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「ダッフルコートとは伝統的ヘビーデューティ」その歴史、選び方のポイント

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ダッフルコートは、伝統的なヘビーデューティーである。

わたしは人生の半分以上アイビースタイルでいるが、街でダッフルコートを着ている人を見かけると、不動の人気であることを実感する。

そしてメンズファッションは、流行の先端をゆくことだけが決してオシャレではないということを、改めて思うのだ。

きょうは、トラッドアイテムの定番、「ダッフルコート」の歴史、選び方、コーディネートについてのウンチクをお話しよう。

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ダッフルコートとは

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ノルウェーの漁夫の仕事着が発祥

ダッフルコートは、ノルウェーの漁夫が船上での仕事着に着ていたコートだったとされている。

北欧の、厳寒の海を想像してほしい。

オーロラが見える氷点下の海で着る仕事着は、それこそ防風、防寒の配慮がいたるところになされていた「機能本位のデザイン」でなければ、生きてゆくことが出来ないものだったのだ。

ダッフルコートの「ダッフル」の意味

ダッフルコートの「ダッフル」は、「Duffle」または「Duffel」と書き、「デュフェル」というベルギーの地名からきている。

デュフェルで製作された布は、起毛した厚地で粗いウール素材であり、15世紀になるとヨーロッパ全土に輸出された。

この布で作られたコートを、生産地のデュフェルにちなんで「ダッフル・コート」をいう名前が付いたという説が有力である。

(ちなみにデュフェルでは、ダッフルコート自体は生産されなかったようだ。)

ダッフルコートとして使われた生地は、まさに毛布のように厚地でかたいものであったのだろうと想像する。

イギリス軍が採用

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ダッフルコートを「軍服」として初めて採用したのが、イギリス軍だった。

第二次世界大戦中、イギリス軍のバーナード・モンティ・モンゴメリーと、デビッドスターリングの指導のもと、ダッフルコートの製造販売を開始した。

当時のデザインは、今日のダッフルコートと異なるものであったが、この時からすでに特徴的な木製のトグルを付けていた。

フロックコートから多大なる影響を受ける

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イギリス軍が採用したコートをデザインしたのは、ジョン・パートリッジである。

彼は、ポーランドの「フロックコート」に触発されて、ダッフルコートを製作したと言われている。

フロックコートとは、19世紀中ごろから20世紀頭にかけて着用された、男性用の日中の礼装である。

ダッフルコートの選び方

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ポイントは歴史が継承されたもの

君がダッフルコートを手に入れたいと考えているならば、ぜひとも歴史を継承したデザインを選んでほしい。

この章では、ダッフルコートの特徴を紹介しよう。

生地

生地は、風を通さない厚手のウールのものを選んでほしい。

毛布のような厚い生地こそ、ダッフルコートの歴史の象徴である。

ノルウェーの漁夫、そして戦地で戦った兵士たちが、寒さから生き延びた生地なのだ。

裏地

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もともとダッフルコートは、裏地が付いていない「一枚仕立て」であったが、イギリスのグローバーオール社がつけ始めたのを皮切りに、裏地のあるものが出回るようになった。

写真は、わたしのダッフルコートの裏側であるが、一枚仕立てである。

フード付き

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フードは大きいボックスカットのものが良い。

四角いショルダーヨーク

肩の部分に入れられるヨーク(あて布)のことを、ショルダーヨークという。

麻のロープと木製トグル

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麻のロープと木製のトグルが付いてこそ、ダッフルコートであることを知ってほしい。

イギリス海軍は、3つのトグルを採用していたが、のちに4つ目が追加されたという。

トグルは、手袋をしたまま外したりかけたりできる実用的な切り替えである。

しかし実際は、手袋をはめた状態でトグルを外したり、かけたりするのはそれほど容易ではない。

私の見解であるが、海水で濡れた布にボタンが付いている仕様では、かじかんだ手で開け閉めなど とてもできないだろう。

先のとがったトグルの場合、ボタンより比較的 開け閉めしやすいという観点から作られたのではなかろうか。

また、船の上は風が強い。漁師は風の向きによってトグルを右前、左前と切り替えて、寒風から身を守っていたのだろうと想像する。

大きなパッチポケット

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実用的な大きなパッチポケットも必須である。

オリジナルの海軍のダッフルコートは、フラップが付いていなかったようだが、現代は付いているものが多い。

※フラップとは、ポケットの上に付けるフタのこと。

カラーバー

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ダッフルコートの襟の下には「バー」があり、2つのボタンで閉じる。これは、首から風雨を守るために付いているものだ。

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ミリタリーダッフルコートの色は、1900年当初はキャメルベージュだったが、のちに、カーキやブラウンも使用されるようになった。

そして1950年代になって、ようやくネイビーブルーなどが一般に普及されはじめたのだ。

ちなみに私たちアイビー世代は、VANのネイビーブルーのダッフルコートを愛用していた。

今日では色のバリエーションが豊富になったので、君の好みの色を選んでほしいが、ネイビーブルー、ベージュ、オリーブ、ブラウンのような色が、「ダッフルコートらしい」だろう。

ダッフルコートとのコーディネート

ダッフルコートのコーディネートは、カントリータッチのスタイルと組み合わせると良いだろう。

なぜなら、ダウンコートはいわば民芸品的なものであるからだ。

ニット

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テニスセーター(チルデンセーター)や、ハイネックのセーター、アランセーター等が良く似合う。

ズボン

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「コーデュロイ生地」のズボンは、カントリーな雰囲気が出るのでおすすめだ。

そのほかにもジーンズ、チノパンでも良いだろう。

スニーカーと合わせている人が多いようだが、もちろん良い。私がおすすめする靴は、「デザートブーツ」である。

まとめ:カジトラのうんちく

 Gregory Peck

男のファッションは、ほとんどにおいて軍服が起源である。

グレゴリー・ペック主演の映画「ナバロンの要塞」を観ると、ダッフルコートの仕様についてよく分かるだろう。

映画に出てくるキャメルのダッフルコートは、まるで毛布のようである。

このコートこそ、当時の兵士たちの命をつなぐ唯一の布であったのだ。

極寒の海で、氷のように冷たい海水を浴びながら漁をしたノルウェー人。

艦上で着用したイギリス海軍兵。

すでにダッフルコートを持っている君も、これから手に入れようとしてる君も、単なる街着ファッションだけで終わらせてしまうのは、もったいない。

ダッフルコートこそ歴史あるヘビーデューティーであり、男の生きざまであることを、知ってほしいと思う。

歴史を継承しているアイテムは、これからも不滅であろうと、私は考える。

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[参考商品]

GLOVERALL ダッフルコート

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