農学博士の木嶋利男先生が紹介されている「ごぼうの再生栽培」の方法について、ご案内いたします。
この栽培は、昔農家さんが行ってきた方法で、一度収穫したごぼうから出た新芽をふたたび植えなおしますと、最初のごぼうより、トータルの収量が大幅にアップすると言われています。
長さや太さにばらつきが出ますが、家庭用であれば十分かと思いますので、参考になさってください。
昔農家さんに学ぶ「ごぼうの再生栽培」タコ足栽培で収量アップする方法
伝承農法「ごぼうの再生栽培」
※画像はイメージです
ゴボウは多年草(宿根草)で、芽の出た根の付け根を植え直しますと、ふたたび太い根が何本も出て、タコ足のように育ちます。
再生したごぼうは、最初のものより短くなりますが、トータルの収量は大幅にアップすると言われています。
秋の牛蒡(ごぼう)を貯蔵しておくと、春になり芽が出ます。
芽を五六分(2cm弱)の所から切り、耕作した所に芽だけ見えるやうに六七寸(約20cm)の距離に植ゑます。一本の芽から四本乃至(ないし)六本ぐらゐの牛蒡が生え、三倍以上の増収を得ます。出典 木嶋利男著「昔農家に教わる 野菜づくりの知恵とワザ 87頁(「家の光」昭和12年2月号「農業の實驗」石井傳吉さんの投稿)
何度でも繰り返しの栽培が可能
農学博士の木嶋利男先生によりますと、再生栽培を行い収穫したごぼうは、前回と同じように、葉の付いた部分の根を少し残して植えますと、何度でも再生して、ごぼうを取り続けることが可能になります。
タコ足ごぼうの味について
タコ足になったごぼうの味は、ふつうのものと変わりません。
ごぼうの再生栽培の方法
1.ごぼうの収穫
秋から冬に収穫したごぼうを丸ごと貯蔵します。
葉を根側で切りますと、翌春に新芽が出にくくなりますので、付け根が残る程度で切ります。
2.ごぼうの保存
畑に深さ30cmほどの穴を掘り、ごぼうを寝かせて土で覆います。
3.ごぼうの植え付け(翌春)
※ 画像はイメージです
翌春、ごぼうを掘り出します。
新芽を付けたまま、根の上部(5~6cm程度)を切ります。
畑を深く耕し、株間20cmで植え付けます。
4.種まき栽培との比較
再生栽培を行ったごぼうは、根が分かれてタコ足状に伸びます。
長さ、太さにばらつきが出ますが、収量は種まきして栽培するものより、3倍以上に増収すると言われています。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている「ごぼうの再生栽培」の方法について、ご案内いたしました。
再生栽培したごぼうは、長さや太さにばらつきが出ますが、ふつう栽培より3倍以上の収量アップが期待できますので、家庭用であれば十分かと思います。
この栽培は、昔農家さんが行っていた、ごぼうの特性を活かした方法ですので、参考になさってください。
[参考文献]
木嶋利男著「昔農家に教わる 野菜づくりの知恵とワザ」