ステンレス包丁を砥石で研ぐ方法を、ご紹介いたします。
包丁を研いだことがない方でも簡単に研ぐことが出来ますので、お試しください。
ほんのひと手間で、お家にある包丁の切れ味がとても良くなりますので、お料理がグッと美味しくなります。
今回は、「普段使いの西洋包丁(ステンレス)」の研ぎ方をご紹介いたします。高級な包丁の研ぎ方ではありませんので、ご了承ください。
切れる包丁が食材を美味しくする理由
どんなに切れる包丁でも、使い続けると切れなくなってきます。
切れない包丁でトマトなどを切ると、皮に刃が入らず果肉がつぶれてしまったというご経験はないでしょうか。
せっかく新鮮な食材でお料理しようと思っても、包丁1本が美味しさを台無しにしてしまいます。
美味しい料理を作るために、切れる包丁を使いましょう。
なぜなら切れる包丁は、食材の細胞繊維を壊さないため、美味しさが損なわれないのです。
準備:ステンレス包丁を研ぐ方法
用意するもの
・砥石(表が荒砥(あらと)、裏が仕上砥(しあげと)のもの)1個
・砥石が入る大きさのバット
・砥石を乗せるブロックなど
・水
砥石について
1個の砥石に「荒砥(あらと)」と、「仕上砥(しあげと)」になっているものを選びましょう。
わが家の砥石は数百円の安価なものです。普段使いのステンレス包丁は、高価な道具がなくても大丈夫です。
砥石が入る大きさのバット
砥石を水に漬けてから、研ぎ始めます。バットに入った水を使ってステンレス包丁を研いでゆきます。
砥石を乗せるブロックなど
新聞紙や布の上に砥石をのせて、包丁を研ぐ方法もありますが、カジトラでは「台」となるブロックなどに乗せて研ぐことをおすすめします。
なぜなら「台」の上に砥石を乗せて包丁を研ぐと、砥石がずれないからです。
刃物を扱いますので、滑らないという危険回避と、研ぎやすくなるという観点で「台」にてご紹介いたします。
荒砥と仕上砥について
荒砥(あらと)
手ざわりはザラザラしています。
荒砥は、刃こぼれやキズを修正するための石です。
仕上砥(しあげと)
荒砥に比べると、スルスルした手ざわりです。
仕上砥は、荒砥で研いだ時にできるバリを取り除き、より鋭くするためにするための石です。
実践:ステンレス包丁を研ぐ方法
それでは研ぎ方をご説明いたします。
1.砥石を水に漬けます
バットに砥石を入れて水を注ぎます。
砥石がひたひたになる高さまで入れて、30分ほど砥石に水を吸わせます。
2.まず荒砥で研ぎます
まず、荒砥で研いでゆきます。
1.包丁片面の半分ずつ研ぎます。
2.包丁と荒砥の間に10円玉が入っているイメージで研ぐのがポイントです。
1.研いでいる間、常に砥石に水がある状態にします。写真くらいの水の量を保ちながら研ぎます。
2.包丁の上半分(先端から中心まで)を荒砥にあてて、上下に100往復スライドさせます。この時、研ぎ水は捨てずに一緒に研ぎます(研磨力が高まります)
3.次に、包丁の下半分(中心から柄の部分まで)の面を、上下に100往復スライドさせます。水が少なくなってきたら、バットの水を振りかけます。
包丁を裏返して、同じように研ぎます。
4.裏面の上半分(先端から中心まで)を荒砥にあてて、上下に100往復スライドさせます。水が少なくなってきたら、バットの水を振りかけます。
5.次に、裏面の包丁の下半分(中心から柄の部分まで)の面を、上下に100往復スライドさせます。水が少なくなってきたら、バットの水を振りかけます。
3.次に仕上砥で研ぎます
1.片面の半分ずつ研ぎます
2.包丁と仕上砥の間に10円玉が入っているイメージで研ぐのがポイントです。
砥石をひっくり返して仕上砥を上の面にします。研ぎ水は洗い流さず、このまま使います。
1.包丁の上半分(先端から中心まで)を仕上砥にあてて、上下に100往復スライドさせます。水が少なくなってきたら、バットの水を振りかけます。
2.次に、包丁の下半分(中心から柄の部分まで)の面を、上下に100往復スライドさせます。
包丁を裏返して、同じように研ぎます。
3.裏面の上半分(先端から中心まで)を仕上砥にあてて、上下に100往復スライドさせます。水が少なくなってきたら、バットの水を振りかけます。
4.次に、裏面の包丁の下半分(中心から柄の部分まで)の面を、上下に100往復スライドさせます。
これで包丁を研ぐことが出来ました。
3.最後は食器用洗剤で洗い流します
研ぎ終わったステンレス包丁を食器用洗剤で洗って、よく水洗いして完成です。
包丁の研ぎ方のポイント
1.砥石に水を吸わせてから研ぐこと
水を枯らすことなく、砥石に常に水がある状態で研ぐことがポイントです。研がれた砥石の粒子と水のにごりで、鋭い切れ味にしてくれます。
2.包丁を浮かせて研ぐイメージ
包丁の刃は、下の図のように斜めになっています。
包丁と砥石の間に10円玉が入っているようなイメージで研ぐと、角度が決まるので研ぎやすくなります。
どんな砥石が良い?
普段使いでガシガシ使うステンレス包丁には、高級な砥石はいらないと個人的に考えています。
砥石をお求めになりたい場合は、1個に荒砥と仕上砥が付いているものが保管も楽ですのでおすすめします。
まとめ
普段使いのステンレス包丁の研ぎ方をご紹介いたしました。
・包丁の片面半分ずつ、スライドさせること
・研いでいる間は水を切らさないようにすること
このポイントを押さえておけば、大丈夫です!
切れ味が悪くなってきたと思ったら、お手入れしてみてくださいね。
自分で包丁を研ぐと「切ってみたい」「お料理をしたくなる」という気持ちになるのが不思議です。
よく切れる包丁で切った食材は、ぐーんと美味しくなりますのでおためしください。
参考:砥石ラインナップ