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野菜の栽培|木嶋先生に学ぶ、病害虫が発生する原因(理由)と対策

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農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、野菜の栽培で 病害虫が発生する理由(原因)と対策について、ご案内いたします。

家庭菜園では、出来るだけ農薬などに頼らずに野菜を栽培してゆきたいですね。

木嶋先生によりますと、野菜の病害虫は 病原菌や害虫だけが原因でないのだそうです。

今回は、その原因と対策について、お伝えいたします。

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野菜の栽培|病害虫が発生する原因(理由)

農学博士の木嶋先生は、野菜に病害虫が発生する原因(理由)として、次の3つを挙げられています。

原因1「病原菌と害虫によるもの」

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※ キュウリのベト病

病原菌、ウイルス、害虫によって、野菜が病気にかかります。

原因2「野菜の体質によるもの」

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※ トマトの尻腐れ病。病気ではなく生理障害によるもののようです。

野菜がもっている病害虫の被害に対する抵抗性などの体質が弱い場合も、病気にかかりやすく害虫の被害に遭いやすくなります。

原因3「野菜の生育環境によるもの」

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※ 梅雨の時期に種まきした枝豆。日照不足で徒長してしまいました。

野菜を栽培する際、管理が適切でないと、株が弱り病原菌に感染しやすく、害虫につけこまれやすくなります。

野菜の栽培|病害虫を発生させない対策

野菜が枯れたり弱る原因となるものは、病原菌や害虫が大きく関わっているのは事実ですが、それだけが病気を発生させているわけではないようです。

木嶋先生は、先の3つの原因をうまくコントロールして、病害虫の被害を減らしてゆきましょうと、述べられています。

野菜の病害虫対策1「よい土で育てます」

よい土で育てる

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野菜を病害虫から守るためには、栽培の環境を整えることがポイントです。

とくに、野菜の生育に影響を及ぼすものは「土」です。

野菜が育つ際、大切なのは根っこです。

根は、水分や養分を吸い上げて、茎や葉っぱに供給します。

そのためには、根が土をしっかりとつかんで茎を支えなければなりません。

理想的な土は、水分や養分が含まれているだけでなく、酸素も十分に含んでいるものです。

例えば、雨が降った後や、野菜に水やりをした後に、余分な水分が土に残らず排水されて、水に替わって新しい酸素が土の中に入るような状態の土が理想です。

つまり、排水性の高い土は、通気性が良いと考えることができます。

なお、一般的に、土の排水性を高めますと、保水性が低くなると言われていますが、土に腐葉土や有機物を鋤き込むことで、排水性と保水性のどちらも高めることが可能になります。

木嶋先生は、野菜は根が活発に伸びるような土で育てることで丈夫になりますので、結果的に病害虫に強くなりますと述べられています。

よい土のイメージ

排水性、保水性、通気性のよい土のイメージは、次のような状態です。

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参考文献 木嶋利男著「畑にやさしい自然の農薬と肥料」発行:万来舎

雨や水やりで、土の中に水分が入り、余分な水が排出されます。



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参考文献 木嶋利男著「畑にやさしい自然の農薬と肥料」発行:万来舎

野菜の根は、土の中で呼吸をしていますので、ぎっしりと詰まった水がたくさん含まれている土では根が窒息してしまいます。

そのため、水やりや雨が降ったあとに余分な水分に替わって、新しい酸素(空気)が土の中に入るような土が理想的です。

野菜の病害虫対策2「丈夫な株に育てること」

野菜が、病気や害虫の被害を少なくするためには、強く丈夫な株に育てることも、対策の1つです。

野菜を育てるには、「種をまいて育苗する場合」と、「苗を入手して育てる場合」とがあります。

いずれのケースでも、健康な株に育ちませんと、病気になりやすく害虫に狙われてしまいます。

適期と適所で種をまく

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※ 日当たりが悪いところで発芽したため徒長した小松菜

種をまいて野菜を育てる場合、発芽した苗がすくすくと育つ環境づくりが大切です。

発芽したものの、陽の光が足りない苗は たちまち徒長してしまいます。

梅雨の時期など、天候不順の時の種まきは、発芽後の生育に配慮が必要ですね。

よい苗と悪い苗の区別と選び方

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※ 節間が長いトマトの苗

ホームセンターなどで苗を購入する場合、よい苗と悪い苗とを区別する方法を、ご紹介いたします。

よい苗は、茎が太くしっかりして、節間が程よく詰まっており、葉の色が濃く厚みがあるものです。

一方で悪い苗は、節間が長く、葉の色が薄く弱々しいものです。

野菜づくりをはじめた当初、私は苗を選ぶ際、草丈の高いものを選びがちでしたが(上のトマトの画像)、最近は、節間が狭い苗を選択するようになりました。

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※ よい苗は、茎が太く節間が程よく詰まっています。

病害虫に強い苗を選ぶのも選択肢の一つ

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昨今、病気に強い性質をもった品種がつくられているものがありますので、それらを選んで栽培するのも一つの方法です。

