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エンドウとオオムギの「巣まき」で冬越し対策|寒風・霜・病害虫対策になります

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エンドウは、寒風や霜の被害に遭うと たちまち枯れてしまいますので、冬越し対策が必要です。

エンドウの冬越しは、苗の周囲に笹を立てたり、ネットを張ったりする方法が一般的ですが、今回はオオムギと一緒に「巣まき」する方法をご紹介いたします。

この栽培は、長野県在住の自然菜園コンサルタント 竹内孝功(たけうちあつのり)さんが紹介されている方法で、エンドウとオオムギを一緒に育てることにより、防寒が要らなくなり、春先に増えるアブラムシなどの病害虫対策になりますので、参考になさってください。

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エンドウとオオムギの「巣まき」

冬越しに適したエンドウの株の大きさは?

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エンドウは、最低気温が5℃以下になるまでに、本葉が3~4枚・草丈が10cm程度に育ってる姿が最も冬越しに強い状態です。

このような株に育てるのにオススメの方法が、同じ穴にエンドウとオオムギを5粒ずつまく「巣まき」です。

適した大きさにならないエンドウの株はどうなるの?

エンドウは本葉3~4枚、草丈10cm程度のものが最も冬越ししやすいと述べましたが、これより小さい株は養分を蓄えることができず、糖度も上がらないため凍りやすくなります。

反対に、株がこれよりも大きく育ちますと、寒風にさらされやすく、株全体の糖度が上がらないまま徒長し、軟弱に育ったところから枯れやすくなります。

エンドウを1穴に5粒まく理由

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エンドウは、発芽が揃いにくい性質があるため、一般的な数より多めの5粒をまきますと、発芽が少しずつずれます。

すると、寒さにさらされるタイミングが少しずつずれますので、株が数本 傷んだ場合でも、他の株が適切な大きさに育ちますので失敗が少なくなります。

農学博士の木嶋利男先生は、豆類は、サヤに入っている数を1穴にまくと 発芽しやすくなる性質があります。と、述べられています。

エンドウとオオムギの「巣まき」の効果

効果1「霜の対策」

エンドウとオオムギの巣まきは、先にオオムギの根が伸び始めます。

オオムギの根は伸びる力が強く、エンドウはその根を追うように地中深くまで根を張りますので、冬の霜による根の浮き上がりを防ぐことができます。

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写真のポットは、オオムギではなくエンバクですが、実際、エンドウより先に発芽しはじめました。

効果2「寒風の対策」

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地上部に伸びたオオムギの葉に エンドウがまきひげを絡ませながら伸びて安定しますので、オオムギが風よけとなり寒風にあおられなくなります。

効果3「病害虫対策」

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オオムギは「バンカープランツ(おとり作物)」として栽培に使われます。

害虫の天敵であるテントウムシやクモなどは、オオムギやエンバクなどを「すみか」にしますので、春先に増えるアブラムシなどを捕食してくれます。

また、オオムギ自身がうどんこ病にかかり、病菌の寄生菌を増やしますので、エンドウのうどんこ病を守る働きもあります。

効果4「長い収穫期間に」

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肥沃な土は春先にアブラムシが発生しやすくなりますが、オオムギが余分な肥料分を吸ってくれます。

その結果、エンドウは健全に生長して 収穫期間が長くなります。

エンドウとオオムギの「巣まき」方法

今回ご紹介する栽培は 間引きを行いませんので、株間を50cmほどとり、1穴にエンドウの種を5粒、オオムギの種を5粒 まきます。

まき穴を掘ります

直径3cm、深さ3~4cm程度のまき穴を掘ります。

オオムギ➡エンドウの順に種をまきます

初めにオオムギ5粒、その上にエンドウ5粒を入れます。

オオムギが多いとエンドウが負けてしまいますので5粒ずつまきましょう。

覆土します

掘り上げた土と同じ量の「もみ殻燻炭」を混ぜて、覆土します。

焼畑に近い環境にします。

しっかり鎮圧します

覆土して、上の土がくぼむくらい鎮圧します。

鎮圧することによって土の粒子が密着し、毛細管現象で周囲の水分が集まって適度な湿り気が生じます。

水やりは行いません

水を与えますと、種が水におぼれた状態になって腐りやすくなり、立枯病などを発症しやすくなります。

オオムギの根は地下深くから水分を吸い上げますので、それをエンドウが利用します。

まとめ

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エンドウとオオムギの「巣まき」で冬越しする方法をご紹介いたしました。

オオムギが寒風・霜から守ってくれますので、エンドウが冬越しすることができます。

翌春に出てくるアブラムシや立枯病などの病害虫対策にも役立ちますので参考になさってください。

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キッチンガーデンのこと野菜づくり
この記事を書いた人
カジトラ

関東在住の専業主婦です。
夫と二人暮らし。
2023年の春、海に近い地域に移住しました。

家族の介護、某シンクタンクで馬車馬のように働き詰めだった日々に区切りをつけ、現在は農学博士 木嶋利男氏が提案するコンパニオンプランツ栽培で野菜を育てています。

文明の利器を取り入れつつも、古き良きモノ・慣習を大事にしながら暮らしてゆくことを目指しています。

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