野菜やお花など 植物を育てる時、「間引き(まびき)」という言葉を耳にしますね。
「間引き」は、種まきした植物が混み合わないように、苗を引き抜いたり、ハサミでカットしたりして、残した植物の生育を促進させるお手入れ方法の1つです。
今回は、野菜の苗を間引く理由、間引きのコツについてご紹介いたします。
野菜の苗を間引く理由
野菜は種を多くまいて育てます
ダイコンやニンジンなど、種をまいて育てる野菜は、実際に収穫する株の数よりも多めに種をまきます。
なぜなら、1粒だけまくより発芽がそろって生育が良くなるからです。
また、まいた種は すべてが発芽するとは限らず、害虫や鳥に食べられてしまう場合もありますので、保険として多めに種をまきます。
間引きをする理由
種を多めにまきますと、発芽した株が次第に混み合ってきます。
混み合ったままの状態で株を育ててゆきますと、日照を求めてヒョロリと背が伸び、丈夫に育たなくなってしまいます。
そこで、適宜 間引きをしながら、株と株にスペースを空けて、本命の株を大きく育ててゆきます。
なお、間引きをした苗は、サラダなどにして頂くことができます。
野菜の苗を間引くコツについて
間引きのタイミング
間引きをするタイミングは、野菜の葉の数によって異なる場合もありますが、基本的に、「隣どうしの株の葉と葉が触れ合った」時に行うのがポイントです。
間引く苗について
間引きをする苗は、双葉のかたちが不ぞろいのものや、背が伸びすぎているもの、虫食いで葉がちぎれているものなどを対象にします。
間引きの方法は、手で苗を引き抜いたり、株の根元をハサミでカットしたりします。
苗を引き抜いた後は土が盛り上がりますので、残す苗の株元に土を寄せて修正します。
害虫は探して駆除を
害虫は、野菜の若い葉を非常に好みますので、発芽した直後から狙われやすくなります。
間引きの作業をする際は、野菜をよく観察し、葉っぱに虫食いの痕がありましたら、害虫を探して駆除します。
間引きの回数について
間引きの回数は、野菜によって異なります。
例えば、ダイコンやニンジンは2~3回 間引きをしますが、枝豆は一般的に1回です。
間引きの回数については、育てている野菜の種袋に記載されていることが多いので、種をまいた後も 袋は処分せずに保管しておくようにしましょう。
野菜の生長に大切な間引き
間引きを行わない野菜はどうなるの?
野菜は、株と株の間に適当なスペースがないと、思わぬ弊害を及ぼします。
1.株が小さくなります
野菜と野菜を密に植えますと、根を伸ばすスペースが限られますので、地上の株もそれなりに小さく育ってしまいます。
2.病虫害が出やすくなります
密で育てる野菜は風通しが悪くなり、病虫害が出やすくなります。
まとめ
「間引き」は、種まきした植物が混み合わないように、苗を引き抜いたり、ハサミでカットしたりして、残した作物の生育を促進させるお手入れ方法の1つです。
野菜の間引きの回数は、種類によって異なりますので、種袋などにて確認しましょう。
株と株の間隔をとって栽培する野菜は、株が大きく丈夫に育ち、収量も増えますので忘れずに間引きを行うようにしましょうね。
[参考文献]
木嶋利男著「プロに教わる 安心! はじめての野菜づくり」23頁