまり大きく育てると、根が伸びてしまうので、そろそろ畑に移植しようと思います。
ちなみに間引きは、畑に定植してから元気な苗を残そうと思います。
2022年3月31日
本葉が出ましたので、畑に植えることにしました。
根鉢が崩れないよう、気を付けて植え穴に置いてゆきます。
土で覆いました。
果たして、どう育つでしょうか。
楽しみです。
2022年4月
2022年4月2日
畑に定植してから2日後に、1回目の間引きを行いました。
2022年4月19日
1回目の間引きから、2週間ほど経ちました。
葉がダイコンらしくなってきました。
最後の間引きをします。
引き抜くと、残したいダイコンが動いてしまいますので、今回もハサミでカットしました。
間引き完了です。
このまま、さらに見守ってゆきます。
収穫まであと一か月ほどでしょうか。
なお、この時期からモンシロチョウに産卵されやすくなりますので、普段は不織布をフワリとかけています。
2022年4月25日
分かりづらい画像で申し訳ございません。
コンパニオンプランツのクローバーが覆いかぶさっていますが、今のところ順調に育っています。
2022年5月
2022年5月12日
5月半ばになりました。
不織布をフワっと覆ってはおりますが、今のところ目立った害虫被害もなく、生長しているようです。
胚軸(白い部分)が顔をのぞかせました。
あの小さな小さな芽が、ここまで大きくなってくれただけで、又根になっていても構わないという気持ちになっています。
2022年6月「収穫レポート」
すべての大根を収穫いたしました。
1本目(5月22日)
6月4日
収穫した大根、すべてが又根になっていました。
ご覧のように、いくつも根が伸びてます。
大根は移植して育てるのには不向きであることが分かりました。
別の日に1本収穫しました。
すこし又根になっていますが、比較的ノーマルな出来栄えです。
一方で、こちらは同じくセルトレイで育て、畑に移植した金町小カブです。
つるんと丸くなっています。
ダイコンは又根になりましたが、カブはセルトレイからの移植でも栽培することができるかもしれません。
まとめ
セルトレイに種まき・育苗をしたダイコンを、畑で育てて又根になるか実験いたしました。
結果として、すべての大根が又根になりました。
又根大根でも、みずみずしくとても美味しかったですが、まっすぐなものを育てたい場合は、じかまきがオススメですね。
[参考文献]
木嶋利男著「育ちがよくなる! 病害虫に強くなる! 植え合わせワザ88 決定版 コンパニオンプランツの野菜づくり」
木嶋利男著「伝承農法を活かす 野菜の植えつけと種まきの裏ワザ」