トマト、ナス、ピーマンなどのナス科の野菜、キュウリ、メロン、スイカなどのウリ科の野菜は、土壌病害などに強い「接ぎ木苗」も、販売されています。

適切なお世話で丈夫に育てる

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木嶋先生は、健康に育っている植物は、病害虫の被害を受けにくいものですと、述べられています。

野菜を丈夫に育てるには、施す肥料や、水やりなどのお世話が大切になります。

💡 肥料が不足すると生育が悪くなります。
💡 肥料が多すぎるとメタボになり病気や害虫の被害を受けやすくなります。
💡 野菜の性質を知り、土の状態をみて、適切に水やりをします。
💡 病原菌が侵入しやすい茎や葉を傷つけないように気を付けます。

野菜の病害虫対策3「被害にあう前に防いで対処する」

野菜の病害虫による被害は、発生してから対処をするのではなく、予防することが大切です。

野菜を観察します

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木嶋先生は、予防となる一番の対策は「観察」ですと、述べられています。

日々育てている野菜をよく観察して、変化に気付くことが早めの対策に繋がり、被害を少なく抑えることが可能となります。

栽培環境のチェック

土づくりを適切に行うこととともに、野菜の日当たり、風通しなどの栽培環境をチェックして、整えることも大切な対策となります。

代替農薬を使用する

※ アブラムシを死滅させる牛乳スプレー

化学合成されたものを用いずに野菜を栽培する場合、病気や害虫の予防に、「代替農薬」というものを用いるのも対策の一つです。

例えば、牛乳やお酢、焼酎などの食品、また、唐辛子やニンニクなどの植物本来がもっている機能や性質を利用して、病害虫を忌避したり、防除したりします。

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※ ニンジンの葉と水で害虫を忌避する対策

益虫(害虫の天敵)を利用する

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害虫の天敵を利用する方法もあります。

カマキリは、畑のアブラナ科野菜に卵を産みにくるモンシロチョウなどを捕食し、テントウムシは幼虫も成虫もアブラムシを捕食します。

ドイツのある地域では、農薬を使用しないでテントウムシを畑に放って野菜を栽培している方々がいらっしゃり、テントウムシが益虫として売買されているという記事を読んだことがあります。

自然界は、多種多様な生物がいます。

それらは、食物連鎖による生態系をつくり上げていることは、私たちも理科の授業で習いましたね。

その中で、ある生物に寄生、もしくは、その生物を捕食する生き物を、その生物の「天敵」といい、それを利用することで、野菜の病害虫を減らすことが可能になります。

コンパニオンプランツ栽培

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※ トウモロコシと枝豆のコンパニオンプランツ栽培は、わが家の定番です。

異なる野菜(もしくは花など)を一緒に植えることで、互いによい影響をあたえ合うような植物同士を、「コンパニオンプランツ」と呼んでいます。

弊サイトでは、木嶋先生のコンパニオンプランツ栽培をご紹介しておりますが、植物を利用して病害虫を忌避したり、天敵を温存させたり、また生育を促進させたりする方法です。

コンパニオンプランツ栽培は、科が異なる作物を植えますので 当然ながら育ち方も違います。

草丈が高くなるものや、地面を匍匐ほふくするもの、また、葉が横に広がったりするものなど、生育は作物によって様々ですので、作物それぞれの生育の仕方を知ったうえで栽培してゆくと、より効果を得られると思います。

まとめ

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農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、野菜の栽培で 病害虫が発生する理由(原因)と対策について、ご案内いたしました。

木嶋先生が紹介されている対策は、一見 簡単そうですが、実際は 時間を要し、容易ではないかもしれません。

ですが、美味しく健康な野菜をつくってゆく近道は、木嶋先生の方法を地道に行ってゆくことではないかと、私は考えております。

わが家の庭で、食物連鎖を観ることができます。

虫に野菜を食害されることもありますが、その一方で、虫を捕食してくれる生物がいることも確かです。

庭には虫、爬虫類、鳥などがいて、小さい庭ながらも循環していることを実感しております。

[参考文献]木嶋利男著「畑にやさしい自然の農薬と肥料」発行:万来舎

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キッチンガーデンのこと野菜づくり
この記事を書いた人
カジトラ

関東在住の専業主婦です。
夫と二人暮らし。
2023年の春、海に近い地域に移住しました。

家族の介護、某シンクタンクで馬車馬のように働き詰めだった日々に区切りをつけ、現在は農学博士 木嶋利男氏が提案するコンパニオンプランツ栽培で野菜を育てています。

文明の利器を取り入れつつも、古き良きモノ・慣習を大事にしながら暮らしてゆくことを目指しています。

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