農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、「トマトの丸ごと植え」について、ご案内いたします。
畑で収穫したトマトや、購入したものを丸のまま畑に植えておきますと、翌年の春先にたくさんの芽が出てきますので、それを育ててゆく方法です。
丸ごと植えたトマトから芽が出た子トマトは、いろいろな形の株に育ちますので、オリジナルのトマトを育成することが出来ます。
種をまいて育苗するよりお手軽に行えるかと思いますので、参考になさってください。
トマトの丸ごと植えについて
オリジナルトマトが採れる楽しい栽培法
農学博士の木嶋利男先生によりますと、大玉トマトの多くは、異なる性質の親同士を交配させた、いわゆるF1品種(一代交雑)です。
F1品種は、すべて同じ性質に育ちますが、その次の代は さまざまな性質の株が育ちます。
そこで、F1品種を丸ごと畑に植えますと、多様な性質の芽が出てきますので、自分好みの、かつ畑に適したものを育てることが出来ます。
F1品種の親と子の関係
F1品種のトマトは、異なる性質の株の交配によって作られ、すべて同じ性質になります。
F1品種のトマトの子どもは、性質がばらばらになりますので、自家採取を繰り返してゆきますと、形質が固定されて、オリジナルのトマトを育てることが出来るようになります。
オリジナルトマトを楽しく育成
木嶋先生によりますと、植物は、土壌や気候など周囲の環境に適応しながら育ってゆきますので、自家採取を2~3年繰り返しますと、あなたの菜園だけのオリジナルトマトを育成することが出来るようになります。
自家採取で気を付けたい点
トマトの種を自家採取して分譲するさいは、種苗法に従いましょう。
品種登録されているトマトから増やした苗を許可なく他人に譲渡したり転売しますと、種苗法に反しますので注意しましょう。
トマトの丸ごと植えの方法
用意するもの
・完熟したトマト
トマトの丸ごと植えに適した時期
トマトを丸ごと植える場合、温度が高いうちに土に埋めますと、秋のうちに発芽して、冬に枯れてしまいます。
そこで、気温が12℃以下になる晩秋が適期です。
丸ごと植えの方法
あなたの畑で収穫した完熟したトマトや、購入したトマトを 深さ5~10cmに丸ごと埋めます。
発芽は翌年の春
丸ごと植えたトマトは土の中で越冬し、春先になりますと、たくさんの芽が出ます。
育て方のポイント
🍅 芽を間引かずに育てる場合
芽を間引かず、そのまま育てますと、畑の環境に合う強い株のみが残ります。
🍅 1株ごとに移植した場合
発芽したトマトを1株ごとに移植しますと、いろいろな形質の株を育てることが出来ます。
大玉系統のF1品種から 育った苗 |
ミニトマト系統 |
発芽が早いものは小玉系、発芽が遅いものは大玉系の傾向にあります | ミニトマト系統は固定種が多く、すべてが同じような形質になります |
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、「トマトの丸ごと植え」についてご案内をいたしました。
晩秋に完熟トマトを丸ごと埋めておきますと、翌年の春に異なる性質のトマトが発芽します。
あなたの菜園に合ったオリジナルのトマトを育成することが出来るかもしれませんので、参考になさってください。
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