ニラの葉の表面に、オレンジ色の斑点が出ることがあります。
これは「さび病」というカビが原因の病気である可能性があります。
今回は、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ニラのさび病対策、予防する方法をご案内いたします。
ニラのさび病について
さび病の症状
さび病は、ニラ、ネギ、ニンニクなど ネギの仲間に出る「カビ」が原因です。
葉の表面に盛り上がった楕円形でオレンジ色の斑点が出るのが特徴で、鉄のサビに似ていることが名前の由来になっています。
ニラがさび病にかかる原因
空気中を飛来している さび病の胞子がニラに付いて感染します。
潜伏期間は10日ほどで、畑のウネが過剰に湿っていたり、反対に乾き過ぎていたりなど、ニラの株が弱っていると発病しやすくなります。
さび病がかかりやすい時期
さび病は、生きた植物にしか寄生しない活動寄生菌で、春と秋の低い気温・雨が多い時期に発生します。
伝染源になる胞子の発芽する気温は9~18℃と低めですので、夏の高い気温の時期は発生が少なくなりますが、涼しくなってくる秋口に、胞子が飛んで病気が広がってゆきます。
なお、春に出るさび病は、越冬した胞子が伝染源になります。
ニラのさび病を防ぐ対策は?
💡 ウネの水はけをよくします。粘土質の畑や地下水位が高い畑の場合は、排水をよくすることが予防のポイントです。
💡 肥料の与えすぎ、肥料の控えすぎに気を付けます。
発病してしまった時の対策は?
さび病にかかってしまいましたら、ニラの葉をちぎって土に埋めるなどして処分します。
感染部分をカットしますと きれいな葉が伸びてきますので、根っこごと抜いて処分する必要はありません。
多年草のニラを美味しく収穫する栽培法
多年草のニラは、一回植え付けますと 何年も収穫することができます。
木嶋先生がおすすめされている やわらかく美味しい葉を収穫するコツは、「3年をメドに株分けすること」です。
木嶋先生によりますと、ニラを連作していますと乾腐病、白斑葉枯病(はくはんはかれびょう)などが出やすくなるのだそうです。
これらの病気が出てしまいましたら「株分けでなく、新しい苗」を植えなおすのがポイントです。
古い株は処分せず、やや未熟なたい肥と一緒にウネにすき込んで一か月以上分解させますと、新苗を植え付けたあと 病気が出にくくなります。
💡 3年をメドに株分けします。
💡 病気が出たら新しい苗を植え付けます。
💡 古い株はやや未熟なたい肥とウネにすき込み1か月以上分解させます。
💡 さび病が出たときの対策は、感染部分をカットします
まとめ
※ 壺ニラ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ニラのさび病の原因と対策、予防する方法をご案内いたしました。
多年草のニラは ほぼ放任で育ててもスクスク生長して長い期間収穫できる頼もしい野菜です。
秋と春の乾燥・多雨の時期にさび病が出やすくなりますので、水はけの良いウネで栽培しましょう。
もし、さび病が出てしまっても、病気の部分をカットすれば再生しますので、比較的 手軽に対策できるかと思います。
[参考文献]
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