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こんなに違う!エンドウとソラマメの育て方|原産地に合わせた栽培法

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農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、エンドウとソラマメの育て方について ご案内いたします。

エンドウとソラマメは いずれもマメ科の野菜で 原産地も近いのですが、原種は育つ環境がそれぞれ異なるため、栽培する方法が違います。

野菜は、原産地に似たような条件でよく育つ傾向にあるといわれていますので、今回は 木嶋先生が紹介されている栽培のポイントについてご案内いたします。

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エンドウとソラマメについて

エンドウとソラマメの原産地

Africa

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エンドウとソラマメは、いずれもマメ科の野菜で、原産地はともにカスピ海沿岸から北アフリカ、西南アジアのあたりで、それぞれの原種が自生しています。

エンドウとソラマメの原種は、原産地は近いのですが、次のような違いがあります。

原種のエンドウ・ソラマメの育ち方の違い

原種のエンドウは 温暖な気候で育っており、雨が降ればいつでも発芽し、ツルを伸ばして地表を覆う密生タイプで、樹木があれば、よじ登って育ちます。

一方で、原種のソラマメは、比較的標高が高い冷涼な地域の四季がはっきりした樹林帯で育ちます。

落ち葉が積もった場所に芽を出して生長し、暖かくなったら花を咲かせて実を付けます。

原種エンドウ 原種ソラマメ
原産地 カスピ海沿岸から北アフリカ・西南アジアのあたり
環境 標高が低い、砂漠周辺の草原 標高が高い、落葉樹の樹林帯
気候 温暖。
年間の温度変化があまりない
冷涼。
四季がはっきりしている
生育時期 時期を問わず生長する。降雨でいつでも発芽し、一年中花を咲かせる 年に1回のみ花を咲かせ、養分をたっぷり蓄えた大きな実を付ける
草勢 密生、ツル性 孤立して生え、大株

日本への伝来

エンドウ ソラマメ

漢の時代に、地中海のフェルガナ(大宛国だいえんこく)から東アジアに伝わり、その国名にちなんで「エンドウ」と呼ばれるようになったと言われています。

エンドウは、9~10世紀頃にアジア大陸から日本に渡来しました。

ソラマメは、8世紀頃にアジア大陸から日本に入ってきました。

サヤが空を向かって付くので、「空豆」と呼ばれたという説があります。

 

※日本への伝来、名前の由来は、諸説あります。

エンドウとソラマメの品種

エンドウ ソラマメ
サヤエンドウ品種 未熟なサヤを利用 伝統品種 サヤが長く、1つに4~6粒の豆が入る。香川県のさぬき長そら豆などが有名です。
実エンドウ品種 未熟な実を利用
子実品種 完熟マメを利用
一寸ソラマメ 1つのサヤに一寸(3cm)ほど豆が2~3粒入ります。お多福品種とも呼ばれています。

エンドウとソラマメの育て方|原産地に合わせた栽培法

栽培のポイント

エンドウの栽培ポイント

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温暖な地域が原種のエンドウは、寒さと暑さのどちらも弱い野菜です。

家庭菜園など、エンドウを露地で栽培する場合、晩秋に種をまいて越冬させ、初夏に収穫するのが一般的な方法です。

エンドウの栽培で気を付けたい点は、冬になる前に苗を大きくしてしまいますと耐寒性が下がりますので、元肥を与えずに育てはじめ、小さな苗で冬を越すのがコツです。

そして翌春、暖かくなってから、大きな株に育ってたくさん実を付けられるよう、株元に油カスなどの有機質肥料をまきながら育ててゆきます。

「エンドウ」
元肥を与えず育てはじめ、翌春に追肥します。

ソラマメの栽培ポイント

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ソラマメは、寒さにあたって花芽分化はなめぶんか(生殖のために花になる芽をつくること)する性質があります。

日本でソラマメを栽培する場合、晩秋に種をまいて越冬させます。

すると、翌春に花を咲かせて大きな実を付けます。

ソラマメの原種は、標高が高い冷涼な地域で育っていますので、幼苗の頃は寒さに強いのですが、それでも厳寒期に入る前に ある程度 育っておりませんと寒さに負けてしまいます。

