秋冬野菜の代表ともいえる白菜を、病気と害虫から守って育ててゆきたいですね。
今回は、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、「白菜の病気に負けない栽培ポイント・害虫対策」について、ご案内いたします。
白菜が病気にかかりにくくなる栽培のポイント
白菜がかかりやすい病気
アブラナ科の中でも白菜は「根こぶ病」の被害が出やすい野菜です。
そのほかに、モザイク病、べと病、ハクサイ黄化秒、軟腐病にかかることがあります。
白菜の根こぶ病対策
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、白菜の根こぶ病を防ぐ4つの対策をご案内いたします。
対策1.ウネづくり
病気に感染しにくくなる環境にするために、水はけの悪い畑は「高ウネ」にし、排水性をよくします。
対策2.土づくり
元肥は十分に
白菜は養分と水分が不足しますとうまく育ちませんので、元肥を十分に与え 土づくりをするのが病害虫の一番の対策になります。
木嶋先生によりますと、しっかり土づくりを行いませんと、株どうしが肥料を奪い合い、生育にばらつきが生じてしまうのだそうです。
強い株に負けた弱い株は、病気と害虫につけこまれてしまいます。
元肥の目安(1㎡あたりの参考量)
・牛ふんたい肥 3kg
・油かす 300g
養分が流れやすい砂質の畑の場合は、元肥を多めに施し、肥沃な粘土質の畑は少なめにしましょう。
サンゴ化石で病気対策
木嶋先生がおすすめされている病気対策になる土づくり(苗の植え付け)は、「サンゴ化石」をほどこすことです。
サンゴ化石には根こぶ病菌の胞子を吸着する働きがあり、石灰のように酸性の土を中和する効果があります。
土づくりの方法は、粉末タイプのサンゴ化石をウネの表面にうすくまいてすき込むか、苗を植える穴に50gほど施し植え付けます。
3.エンバクを間作
エンバクを白菜と一緒に栽培するのも、おすすめの病気対策です。
エンバクはアベナシンという成分をつくり出し、根こぶ病菌を殺す働きがあります。
半月前にエンバクの種をまいて育てておき、エンバクとエンバクの間に白菜の苗を植え付け育てます。
白菜の収穫後、エンバクは土にすき込んで緑肥にすることができ、刈り取って有機物マルチにすることも出来ます。
4.植え付け時期も大切です
根こぶ病は、気温が19度以上の日が長く続きますと発生しやすくなりますので、秋のお彼岸~春のお彼岸の間に 種まき・苗の植え付けを行いますと、ほとんど発病しなくなります。
白菜が病気になった時の対策
根こぶ病が発生した株は、腐る前に畑から持ち出して処分しましょう。
木嶋先生によりますと、根こぶ病の菌は 休眠胞子というかたちで30年は土に残り土壌にたまってゆきますので、畑に埋めたままにしないようにします。
白菜栽培の害虫対策
防虫ネット
白菜に付きやすい害虫は、ヨトウムシ、ハイマダラノメイガ、アオムシ、コナガ、の幼虫、ナメクジなどです。
苗を植え付けたばかりの頃に害虫に食害されてしまいますとダメージが大きくなりますので、苗を植え付けましたらすぐに防虫ネットをかぶせて、害虫の産卵を防ぎましょう。
なお、防虫ネットを設置しても安心はできません。
害虫は網のすき間から産卵したり、土の中からも出没しますので、葉の裏やすき間を頻繁にチェックし、もし害虫を見つけましたら取り除きます。
コンパニオンプランツ栽培で害虫対策
白菜と一緒にキク科の野菜を栽培しますと、害虫が寄り付かなくなる効果があります。
害虫対策になるキク科の野菜は、赤いサニーレタスです。
モンシロチョウやコナガはレタス独特の香りと、赤い色を嫌いますので 白菜を単独で栽培するより効果的です。
種まきでもよく育つ白菜
木嶋先生によりますと、白菜は直まきのほうがよく育つのだそうです。
種のまき時(一般地で8月中旬~9月初旬)は、まだ高温が続き発芽のそろいが悪くなりますので、涼しくなる頃まで、寒冷紗のトンネルを覆っておくのがおすすめです。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、「白菜の病気・害虫対策」についてご案内いたしました。
・ほどよい量の元肥
・サンゴ化石、エンバクで病気対策
・防虫ネット、コンパニオンプランツ栽培で害虫忌避
白菜は病気にかかりやすく害虫被害に遭いやすい野菜ですが、無事に収穫したいですね。
なお、白菜のコンパニオンプランツ栽培につきましては別の記事にてご案内しておりますので、下の関連記事を参考になさってください。
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[参考文献]
[白菜の害虫対策]