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トラッドの基本「ボタンダウンシャツ」の歴史と着こなしについて

buttondown トラッドファッションの基本、「ボタン・ダウンシャツ」の歴史、生地について、着こなし方をお話しよう。

ボタン・ダウンシャツは、ブルックス・ブラザーズの創業者である、ジョン・ブルックスが考案したと言われている。

ボタン・ダウンシャツは、襟の先端を、「前みごろ」にボタンで留めるものだ。

現代ファッションで、いまだ不動の人気を誇るボタン・ダウンシャツ。それを上手に着こなしていない人物をよく見かける。

それは、ボタン・ダウンシャツの本質を識らないからではなかろうか。

ネットの画像を見たから、店員に勧められたからなどという理由で着用している若者が多いからではなかろうかと、私は考える。

40年以上、私はアイビーファッションでいるが、一貫したポリシーで、ボタン・ダウンシャツを着ているという自負がある。

君がトラッドファッションに興味があり、極めたいと思っているのであれば、今回ご紹介する記事を参考にしていただきたいと思う。

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ボタン・ダウンシャツの歴史

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ボタン・ダウンシャツは、「襟をボタンで留めるシャツ」のことを言う。

イギリスで、ポロの競技中に、選手が襟がパタパタとたなびかないようにボタンを留めていたのを見た、ジョン・ブルックスが考案したと言われている。

当時のポロ競技のユニフォームは、襟がたなびいて、顔に当たらないようにボタンを留めている作りだったのだ。

考案者のジョン・ブルックスは、アメリカンカジュアル(通称アメカジ)の王道、ブルックス・ブラザーズの創業者で、トラッドファッションを世界にけん引した人物である。

私のファッションの師である、くろすとしゆき氏は、こう語っている。

赤ちゃんにミルクがなくてはならないように、アイビーにボタン・ダウンシャツはなくてはならいシャツなのです。

襟をボタンで留めるという「実用的な」ボタン・ダウンシャツは、アイビーファッションにとって、必須アイテムなのである。

ボタン・ダウンシャツの生地について

トラッドファッションにおける定番の生地について、お話しよう。

生地によって、ボタン・ダウンシャツの印象も大きく変わるので、シチュエーションに合わせて着こなしてほしい。

オックスフォード・クロス

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トラッドファッションの基本は、「オックスフォードクロス(オックスフォード織り)」の生地で作られたボタン・ダウンである。

オックスフォード・クロスとは、平織り(ひらおり)と言い、たて糸とよこ糸を交互に浮き沈みさせる編み方だ。

やわらかい織りであるため、「スポーティーな雰囲気」になるのが特徴だ。

薄地、厚地のオックスフォードがあるので、季節に合わせたボタン・ダウンシャツを着よう。

リソッド

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リソッドとは、ファッションにおいて「無地」の総称である。

柄が入っていない、単一色であることを指す。

トラッドファッションでは、白・ブルー・ライム・メイズ・薄いピンクをおすすめしたい。

ストライプ

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ストライプ柄は、トラッドファッションに欠かせない。

カジュアル、スポーティーな場に着たい場合は、ストライプ・オックスフォードをおすすめする。

ブロード・クロス

ブロードとは、羊毛でできた目の詰んだ布のことをいう。英名はポプリンと呼んでいる。

現在のブロードは、絹や綿、ポリエステル製も出回っているが、本来はウール100%のものをいう。

ち密に織られているので、強度が高く丈夫である。

先に述べたオックスフォードクロスと、まったく感じが違うものになり、ブロードはどちらかというと冷たい、シャープなイメージになる。

ギンガムチェック

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ギンガムチェックは、トラッドの必須アイテムといっても過言ではない。

リソッド(無地)だけに限らず、チェック柄もトラッドファッションの一員だ。

軽快な雰囲気が特徴だが、5ミリ~1センチほどの格子の大きさの柄が、便利だろう。

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色は、写真の紺と白に限らず、ブルーと白、赤と白、グリーンと白などいろいろあるので、好みの色を選んでほしい。

ストライプ

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写真のストライプ・ブロードをご覧いただくと、オックスフォードのボタン・ダウンシャツと、ずいぶん印象が異なることが、お分かりいただけるだろう。

