キュウリなどのウリ科作物の葉っぱに、オレンジ色の甲虫が付いているのを目撃されたことはないでしょうか。
これは、キュウリなどのウリ科野菜を好物とする「ウリハムシ」といって、別名「ウリバエ」とも呼ばれている虫です。
今回は、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ウリハムシを無農薬で駆除する4つの対策をご案内いたします。
ウリハムシについて
発生時期
ウリハムシは、4月~10月頃に発生し、一般地において 5月と8月がピークになります。
ウリ類と活動が重なるウリハムシ
ウリハムシの成虫は、落ち葉の下や樹皮の下で越冬し、4月~5月頃から活動をはじめます。
この時期は ちょうどウリ科作物の苗の植え付けと重なりますので、幼苗が被害にあいやすくなります。
成虫は5月~7月頃、ウリ科作物の株元に産卵し、羽化した新成虫は7月~8月に発生しますので、秋のキュウリを栽培するときも食害されやすくなります。
ウリハムシが付く理由
※ ウリハムシに食害されたキュウリの葉。円を描くように葉や花などを食害します。
ウリハムシは、ウリ科作物の独特な香りに誘引され、苗を植え付けますとすぐに飛んできます。
農学博士の木嶋利男先生によりますと、元気な苗は、ウリの香りをより放出しますので、誘引を止めることは出来ないのだそうです。
ウリハムシを無農薬で駆除する4つの対策
1.あんどんを立てて防ぐ対策
強風・防寒の効果がある「あんどん」は、ウリハムシ対策にもおすすめです。
ウリハムシは若い葉を好みますので、苗の本葉が4~5枚の頃にあんどんを取り外しますと、もう近寄ってこなくなります。
2.防虫ネットを張る対策
苗が大きくなるまで(本葉4~5枚の頃まで)、ウネ全体を防虫ネットで覆う方法も効果的です。
3.キラキラテープ・シルバーマルチなどで防御する対策
出典 楽天市場
ウリハムシの成虫は光るものを嫌いますので、シルバーマルチやキラキラテープも飛来の予防になります。
4.株元にネギを敷く対策
木嶋先生によりますと、ウリハムシの成虫は、ネギの香りを嫌う性質がありますので、刻んだネギを株元に置きますと、若干ではありますが 効果がありますと紹介されています。
わが家は 畑と自宅の植木鉢にネギを敷く対策をとっておりますが、ネギを施していないところより、ウリハムシの付きが少ないことを、わずかではありますが実感しております。
また、同じネギ属のニンニクの葉も効果があるように思います。
5.定植時期をずらす対策(筆者加筆)
※ 6月の上旬に定植したキュウリです
キュウリ苗の植え付けは、一般地で4月の下旬からが適期と言われていますが、この頃は、ウリハムシの発生時期と重なります。
わが家は 今年、夏野菜の着手が遅れ、5月の連休に第一弾のキュウリ苗を植え付けたところ、やはりウリハムシにことごとく葉を食害されました。(致命的な損傷はなさそうで、大きくなってきました)
そして、6月上旬に 第二弾の植え付けを行いました。すると、ウリハムシはキュウリの葉に止まったり群がってはいるものの、葉を食害していないことがわかりました(上の画像です)。不思議です。
遅い時期に苗を植え付けましたので、果実の収穫も遅くなりますが、わが家は苗の植え付けをあまり焦らずに、キュウリ栽培を楽しんでみようと思いました。
ウリハムシが発生したときの対策
見つけたら駆除
ウリハムシの成虫は、捕まえても捕まえても ウリの香りに誘引されて飛んできますが、見つけ次第 駆除しましょう。
なお、葉っぱの上でつぶしますと、葉も一緒につぶれますので よりウリの香りを放ってしまいますので、気を付けてくださいね。
ペットボトルのトラップ
手でつかみたくない場合は、ペットボトルでウリハムシを捕獲するトラップを使う方法もあります。
このトラップは、カメムシなどの害虫類を捕まえる時も使うことが出来ます。
ペットボトルの一番太い部分をカッターで輪切りにします。手を切らないように気を付けてくださいね。
輪切りにしましたら、フタ口をひっくり返して本体にはめ込みます。
これで完成です。
切った口からウリハムシを誘導して捕獲します。
上の写真は貝殻でウリハムシを再現しました。
一度ペットボトルのトラップにかかったウリハムシは、外に出ることが出来ません。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ウリハムシを無農薬で駆除する4つの対策をご紹介いたしました。
わたしたちヒトと同じように、ウリハムシも元気で健康なウリ科作物が好物です。
わが家はネギやニンニクの葉を株元に敷いておりますが、完全に忌避することは出来ないものの、その効果を実感しております。
ウリハムシは無農薬でも駆除することが出来ますので、行いやすい方法をおためしになってみてくださいね。
「関連記事」
効果あり「あんどん」でウリハムシ対策|ペットボトルと牛乳パックを使った作り方
[参考アイテム]
[参考文献]