農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、「里芋の逆さ植え」についてご案内いたします。
里芋の逆さ植えは、種イモの芽を下に向けて植えつける方法で、一般の栽培書ではタブーとされている植え方のようですが、木嶋先生はこれを篤農技術(とくのうぎじゅつ=研究心に富んだ農業技術)として紹介されています。
今回は、里芋の逆さ植えの4つのメリットをご案内いたしますので、参考になさってください。
逆さに植えるだけ!「里芋の逆さ植え」4つのメリット
里芋の種イモの芽を下に向けて植えることを「里芋の逆さ植え」といいます。
種イモから出た芽は、一度下に向かい、その後 上を向いて親芋を形成します。
メリット1「病害虫に強くなります」
逆さに植えられた種イモは、土の圧力を受けながら萌芽しますので、抵抗力が誘導され、病害虫に強くなります。
メリット2「土寄せの手間が少なくなります」
普通栽培の里芋は、株元に土を寄せる作業をたびたび行います。
一方で逆さ植えは、根が普通栽培より深い位置に伸びますので、乾燥の影響を受けにくくなり、子イモからの発芽が抑えられますので土寄せの手間がなくなります(少なくなります)。
メリット3「質の高い里芋が採れます」
メリット2(根が深い位置に伸びるため、乾燥の影響を受けにくくなる)の条件で育つ里芋は、質の良い美味しい里芋になります。
メリット4「孫イモ、ひ孫イモもよく育ちます」
逆さ植えにした里芋は、孫イモ・ひ孫も大きく育ち、子イモと同じくらいの大きさになります。
つまり、普通栽培より収量が増える結果につながります。
里芋の株元に土寄せをする理由
里芋の普通栽培は、子イモからわき芽が伸びますので、土寄せが必要になります。
一方で、逆さ植えは わき芽が伸びにくいため、土寄せの必要はほとんどありません。
里芋の逆さ植えと普通栽培の比較(違い)
普通栽培
※ 画像はイメージです
普通に栽培した里芋は、子イモ→孫イモ→ひ孫イモの順に 小さくなります。
逆さ植え
木嶋先生によりますと、逆さ植えにした里芋の子イモ、孫イモ、ひ孫イモの大きさは、あまり変わりません。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている「里芋の逆さ植え」についてご案内いたしました。
なお木嶋先生は、里芋とショウガを混植しますと互いがよく育ち、質の良いものを収穫することが出来ると述べられています。
里芋とショウガのコンパニオンプランツ栽培につきましては、「関連記事」を参考になさってください。
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