生地で雰囲気が変わるので、シーンごとに着こなすと良いだろう。

ツイル

トラッドファッションは、ツイルと呼ばれる綾織りの生地も着る。フランネルと同じような組織の生地である。

タッターソール

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タッターソールは、トラッドファッションになくてはならないパターンである。

名前の由来は、英国の馬市場のたつ場所からきていて、日本名で「馬丁格子」という。

私は、会社と私用の両方に着ている。

ボタン・ダウンシャツの着こなし方

この章では、ボタン・ダウンシャツの着こなし方について、お話したい。

私の見解(ウンチク)であるので、あくまで参考として読んでいただきたいと思う。

ビジネスシーンでボタン・ダウンシャツを着ることについて

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私個人の意見であるが、ビジネスでボタン・ダウンシャツを着ることは、問題ないと考える。

グレーのブレザーや、紺のブレザー、コットンのジャケットにボタン・ダウンシャツは大変よく似合う。

またクールビズで、ノーネクタイにボタン・ダウンシャツだけの着こなしも、意外に許せると思っている。

半袖のボタン・ダウンシャツについて

半袖のボタン・ダウンシャツは、プライベートでジーンズやコットンパンツと良く似合う。

しかしながら、ビジネスでは全く向かないと思う。なぜなら、肌の露出が多い服は「アン・フォーマル」であるからだ。

半袖のボタン・ダウンシャツの上に、ジャケットを着るのもナンセンスだ。

理由は、ジャケットの袖からシャツが出ていないことが異様であるからだ。

暑いから半袖を着ているのだろう?そうであれば、ジャケットなど着るなよと言いたい。

要するにビジネスの場で、身だしなみを整えていれば、ボタン・ダウンシャツであろうと、スタンダードカラーシャツでも良いと、私は考える。

正装とは何かを考える

テニスやゴルフの試合会場で、選手がポロシャツの上にジャケットを着るのは問題ないと思う。

また、例えばの話だが、バミューダ諸島の国民が履くバミューダパンツや、スコットランド人がチェックのスカートで、皇居にいても許されるだろう。

なぜなら、それは彼らの正装であるからだ。

冠婚葬祭でのボタン・ダウンシャツについて

まず、覚えておいてほしいことは、ボタン・ダウンシャツは、アメリカンカジュアル(アメカジ)のスポーティーなシャツであるということだ。

どのシチュエーションに、合うか合わないかということよりも、上に着るジャケットに合うか・合わないかで決まるのだ。

お通夜、お葬式は「礼服」を着る。礼服にはスタンダードカラーシャツと決まっている。

したがって、ボタン・ダウンシャツは、礼服に着るものではないことが分かるだろう。

また、燕尾服やタキシードにもボタン・ダウンシャツは着ない。それ専用のシャツがあるからだ。

そういう感覚を識っていれば、おのずとボタン・ダウンシャツを着る場面が分かっていく思う。

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一方で、結婚式などのお祝いの席やパーティーシーンで、「ブレザー」を着ようと考えている君は、ボタン・ダウンシャツがよく似合うので、おすすめしたい。

ストライプのネクタイは、スポーティーな印象になるので、ボウタイ(蝶ネクタイ)をして、恰好よくきめてほしい。

良いボタン・ダウンシャツの見分け方

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普通のワイシャツのカラーは、ピッチリとしたストレートであることはお分かりだろう。

良いボタン・ダウンシャツは、カラーに微妙なロール感をもっている。

ブルックス・ブラザーズや、ラルフローレンなどは、良いロール感があるボタン・ダウンシャツが多い。質も良く、品もあるのでおすすめしたい。

まとめ

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ボタン・ダウンシャツの歴史、生地と柄、そしてボタン・ダウンシャツの着こなしについてお話させていただいた。

私個人の意見が多く含まれる内容ではあるが、

・ボタン・ダウンシャツの歴史は、スポーティーなシャツであったこと

・生地によって印象が大きく変わること

・トラッドの基本の柄について

識ってほしかったのだ。

スポーティーなシャツが、現在ではビジネスファッションに浸透し、どのシーンに着てよいか悩んでいる人も多いだろう。

私の見解は、上に着るジャケットで判断すればよいと考える。

男性ファッションの着こなし方は、洋服それぞれの組み合わせが もともと決まっていると識りさえすれば、特別難しいことはない。