農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、大根の栽培ポイントについてご案内いたします。
種まきから収穫まで、知って得する情報をお伝えいたしますので、参考になさってください。
大根の栽培ポイント|知って得する大根情報
大根栽培に適した気候
大根は、12~28℃の比較的涼しい気候で育ちます。
人参と同じように 土壌の条件を選びませんので、家庭菜園でもお手軽に栽培することが出来ます。
得する情報1「畑づくり(土づくり)」
土づくりは、種をまくまでに行います。
抽根性(ちゅうこんせい=地上部に伸びる青首系の品種)を栽培する場合は、種のまき溝の周辺を18~20cmの深さまで細かく耕します。
地上部に伸びない吸い込み性の伝統品種(根が地中に潜ったままの大根)の場合は、30cm以上深くまでよく耕し、まき溝の幅は10cmにします。
品種 | まき溝 |
抽根性 | 種のまき溝の周辺を18~20cm耕す |
吸い込み性 | 30cm以上深く耕し、まき溝の幅を10cmにする |
得する情報2「大根の種まき」
農学博士の木嶋利男先生によりますと、アブラナ科の野菜は一般的に、サヤがはじけて種を周囲に分散させるのが特徴ですが、大根の場合はサヤのまま地上に落ちますので、集団で種まきされることを好みます。
そのため、サヤの中に入っている種の数に近い5~6粒を、1穴にまきますと、発芽しやすくなります。
種まきのポイント | |
まき溝 | 深さ2~3cm、幅10cm程度 |
株間 | 20cm間隔に5~6粒点まき |
得する情報3「間引きは3回」
大根の種は一斉に発芽するのが特徴で、間引きは3回に分けて行います。
間引きの際は、引き抜かずハサミにて地際から切り取ります。
🌱 1回目 本葉1枚のときに3本残します。
🌱 2回目 本葉3~4枚で2本残します。
🌱 3回目 本葉6~7枚で、1本残します。
得する情報4「子葉の向きはウネと直角」
大根は、子葉と同じ向きに側根が発生します。
そのため間引きをする際、隣の株と養水分の競合がおきないよう、子葉がウネに対して直角に広がった株を残します。
得する情報5「大根は春まで保存することが出来ます」
大根の収穫は品種にもよりますが、約60~70日後に行います。
収穫の時期が近づいてきますと、地面に広がっていた葉が上に向かって立ち上がり、青首大根は収穫のサイズになりますと首が地表に出て緑化します。
収穫が遅れますとスが入って美味しくなくなりますが、畑などで保存することが出来ます。
12月上旬以降、気温の低下により大根の生育が止まります。そこで、ワラで囲ったり、引き抜いて首の部分まで土の中に埋めておきますと、春まで保存をしておくことが出来ます。
得する情報6「大根が辛くなる理由」
木嶋先生によりますと、ストレスを受けた大根は辛み成分のもとになる”グルコシノレート”を産生する傾向にあるようです。
ストレスの原因は、過度の乾燥・湿度、株の移植などです。
大根を甘く育てるコツは、季節に適した種をまくことです。
土づくりの際は基本的に元肥を入れず、施す場合でも肥料は少なめにして、20cm程度までよく耕します。
なお、未熟な有機物は又根などの原因になりますので、元肥を施す場合はボカシ肥などがおすすめです。
得する情報7「コンパニオンプランツ栽培で害虫忌避」
大根を単体で栽培するより、他の科の野菜と混植しますと、害虫を寄せ付けない効果があります。
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得する情報8「連作すると美味しさアップ!」
大根の原産地は、地中海沿岸から中央アジアと言われ、涼しい気候と砂質の土壌を好みます。
ダイコンは本来 秋に発芽し、越冬して春に花を咲かせて子孫を残す植物ですが、初夏から晩秋に収穫する大根は病害虫に強く、品種を選びますと周年の栽培が可能になりますので連作することが出来ます。
木嶋先生は、大根を連作すると、生育が旺盛になってどんどん甘くなると述べられています。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、大根の栽培ポイントについてご案内いたしました。
美味しい大根を収穫する近道は、土づくり、種まきからの 小さな積み重ねですね。
木嶋先生の栽培は、野菜(今回は大根)の特徴を考慮した方法ですので、参考になさってください。
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