築50年になる中古物件を契約し、わが家が最も力を入れたいと思っていたのは「キッチン」でした。
今回は、イケア(IKEA)のシステムキッチンを選ぶまでの経緯、オーダーしたアイテム、価格、工事に関すること、実際の使用感についてご紹介いたします。
なお、価格につきましては、後日ご案内いたします。
※ 本記事の内容は、個人の主観に基づき記しておりますことをご承知おきくださいますようお願い申し上げます。
イケア(IKEA)のシステムキッチンについて
イケアのシステムキッチンは、大まかに分けて2つの種類があり、「クノックスフルト(KNOXHULT)」と、メトード(METOD)です。
低価格のクノックスフルト
クノックスフルトは、扉タイプのキャビネットで、カラーはホワイトのみです。
バリエーション豊富なメトード
メトードは、サイズやカラーなど豊富に揃っており、引出しタイプのキャビネットが多いです。
クノックスフルトより価格は高めですが、収納力が高く、自由にカスタマイズすることが可能です。
長年、賃貸住宅での生活を経て、私は扉タイプのキャビネットの収納力の不足を感じていましたので、メトードにすることにし、色はブラウンを選びました。
[詳細]メトード(METOD)
イケア(IKEA)システムキッチンの購入に至るまで
理想のキッチン
私が理想として描くキッチンは次のとおりです。
・キッチンボード(作業スペース)が木製であること
・シンクは陶器でできていること
・水栓はアンティーク調のもの
システムキッチンの購入は人生で初めての経験であり、不動産屋が紹介してくれた地元の便利屋さんに相談したり、自らSNSで検索したりして探しました。
ご存知の通り、システムキッチンは経済的な負担が大きく、安い買い物ではありません。
オーダーメイドや、高級なシステムキッチンを扱う店舗のウェブサイトを覗くと、目をむくような金額が並んでいます。
恐ろしい価格を目の当たりにした私は、しばらくキッチン探しをやめてしまったほどです(笑)。
桒原さやかさん宅のイケアのシステムキッチン
引用 桒原さやかさんのInstagramより
ある日、私の目に留まったのは、長野県松本市在住の桒原さやかさんの記事でした。
現在ライターとして活動されている桒原さんは、スウェーデン人の旦那様と共に、イケアに勤務されていた経歴をお持ちです。
桒原さんは、東京やノルウェーでの生活を経て、数年前に松本のお家を購入され、DIYをしながら生活されています。
桒原さん宅のキッチンはもちろんイケア製で、驚くべきことに、旦那様が加工や設置などをほぼ一人でなさったそうです。
桒原さん宅のイケアのシステムキッチンは、まさに私が理想としていた要素、
・キッチンボード(作業スペース)が木製であること
・シンクは陶器でできていること
を備えていましたので、記事やインスタグラムの画像を懸命に拡大して、参考にさせていただきました。
キッチン部屋の測量
こちらが築50年に近いキッチンです。
この家の前の所有者が大工さんで、リフォームの途中でお亡くなりになってしまい、ご子息が売りに出したところを、私たちが契約しました。
床は新しいフローリング材にリフォームされており、壁と天井は新しい壁紙が貼られいました。
システムキッチンをイケアにすると決めた私たちは、新居(とは言っても、築50年に近い家ですが)のキッチンスペースを徹底的に測量しました。
最初はロの字型やコの字型のキッチンにしようかななど夢を膨らませておりましたが、実際に採寸を行うと、それは夢で終わり、コンパクトなシステムキッチン以外の選択肢しか残っていませんでした。
イケアのサイトとにらめっこの日々
キッチンとなる部屋の計測を徹底的に行った後、イケアのサイトに掲載されているシステムキッチン(メトード(METOD))と、わが家の部屋の広さに合ったものを調査しました。
初めは、欧米のキッチンで見かけるブルーやグリーンを基調にしたものに憧れていましたが、純和風のわが家には、落ち着いた色調が適していると考え、ダークな色調を選びました。
カラーが何色かある中で、私たちが選んだブラウンが最も低価格だったことは、幸運でした。
シミュレーションしてイメージ
※ イケアのシミュレーションシステムに苦戦しました
イケアのウェブサイトには、自宅のキッチンの寸法や窓、扉などを入力し、好みのシステムキッチンを選んでシミュレーションできる便利なシステムがあります。
残念ながら、私が検討していた時期は、このシステムがアップデートされたばかりのようで、この機能をうまく利用することが出来ませんでした。
(後日、イケアのスタッフさんに作成していただきましたが、苦労されていました。)
自作の図面を持ってイケアへ
イケアのウェブサイトから面談の予約を入れ、夫が作成した図面を携えて、イケアを訪れました。
イケアは、当時住んでいた家から電車ですぐの場所にあったため、アクセスしやすく便利でした。
担当のスタッフさんに図面を見せ、購入を検討しているキッチンについて相談しました。
わが家が優先したこと
1.水道栓は現行どおりで
現在のシステムキッチンの水道は、シンクのそばに設置されているものが多いと思います(上記画像参照)。
