ステンドグラスランプがお部屋にあると、格式高く美しい光で癒されます。
お家のインテリアをもう少し素敵にしてみたいと思われている方にぴったりです。
なぜなら、ただ置いてあるだけでも存分な存在感があって、明かりを灯すとたちまち居心地の良い空間が生まれるからです。
きょうは、「存在するだけで価値がある」ステンドグラスランプについて、その歴史と選び方について、ご紹介いたします。
ステンドグラスランプの歴史
発祥はあの名門から
あなたはステンドグラスランプの柄に、「トンボ(ドラゴンフライ)」がほどこされているのを、見かけたことはないでしょうか。
なぜ、トンボなのか不思議に思われたことはありませんか。
トンボを初めてデザイン製作したのが、かの有名なティファニー社の長男、ルイス・カムフォート・ティファニーだったのです。
ティファニー社の長男
ルイス・カムフォート・ティファニーは、今から170年前の1848年に生まれました。
ルイスは、父親をティファニー社の創業者にもつガラス芸術家で、アメリカの金細工師、服飾デザイナー、ガラス工芸家、アート・ディレクターでもありました。
彼の代表作の一つに、アメリカのグランド・セントラル駅の時計台に使われているステンドグラスがあげられます。
ルイスは、モザイク、照明、陶器、金属製品、エナメルなどの生産に携わりました。
その功績は、ホワイトハウスの内装の設計を行うなど多岐にわたりました。
ステンドグラスに着手
1870年代の中頃から、ルイスはステンドグラスの実験を始め、アメリカにおけるアール・ヌーヴォーの第一人者となりました。
ルイスは主に、ステンドグラスやモザイク加工のガラスランプの製作などにおける芸術家として名をはせることになります。
作品の特徴
ルイス・カムフォート・ティファニーの芸術作品の特徴は、乳白色のガラスを基盤と、モザイクを用いた多様な色を用いた味わいです。
アール・ヌーヴォー様式に共通する写実的な風合いもとても評価が高いのです。
それまでは、エナメル塗装をじかに塗り付ける方法でしたが、ティファニーは色彩ガラスを利用した手法になりました。これは、17世紀ころに無くなった技法をティファニーは再現したのです。
なぜ「トンボ」のデザインなの?
トンボのデザインは「侍魂」から
ルイス・カムフォート・ティファニーは、宝飾品のデザインも携わっていました。その中に、昆虫をモチーフに作られているものがいくつかあり、それがまさに「トンボ」だったのです。
ルイスの父親は、ティファニー社の前身ともなった「ティファニー・ヤング」を開店した当初、道行く人たちが目を惹く何かを探していました。
貿易船が戻ってきたと聞き、港へ向かった父親(チャールズ)は、日本製品を初めて目にします。
日本の職人たちが作り上げた素晴らしい品々に魅せられたチャールズは、借金をしてまで「匠の逸品」を買占めたそうです。
当時の日本はまだ鎖国時代。日本にペリーも来航していない時に、チャールズが買い占めた珍しく・高い技術の日本製品はたちまちニューヨークを拠点に話題となりました。
トンボがあしらえられた小物は、「前に進む」といういわゆる「不転退」という日本の武士が好んで使っていました。
決して、後ろにしりぞくことはなく、前を見て進み続ける。
この「侍魂」に息子ルイスも魅了され、トンボをモチーフにした作品を製作したと言われています。
ティファニー家の父と息子は、大変な親日家であったそうです。息子ルイスの自宅には「日本部屋」まであったそうですよ。
参考サイト「Gold Plaza」 https://goldplaza.jp/column/tiffanyco-attractingworld
カジトラの「ステンドグラスランプトンボ」
ステンドグラス作家の作品
わが家のステンドグラスランプトンボです。
もちろん、ティファニー製ではありません(笑)。40~50年ほど前のもののようです。
このランプは、夫の母から譲り受けたものです。でどころは、義母の友人がステンドグラス教室に通っていて、そこの作家先生が作った作品なんですって。
くだんのステンドグラスの先生は、ご自身の作品を何点もインテリアショップに置いていたそうですが、これだけはご自身でずっと大切に持っていたそうです。
10年前、ご縁があって義母がこのステンドグラスランプトンボを手に入れることになり、そして現在、私たちが譲り受けました。
手作りのステンドグラスは、たいへん美しく、これがわが家にやってきたとき、部屋が一気に華やかになりました。
ステンドグラスランプの選び方
ステンドグラスは、大きく分けて3種類に分類されます。
ガラスの色、濃淡によって印象が変わります。
この章では、3つのタイプ「透明」「半透明」「不透明」のステンドグラスランプをご紹介いたしますので、参考になさってください。
透明のガラス
無色もしくは、色付きのガラスです。点灯した時、消した時の印象はあまり変化がありません。
半透明
透けた感じがあるガラスです。または透明と、不透明ガラスを混合したものも該当します。
半透明のガラスを点灯すると、色と光がやわらかい印象になります。
不透明
乳濁して、透明感がないガラスです。
電気を灯している時と、消している時の印象が大きく異なるが特徴で、点灯するとガラス独自の色が鮮やかに映し出されます。
電球で印象が変わります
白熱電球
白熱電球は、「温かみのある」色を発色します。
クリアタイプの白熱電球は壁に映る光が比較的明確にでます。
フロスト(ホワイト)タイプの白熱電球は、やわらかい光のため映り込みもやわらかくなります。
LED電球
わが家は、節電を考慮してLED電球を使っています。電球が熱くならないので心配がありません。個人的にオススメします。
アンティークについて
アンティークのステンドグラスランプの素晴らしさは言葉に言い尽くせないものがあります。
時を経て育ったガラスは、「時間にいぶされて」独特の風合いを持ち、その存在感たるや。
しかしながら、わが家のステンドグラスランプは、40年~50年前の作品。やはり部品の劣化は否めません。
ネジなどの細かいパーツは経年劣化で、はずれやすくなっていたりする場合もありますので、個人的にはほどほどのアンティークをお選びいただくと良いかなと思います(笑)。
まとめ
ステンドグラスランプの「トンボ」の装飾は、ティファニー社の長男による、日本への思いを込めた愛情ある作品が発端だったことを、おわかりいただけましたでしょうか。
名門ティファニーの長男が、「侍魂」を基に芸術品を製作したとは驚きもあり、そして嬉しくもありますね。
ステンドグラスランプが1つお家にあると、やわらかい光を放ち大変癒されます。
もし、お家に何かインパクトが欲しいと思われている方は、ステンドグラスランプトンボを置いてみてはいかがでしょうか。
置き場がない方は、天井に吊るすランプシェードも素敵ですよ。
[参考商品]
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