そこで、種まきの前に、畝に元肥(牛ふん堆肥、骨粉など)をしっかりと施し、栽培を始めるのがコツです。

「ソラマメ」
元肥をしっかり入れて育てはじめ、翌春の追肥は不要です。

種まきについて

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エンドウの種まきについて

エンドウは、ソラマメのように低温で花芽分化する性質はなく、原産地では一年中花を咲かせては実をポロポロと落とし、集団でワサワサと茂っています。

そのことから、家庭菜園でも 種まきの時期は晩秋に限らず、春先や夏に種をまいて、収穫を楽しむことが出来ます。

花が咲く時期が真夏の高温期と重なりますと、花が落ちて実がなりませんが、その時期を外せば一年中栽培することも可能です。

ソラマメの種まきについて

ソラマメは、エンドウと異なり、原産地では適期になりませんと芽を出しません。

また、実を付けるのは年に1回のみですので、日本では晩秋に種をまいて、初夏に収穫するという1パターンです。

スーパーマーケットでエンドウは通年売られていますが、ソラマメが初夏しか販売されていないのは、このような理由によるものなのですね。

冬越しのコツ

エンドウの冬越し

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木登りが得意なエンドウは、ツルを伸ばしてどんどん育ってゆきます。

家庭菜園では、園芸ネットと支柱を利用して栽培するのが一般的ですが、ナイロン製の園芸ネットとの相性はあまりよくないようで、素直にネットに絡まず、ツルが横に広がってブラブラと垂れてしまうというご経験を持たれた方もいらっしゃると思います。

そこで、木嶋先生がおすすめされている資材は、伝承ワザの「笹竹」です。

自然素材の笹竹を使いますと、エンドウはツルを絡ませて育ち、防寒対策にもなります。

ソラマメの冬越し

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冬越しのコツは、初生葉しょせいよう(双葉の次に出る葉)が出て、本葉が3枚出た頃に、頂芽を摘心してわき芽を増やすことです。

こうすることで、耐寒性が増します。

また、苗の脇に笹の葉などを指して霜よけにしますと、問題なく越冬することが出来ます。

脇芽が増えることで、収量も増えますので、一石二鳥ですね。

ソラマメのアブラムシ対策

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ソラマメ栽培は、株をつくるために元肥をしっかり施すため、春になるとどうしてもアブラムシが付きます。

木嶋先生がおすすめされているアブラムシを減らす効果的な対策をご紹介いたします。

[対策1]

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吸肥力のある野菜を、ソラマメのそばに植えます。キャベツ、ハクサイ、ブロッコリーなどのアブラナ科野菜をソラマメと混植することで野菜が養分を吸収しますので、ソラマメに付くアブラムシが少なくなることが期待できます。

[対策2]

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左からソラマメ、白クローバー、ニンニク、エンバク、クリムソンクローバー

エンバク、クリムソンクローバーなどのバンカープランツを育てますと、アブラムシを捕食するテントウムシやクモなどの益虫が寄ってきます。

[対策3]

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アブラムシは、ソラマメの生長点に集まりますので、翌春に ソラマメの草丈が70cmほどになったら、生長点を摘心します。これを行った場合でも、サヤは問題なく付きます。

土づくり

エンドウ ソラマメ
水はけが良い砂質や壌土の畑の場合は「平畝」。粘土質の畑は「高畝」。
元肥 不要。
越冬前に大苗にならないように、元肥を施さず、畝に種まきする。
牛ふん堆肥・骨粉などを施す。
砂質の畑は2割増、粘土質の畑は2割減が目安。
追肥 立春を過ぎたら、追肥を始める。
2~3週おきに油カスを株元に薄く広くまく。
不要。
春になったら土寄せをして生育をうながし、実を太らせる。

まとめ

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農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、原産地に合わせたエンドウとソラマメの栽培法について、ご案内いたしました。

野菜は、原産地に似たような環境でよく育つ傾向にあるといわれていますので、参考になさってください。

[参考文献]

木嶋利男著「野菜の性格アイデア栽培」

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キッチンガーデンのこと野菜づくり
この記事を書いた人
カジトラ

関東在住の専業主婦です。
夫と二人暮らし。
2023年の春、海に近い地域に移住しました。

家族の介護、某シンクタンクで馬車馬のように働き詰めだった日々に区切りをつけ、現在は農学博士 木嶋利男氏が提案するコンパニオンプランツ栽培で野菜を育てています。

文明の利器を取り入れつつも、古き良きモノ・慣習を大事にしながら暮らしてゆくことを目指しています。

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