野菜の種の取り方を、野菜別にご紹介いたします。
今年育てた野菜が美味しかった場合、来年もその種をまいて育ててみたいと思いますね。
農学博士の木嶋利男先生は、家庭菜園で育てた野菜から、種を採取して翌年に種をまきますと、自分の畑の土に適した種に変化してゆくと述べられています。
今回は、木嶋先生が紹介されている野菜の種(固定種)の採り方について、ご案内いたします。
野菜別|種(固定種)の採り方
翌年もっと美味しくなる楽しい種取り
農学博士の木嶋先生は、自分で育てた野菜の株の中から、育ちがよく味が良いものを選んで種採りし、これを何代か繰り返してゆきますと、自分の畑の土や気候に合った種に変化してゆくと述べられています。
実は簡単!野菜の種の採り方
果菜類の種採りは、種採り用の実を収穫せず残しておいたものを完熟させてゆくのが基本と覚えておかれると良いかと思います。
野菜別 種の採り方
ダイズ・ソラマメ・エンドウ・オクラ・ラッカセイ・シソなど
最も簡単な種を採る方法です。
まず、種を採りたい野菜を収穫せず、畑にそのまま残して株を枯らします。
カラカラになりましたらサヤを割り、種を取り出します。
キュウリ・ナス
種採り用の実を 収穫せず、株に生らして完熟させてゆきます。
皮が茶色くなりましたら、完熟の合図です。
実の中から種を取り出し、よく水洗いして乾燥させて保存します。
乾燥させた種は、ビンや密閉袋などに入れ、冷蔵庫や涼しいところで保管します。
トマト
トマトは完熟するまで木で育てて収穫したものから種を取り出し、容器に入れて数日おきます。
容器に入れたゼリー状の種はヌルヌルしていますので、水洗いをして取り除き、よく乾かして保存をします。
※ 木嶋先生が紹介されているトマトの種採りを、本ページ最後の関連記事にてご案内しております。
アブラナ科の葉菜類
キャベツ、ハクサイ、菜の花などのアブラナ科の葉菜類は、翌春にトウが立つまで育てます。
トウが立つとは、花が咲く際、茎が伸びることです。
花が咲いたアブラナ科野菜は、実を付けます。
株が枯れましたら、茎ごと刈り取りヒモで縛って軒先などにぶらさげておき、十分に乾燥させましたら、サヤを割って種を取り出します。
今年わが家は 菜の花の種を採取をして、種をまいて育てていますが、発芽率もよく元気に生長しています。
ダイコン・ニンジン
ダイコンやニンジンは、収穫したものの中から姿かたちの良いものを選び、畑に埋め戻しておきます。
これらは春になりますと、トウ立ちして花が咲いて種が実ります。
アブラナ科の葉菜類と同様に、種を採ります。
野菜の種採りで気を付けたい点
交雑に気を付けて
野菜の種を採取するときに気を付けたい点が、「交雑」です。
とくにアブラナ科の野菜は交雑しやすいため、種採り用に数株残す際は、寒冷紗なで全体を囲み、アブやハチなどの昆虫を近づけいない工夫をします。
布で覆われた株は、アブやハチなどに受粉をしてもらえませんので、花が咲いたらハケなどを使って人工受粉をします。
F1種と固定種とは?
野菜づくりをしてゆきますと、F1種、固定種という言葉を耳にされたことがあるかもしれません。
この章では、それぞれがどういう種かをご紹介いたします。
F1種とは
F1種は、野菜のうまみや耐病性を高めるために交配して作られた種のことで、種袋に「〇〇交配」「一代交配」などと記してあります。
F1種は、この野菜から種を採取して翌年まいても同じ形質の野菜は育たないのが特徴です。
固定種とは
固定種は、時間をかけて野菜の性質を固定したもので、採った種をまきますと、同じ性質の野菜が育ちます。
種採りを楽しむにはどちらがおすすめ?
木嶋先生は、種採りを楽しむならば、翌年も同じ性質の野菜が生る「固定種」をおすすめされています。
一方で、例えば、F1種のトマトから採取した種を翌年まき、あえて固定でないタイプのトマトが生るのを楽しむことも出来ます。
まとめ
野菜の種の取り方を、野菜別にご紹介いたしました。
今年育てた野菜が美味しかった場合、来年もその種をまいて育ててみたいと思いますね。
農学博士の木嶋利男先生は、家庭菜園で育てた野菜から、種を採取して翌年に種をまきますと、自分の畑の土に適した種に変化してゆくと述べられています。
種からまいて野菜を育ててゆきますと、時間はかかりますが、楽しさもひとしおですので、参考になさってください。
[参考文献]
木嶋利男著「プロに教わる 安心! はじめての野菜づくり」
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