※ 工事前のわが家のキッチン。ダブルシンクで水道栓が壁から3本出ています。
ところが、わが家は築50年に近い建物で、水道は古いタイプで壁に取り付けられたものでした。
さらに、水道栓は3本あり、ダブルシンク(シンクが2つ)という 珍しい構造になっています。
費用の面で、水道工事を避けたかったため、現状維持(壁から3本の水道栓が出ている状態)でいきたいことを伝えました。
そのためには、イケア以外の水道栓を自分たちで購入することになりました。
2.換気扇の位置も動かさない
通常、システムキッチンの換気扇はガスコンロの直ぐ上に取り付けられるのが一般的かと思いますが、この家は換気扇フードのないプロペラ式で、ガスコンロの真上ではなく右側にずれています。
昔のキッチンでは、換気扇がキッチンの壁の中央や端に設置されることがあったのかもしれません。(私の実家がそうでした)
わが家の換気扇がガスコンロの真上に取り付けられていない理由は、このような事情が関係している可能性があります。
換気扇についても、費用の面で壁に穴を開けて移動させるような大がかりな工事は避けたいと考えており、位置は変えず、フードのないプロペラ式の換気扇を使いたいむねを伝えました。
イケアのショールームにてキッチンの見学
イケア店内では、商品を実際に目で確認しながら、スタッフの方がさらに細やかな説明をしてくださいました。
例えば、引出しに取り付ける取っ手は複数の種類があり、どれを選べばよいか迷っていたところ、おすすめの取っ手を提案してくださったり、イケアのダブルシンクと自給の(自分たちで購入する)水道栓の取付け位置についても適切に教えていただきました。
高さを選べるイケアのキッチン
イケアのキッチンには、87cmと92cmの2つの高さのタイプがありました。
身長の高い夫(178cm)と私(172cm)は、92cmのタイプを選びました。
イケアのショールームには、87cmと92cmの両方の高さのキッチンがサンプルとして展示されており、実際にその前に立って比較検討することができました。
高さのあるキッチンは、外国仕様らしいと感じました。
身長が高い方には、特におすすめかもしれません。
イケアのキッチン工事について
私たちは、自力でのキッチンの設置を諦め、代わりにイケアに工事を依頼することにしました。
私たちは適切な工具を持っておらず、ペンキを塗る程度しか経験がなかったため、キッチンの設置など到底不可能と判断したのです。
一方で、桒原さやかさんの旦那様はDIYのご経験はあまりなかったそうですが、工具を調達し、試行錯誤の末にキッチンの設置を完成させたとのこと。その姿勢には尊敬の念を抱きます。
なお、イケアの工事費用は、購入するシステムキッチンのボリュームによって変動し、私たちの場合は 149,900円(METOD/メトードのレギュラー:2023年当時)でした。
この施工には、キャビネットの組立・設置、吊戸棚の設置、照明の取付・配線、イケア商品の取り付け(コンロ、食洗器、オーブン、レンジフードなど)、梱包資材の片付けや後片付けの掃除などが含まれており、電気・ガス・水道の移設や新規設置に関しては別途見積りが必要です。
また、換気扇や水道栓は自己調達したものを使用するため、その取り付け工事費用は別途請求となります。
[参考1]施工サービス価格(メインエリア内)
[参考2]工事内容の詳細(表)
イケアからの見積り
イケアのショールームでの打ち合わせから数日後、担当のスタッフさんからメールで見積りが届きました。
見積りには細かなパーツまで掲載されており、非常に分かりづらいものでしたが何とか確認し、不明な部分は迷わず質問しました。
施工業者の来訪
見積りが届いた数日後に、イケアを通してキッチン工事を担当する業者から連絡(メール)がありました。
次に行うことは、業者が私たちの新居に訪れ、見積り通りに工事が可能であるかどうかを判断してもらうことです。
なお、業者の来訪に関する費用も、施工費用に含まれています。
見積りどおりにはいかなかった昭和時代の家
棚の取付けを断念
私たちは当初、吊り棚とは別に、木製の棚を壁に取り付ける計画を立てていました。
ところが、わが家の壁は「塗り壁」といわれる内部に補強がないことが判明しました。
これは、壁の内部を探知する機械で調べてもらって分かりました。
洗面所もイケア製品は不可
実は、洗面台もイケアの製品を使いたいと考えており、見積りをしていました。
しかし、わが家の洗面所の壁もキッチンと同様に塗り壁で、補強がないことが判明しました。
イケアの洗面キャビネットは全て壁に取り付けるタイプで、補強の入っていない塗り壁に設置することは推奨していないのだそうです。
結果として、洗面所の施工はイケアに依頼することはできず、自分たちで対処することになりました。
洗面所に関する詳細は、別途記事にする予定です。
自給の換気扇と水道栓について
自分たちで用意する換気扇と水道栓については、施工業者の方におすすめのものを伺いました。
換気扇に関しては、サイズが30cm×30cmのものであれば取り付けられるとのことでしたので、Panasonicのカバー付きのものにしました。
