ネギを使った害虫対策を、ご紹介いたします。
この方法は、雑誌「やさい畑」に掲載されているもので、昭和時代の農家さんが実際に行われていたヨトウムシとアオムシ対策です。
ネギの特性を活かした大変興味深い害虫対策ですので、参考になさってください。
ヨトウムシ・アオムシに効果的!昔農家さんに学ぶ「ネギを使ったヨトウムシ対策」
ネギをおとりにする「ヨトウムシ対策」
※ 画像はイメージです
ネギを使ったヨトウムシ対策は、今から約70年前(昭和26年)、雑誌「やさい畑」に投稿されたもので、ナス畑でヨトウムシの被害に遭って困っていた農家さんが、ナスの苗の間にネギを植えてヨトウムシをおびき出すことに成功しました。
ヨトウムシの幼虫は ネギが大好物ですので、当時の農家さんは「ネギをおとり」にして、ナスの苗を守りました。
ヨトウムシがネギを好物であることを逆手にとった見事な発想ですね。
ヨトウムシ対策「ネギの植え方」
※ 画像はイメージです
ナスを定植したあと、ナス苗の5本目ごとに ネギの苗を2~3本植えます。
すると、ネギが大好物なヨトウムシはナスの苗よりネギのほうを食い荒らします。
早朝 畑を見回る際、ネギが倒れていましたら根元を掘り、ヨトウムシを見つけたら捕えます。
なお農家さんは、それをニワトリのエサとして与えていたそうです。
また、おとりに使ったネギは食用にすることができます。
ヨトウムシ・アオムシに効果的!昔農家さんに学ぶ「ネギを使ったアオムシ・アブラムシ対策」
ネギを使ったアオムシとアブラムシの対策も、今から約70年前(昭和26年)に投稿されたものです。
ネギの香りで所在を攪乱する作戦
アオムシの成虫(モンシロチョウやコナガなど)は、アブラナ科の野菜に産卵し、孵化した幼虫が野菜の葉っぱを食害します。
そこで、においの強いネギを野菜のそばに植えておきますと、害虫の成虫は混乱してアブラナ科野菜の所在が分からなくなり、近寄らなくなります。
ネギの植え方
昔農家さんは、ハクサイやキャベツ 2畝ないし、4畝おきに、1畝の割合でネギを間作されていたそうですが、1畝おきにネギを植えたほうが、より効果が望めるでしょう。
まとめ:害虫忌避に効果的なその他の野菜
昔農家さんが行っていた「ネギを使った害虫対策」について、ご紹介いたしました。
この方法は、雑誌「やさい畑」に掲載されているもので、昭和時代の農家さんが実際に行ってきたヨトウムシとアオムシ対策で、アブラムシにも相当な効果があったようです。
薬剤等を使わずとも、ネギの特性を活かした害虫対策は大変参考になりますね。
なお、農学博士の木嶋利男先生は、異なる科の野菜を混植することで、害虫を寄せ付けなくしたり、互いの生長が促進する「コンパニオンプランツ栽培」を紹介されています。
相性の良い野菜の組み合わせなどにつきましては、関連記事を参考になさってください。
[関連記事]
お役立ち!「コンパニオンプランツ一覧表」効果・組み合わせ方法をご紹介します
[参考文献]
「やさい畑」2020春準備号109号めざせ!連作の達人
「やさい畑」2020年春号110号植えつけの新常識
「やさい畑」2019年冬号108号施肥を究める