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8月|昔農家さんから学ぶ農作業と農事歴

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夏野菜の収穫と草刈り作業で、畑通いが日課となる8月は、一年で最も気温が高い時期ですが、暦の上では「秋」が始まります。

今回は、昔農家さんから学ぶ、8月の農作業について ご案内いたします。

昔の農家さんは、私たちよりも 季節の移り変わりに敏感で、植物や動物の動向などを観察しながら、農作業を行っていました。

先人の知恵は、現代を生きる私たちの野菜づくりのヒントになるものが数多くありますので、参考になさってください。

※ 掲載の画像はすべてイメージです

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昔農家さんから学ぶ8月の農作業について

朝顔が咲く時間に農作業

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8月は、トマト、ナス、ピーマン、キュウリ、オクラなどの夏野菜の収穫に忙しくなります。

また、草の生長も著しく、除草したばかりのはずが、数日後には草だらけになってしまうのもこの頃ですね。

今の8月は、旧暦の7月。

昔農家さんは 夏の暑さを避けるために、朝顔が咲く涼しい時間帯に農作業を行っていました。

朝顔が咲く時間は、品種や咲かせ方によって異なりますが、8月は日の出(4時半以降)より前になります。

現代のように正確な時刻を把握せずとも、昔農家さんは朝顔の開花に合わせて畑に足を運んでいたことを考えますと、農作業と自然は切り離すことが出来ないことがわかりますね。

ヤマハギが咲いたら白菜の種まき

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8月は、秋野菜の準備を始める時期でもあります。

昔の農家さんは、ヤマハギの花が咲いたら、白菜の種をまいていたと言われています。

白菜やブロッコリー、カリフラワーなど、秋の野菜を種からまいて育てる場合は、そろそろ準備を始めましょう。

秋野菜の育苗

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秋野菜は、早く準備をすると病害虫の被害を受けやすくなり、遅すぎますと 葉がよく育たなくなってしまいます。

秋冬野菜は、夏の野菜よりさらに 育成期(適期)を守りましょう。

秋冬野菜の種まき(目安)

地域によって前後しますので、「一般地」にて、ご案内いたします。

また、育苗期間は 品種により異なります。

作物 種まきの時期 育苗期間
キャベツ 7月中旬~8月上旬 約30日
ブロッコリー 7月中旬~8月上旬 約30日
カリフラワー 7月中旬~8月上旬 約30日
ハクサイ 8月下旬~9月下旬 約20日

夏野菜の片付け

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秋冬野菜の苗を育てている間に、夏野菜のウネを片付け、土づくりを行います。

8月の農事歴

私たちは現在 新暦(太陽暦)にて暮らしておりますが、江戸時代以前の農家さんたちは、旧暦にて農作業を行っていました。

旧暦の農事は、現代においても参考になり、野菜づくりの良き指標となるかと思いますので、ご案内いたします。

8月の農事歴[旧暦7月(文月)]

1日
2日
3日
4日
5日
6日
7日 ◎立秋旧暦7月1日)_二十四節気
8日  
9日  
10日 ◇涼風至る_七十二候 第三十七候
11日  
12日  
13日 ◇寒蝉鳴く_七十二候 第三十八候
14日  
15日  
16日  
17日
18日 ◇蒙霧升降_七十二候 第三十九候 
19日  
20日  
21日  
22日  
23日 ◎処暑_二十四節気
24日  
25日 ◇綿柎開く_七十二候 第四十候
26日  
27日  
28日 ◇天地始めて粛す_七十二候 第四十一候
29日  
30日  
31日  
9/1
9/2 ◇禾乃登_七十二候 第四十二候

◎ 二十四節気 ◇ 七十二候

参考文献 久保田豊和著「新版 暦に学ぶ野菜づくりの知恵 畑仕事の十二ヵ月

二十四節気「立秋」(りっしゅう―新暦 8月7日~8日頃)涼風至る

立秋は、二十四節気(にじゅうしせっき=1年を24の季節に等分した中国 戦国時代の頃から伝わる暦)で、秋が始まる日のことです。

立秋から立冬の前日までの期間は、「秋」になります。

この時期は一年の中でもっとも暑くなりますが、先人たちは、暑さの盛りが終わりの気配を探していたのかもしれません。

七十二候(第三十七候)「涼風至る」(すずかぜいたる―新暦 8月8日~12日頃)

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どことなく秋の気配が感じられ、涼風が吹き始める時期です。

暑中見舞いは立秋の前日まで。

これからは残暑見舞いになり、立秋を過ぎますと、いかに暑くとも「残暑」といいます。

七十二候(第三十八候)「寒蝉鳴く」(かんせんなく―新暦 8月13日~17日頃)

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朝晩に寒蝉(ツクツクボウシ)が聞こえる時期です。

「寒蝉」は、ヒグラシと読ませることもあり、「寒蝉鳴く=ひぐらしなく」と言うこともあります。

七十二候(第三十九候)「蒙霧升降」(ふかきりまとう―新暦 8月18日~22日頃)

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この時期から、濃い霧が立ち込めるようになります。

「蒙霧(もうむ)」には、心が晴れないという意味もあり、秋が深まるにつれて感傷的になるのは、心の中にも霧が立ちやすくなるかもしれません。

二十四節気「処暑」(しょしょ―新暦 8月23日頃)

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暑さの終わり「処暑」。

「処」は 落ち着くという意味をもつ漢字です。

この時期は、稲の花が咲き始めますので、昔農家さんは台風を警戒していました。

七十二候(第四十候)「綿柎開く」(わたはなしべひらく―新暦 8月23日~27日頃)

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ワタの花が開き、実を結ぶ時期です。

七十二候(第四十一候)「天地始めて粛す」(てんちはじめてしゅくす―新暦 8月28か~9月1日頃)

暑さもおさまり、すべての実が新たな実を結ぶ時期で、「粛」には、静まる・ひきしまるという意味があります。

先人たちは、秋の気配の中 聞こえてくる物音を「音」ではなく、「秋の声」と言っていたそうです。

虫の声、鳥の声、風雨などに耳を澄ましながら、先人たちは自然と向き合っていたのでしょう。

まとめ

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8月の農作業と農事歴について、ご案内いたしました。

夏真っ盛りの8月は、旧暦では秋が始まります。

収穫した夏野菜をいただき、農作業で疲れたからだをゆっくり休めて厳しい残暑を乗り切り、秋野菜の準備をゆっくりと始めてまいりましょう。

[参考文献]

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キッチンガーデンのこと野菜づくり
この記事を書いた人
カジトラ

関東在住の専業主婦です。
夫と二人暮らし。
2023年の春、海に近い地域に移住しました。

家族の介護、某シンクタンクで馬車馬のように働き詰めだった日々に区切りをつけ、現在は農学博士 木嶋利男氏が提案するコンパニオンプランツ栽培で野菜を育てています。

文明の利器を取り入れつつも、古き良きモノ・慣習を大事にしながら暮らしてゆくことを目指しています。

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