農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ゴーヤのコンパニオンプランツをご紹介いたします。
ゴーヤを単体で栽培するより、コンパニオンプランツ(共生作物)と一緒に育てますと、同じ空間を利用しながら害虫忌避と生育促進に効果があると言われています。
プランターでお手軽に栽培できるゴーヤを グリーンカーテンにするご家庭が多くなってきたようですが、同じ空間でもう1品種、美味しい野菜を栽培してみられてはいかがでしょうか。
ゴーヤのコンパニオンプランツ「つるありインゲン」
ゴーヤとつるありインゲンは、いずれもツル性の作物ですが、木嶋先生が紹介されている支柱やネットを共用した効率的な栽培方法をご案内いたします。
土を肥沃にするマメ科作物
つるありインゲンはマメ科の野菜で、根っこに根粒菌が共生し、空気中の窒素を取り込み周囲の土を肥沃にします。
その結果、ゴーヤはその養分を利用しながらよく育ちます。
ゴーヤの香りで高まる害虫忌避効果
ゴーヤは、ウリ科の野菜で独特の香りを漂わせるため、害虫がほとんど付きません。
そのためインゲンに付きやすいカメムシ、アブラムシ、アズキノメイガ(フキノメイガ)などの害虫が寄り付きにくくなる効果があります。
きれいなグリーンカーテンに
ゴーヤは斜めにツルを伸ばし、つるありインゲンはほぼ垂直にツルを伸ばします。
そのため 互いのツルがうまく絡みながら伸び、きれいなグリーンカーテンが出来上がります。
ゴーヤとインゲンのコンパニオンプランツ栽培のポイント
ウリ科、マメ科はネコブセンチュウの被害に遭いやすく、一緒に栽培すると被害が増大する場合があるとも言われています。
そのため、ネコブセンチュウの発生がみられる場所での混植は避けましょう。
※ センチュウ対策については、関連記事にてご紹介しておりますので参考になさってください。
品種選び
ゴーヤ、つるありインゲンともに品種は何でもOKです。
種まきと植え付け
ゴーヤはポリポットに2粒まいて、本葉2枚で1株にします。
本葉が3~4枚になりましたら植え付けのタイミングです。
このとき同時に、つるありインゲンの種もまきます。
ポイント
ゴーヤ
ポリポットに2粒まき、本葉2枚で1株にします。そして本葉3~4枚で植え付けます。
つるありインゲン
1か所に3粒まき、本葉1.5枚で間引いて1~2本にします。種まき直後から間引きまでネットや寒冷紗などで覆って鳥に食べられないようにします。
追肥
肥料は基本的に施しません。
収穫
ゴーヤ
果実が肥大したら収穫します。
つるありインゲン
サヤがかたくならないうちに早めに収穫します。
ゴーヤのコンパニオンプランツ「長ネギ」
病気予防に効果的な「長ネギ」
木嶋先生によりますと、長ネギの根に共生する細菌は抗生物質を出して、土の中の病原菌を減らす効果があることが最近の研究でわかってきたそうです。
ウリ科と長ネギの混植は古くから知られた伝承農法で、栃木県ではユウガオ(カンピョウの原料)の株元に長ネギ植えて栽培しています。
ウリ科と長ネギの混植は つる割病などの病気が発生しないため、科学的に分析してみたところ、病気予防に効果がある菌(バークホーデリア・グラジオリー)が抗生物質を出して、ユウガオの病気を防いでいることが実証されたことを、木嶋先生は紹介されています。
ウリ科と相性が良い「長ネギ」
今回はゴーヤと長ネギの組み合わせをご紹介しておりますが、そのほかのウリ科作物でも同様の効果を得ることが出来ます。
・キュウリ
・ヘチマ
・カボチャ
・スイカ
・メロンなど
ゴーヤと長ネギの栽培ポイント
ゴーヤの種まき
ゴーヤの根と長ネギの根が絡まるように植えるのがポイントです。
そのためゴーヤの種は直まきではなく、ポリポット等で育苗するのがおすすめです。
苗の植え付け
ゴーヤの芽が出て本葉3~4枚になりましたら、元気の良さそうな苗を選び、長ネギと一緒に植え付けます。
長ネギは、ゴーヤ1苗に対して2本植え付けます。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ゴーヤのコンパニオンプランツと栽培方法をご案内いたしました。
土を肥沃にする効果のある「つるありインゲン」は、同じネットで空間を有効に使って栽培することができ、「長ネギ」は根っこに共生する根粒菌でゴーヤの病気を防ぐ効果が期待できます。
ゴーヤを単体で栽培するより 他の野菜も収穫できるメリットもありますので、参考になさってください。
[参考文献]
[関連記事]