自然農法家の高内実(たかうちみのる)さんが紹介されている、ヨトウムシの予防対策について、ご案内いたします。
薬剤を使わずにヨトウムシを駆除する方法は、なかなか難しいと言われていますが、今回ご紹介する対策は、ヨトウムシの習性を活かした方法です。
時間を要する対策になるかもしれませんが、大変興味深い方法ですので、参考になさってください。
ヨトウムシについて
別名「夜盗虫・夜盗賊」
※画像はイメージです
ヨトウムシは、ヨトウガという蛾の幼虫を指しますが、ハスモンヨトウなど「ヨトウ」と名前が付いている虫もヨトウムシと呼ばれています。
野菜に付きやすいのは、おもにヨトウガとハスモンヨトウで、それぞれ発生時期が異なります。
ヨトウガの幼虫は、夜間に活動して野菜を盗み食いすることから、「夜盗虫」「夜盗賊」という呼び名が付いています。
ヨトウガの発生時期
ヨトウガは、4月~6月と9月~11月に発生します。
越冬したサナギは、翌春に成虫になって卵を産みますので、春の被害が多くなります。
ハスモンヨトウの発生時期
※画像はイメージです
ハスモンヨトウは、高温で乾燥した環境で繁殖しやすくなり、ヨトウガが休眠する夏の間(7月~秋のお彼岸の頃)に発生します。
食欲旺盛なヨトウムシ
ヨトウムシは、野菜をまったくの無肥料で育てている場合や、窒素過多の肥沃な土で育てている場合にも付きやすいという、いずれをとってもやっかいな害虫です。
ヨトウガの習性を活かした駆除方法
有機質の食物を好むヨトウムシ
自然農法家 高内実さんによりますと、ヨトウムシは 本来 半分発酵しかかったような柔らかい葉を食して生きています。
そのため、畑にそのようなエサがないと、野菜の根っこや葉を食べにやってきます。
ヨトウムシの生息地帯をつくる!ヨトウガの習性を活かした駆除方法
畑の草を刈り取り、一ヶ所に積んでおきます。
そして、畑仕事をしている時にヨトウムシを発見しましたら、都度、積んだ草の山に入れてゆきます。
草の山に入れられたヨトウムシは、エサが十分ありますので、そこから這い出て、野菜の畝にはやってこなくなります。
また、草の山で成虫になったヨトウガは、ふたたび同じ場所に卵を産みにくる習性がありますので、畑の野菜を食害することは次第になくなってゆきます。
コガネムシの幼虫も同じ対策でOK
※画像はイメージです
草の山に幼虫を入れる対策は、コガネムシの幼虫にも効果があるのだそうです。
まとめ
自然農法家の高内実さんが紹介されている、ヨトウムシの予防対策について、ご案内いたしました。
この方法は、成虫になった蛾が ふたたび同じ場所に産卵するという習性を活かした対策で、今年から わが家はこの方法を実践しております。
時間を要する駆除対策になるかと思いますが、参考になさってください。
[参考文献]
木嶋利男著「農薬に頼らない病虫害対策 (学研ムック 学研趣味の菜園)」
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[参考動画:自然農法家 高内実さんの動画]
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