水道栓については、1ハンドルと2ハンドルの2種類を用意し、更には、壁に設置されている水道栓がシンクから距離があるため、長いパイプに取り替える必要がありました。
自分たちで調達した水栓はこの2種類です。どちらも壁から栓が出ているタイプです。
そして、こちらがパイプの長さが40cmの「カクダイ(KAKUDAI) スワンフレキパイプ(400mm) 795-25-400(旧品番0755C)」で、2本購入しました。
長さのあるパイプに取り替えないと、蛇口がシンクに届かないのです。
イケアから大量のキッチン資材が到着
キッチン工事の一週間前に、イケアから大量の資材が届きました。
一人ではとても持てない大箱や小箱など、ざっと数えて80箱はあったと思います。
寝室は足の踏み場もないほどの箱に占領され、一週間歩くのに苦労しました。
写真に収めなかったことが残念です。
そして、イケアのキッチン工事の日
引越しの1週間前に、キッチン工事が始まりました。
工事は朝9時から夕方5時までの2日間で行われ、2人の職人さんが手際よく進めてくださいました。
古い造りの家のため壁が歪んでおり、その歪みに合わせてキッチンボードをカットしてくださいました。
このような職人技は、私たちにはとてもできないことであり、工事を依頼して本当に良かったと思いました。
ガス工事も無事に終了
※ 工事前のガス栓。
ガス工事も無事に終了しました。
キッチンの取り付け工事と同時に、ガス会社の方が見えて、ガスの点検とコンロの接続を行ってくださいました。
ガス会社との連携は、キッチン工事の業者が行いましたので、私たちはノータッチでした。
ガス作業員さんが、床下に潜り込んで作業されていたのには驚きました。
多くの方の協力で、家は完成することを実感しました。
水道工事はなし
水道工事は行われませんでした。
水道栓を移動しませんでしたので、工事が不要だったのです。
古い家なので水が出るか心配でしたが、問題なく使えるようになりました。
照明は、吊り戸棚に設置
手暗がりにならないよう、吊り戸棚にLED照明を設置しました。
こちらのLEDライトは選択肢がなく、1種類でした。
リモコンで点灯と消灯、明るさを調整することが出来ます。
築50年の家が変身!イケアのシステムキッチン完成
こちらが、工事が終わった日のキッチンです。
この日の感動は、忘れることはないでしょう。
築50年の家が変身!イケア(IKEA)システムキッチンで快適生活
イケアのキッチンは高い?安い?
イケアのシステムキッチンは、高いか安いかという議論があるようですが、「クノックスフルト(KNOXHULT)」と、メトード(METOD)の選択の段階で価格が大きく変動します。
私個人としましては一概に高い・安いと結論付けることは難しく、購入者それぞれの金銭感覚によるものだと考えます。
わが家の場合は、予算よりも2~30万円ほど安くなりましたが、これは当初希望していた壁に棚を取り付けられなくなったことなど、注文できない商品が多かった理由によるものです。
またイケアでは、キッチンに限らず全てのパーツを自分で選択しますので、「いろいろ購入しなければならないので高くつく」と考える方もおられるでしょう。
予算、キッチンの広さ、キャビネット、ガスコンロかIHか、食器洗浄機の取り付けなど、各家庭での条件が異なりますので、イケアのキッチンが安いか高いかという判断は、個々の状況によるものだと考えます。
イケアのキッチンの排水について
イケアのシステムキッチンを検討している際、私が最も心配していたことは、昭和時代の古い家に予算内で取り付けられるだろうかと、もう一つはシンクの排水に関することでした。
以前、私が住んでいた賃貸住宅の排水より、いささか悪いように思いますが、排水のコツなどを掴めてきました。
この件に関しては、別途記事にしようと思います。
木製のキッチンボードについて
使い始める前に、専用のワックスでコーディングすることをおすすめしたいです。
記憶が曖昧なのですが、わが家は使い始めてから程なくして蜜ろうワックスを塗りました。
しかしある日、水が頻繁に滴る蛇口の下に黒カビが発生していることに気が付きました。
これはキッチンボードに水が付くのを避けるために、布巾をずっと置いておいたのが原因だと考えられます。
布巾は湿ったら一日の中で何回も交換をしておりましたが、わずかな湿り気がキッチンボードには良くなかったのでしょう。
イケアのカスタマーセンターに対処法を問い合わせたところ、残念ながら良きアドバイスは得られませんでした。
わが家のような事態にならないよう、キッチンボードに湿ったものを置いたままにしないこと、水で濡れたら必ず拭き取ることをおすすめいたします。
まとめ:築50年の家が大変身!イケア(IKEA)システムキッチンで快適生活
築50年になる中古物件でも、イケアのキッチンを導入することができました。
キッチンボードに黒カビを発生させてしまった失敗はありますが、今はそれも私たちの歴史(味)として受け入れ、快適に生活しております。
※ 本記事の内容は、個人の主観に基づき記しておりますことを、ご承知おきくださいますようお願い申し上げます。