キュウリは苗を植えて栽培するのが一般的ですが、農学博士の木嶋利男先生は、「キュウリは種を直播(じかまき)するほうが草勢が強くなり、生育が旺盛になります」と、紹介されています。
今回は、キュウリの種を畑に直播して栽培するポイントについてご紹介いたしますので、参考になさってください。
草勢が強く生育旺盛になるキュウリの直播(じかまき)
キュウリの直播で生育が旺盛になる理由
育苗店などで販売されている キュウリの苗は、温室などの 畑と異なる環境で育てられています。
一方で、直播をするキュウリは、畑に適応した株に生長してゆきます。
そのため、苗を植え付けた場合に比べ、草勢が強くなり生育が旺盛になります。
キュウリの直播のポイント
キュウリの種を畑に直播する際のポイントについてご紹介いたします。
1.土づくり
木嶋先生によりますと、キュウリの直播は、苗を植え付ける場合より土や気温の影響を受けやすいので、土づくりが重要になってきます。
種をまく4週間前に完熟たい肥と有機質肥料(ボカシ肥など)をほどこし、よくなじませておきます。
このとき、種をまく位置から直径20~30cmの範囲に施肥しないようにするのがポイントです。
なぜなら、肥料が含まれた土に種をまきますと、害虫を誘引する場合があるからです。
2.種まき
種まきは、普通栽培で苗を定植する時と同じ時期に行います。
180cm以上の支柱のすぐ横に、株間60cmで1穴に3粒ずつまきます。
発芽したときに子葉がぶつからないように 少し離してまくのがコツです。
本葉が子葉の間から出てきましたら、間引いて(残りの2本は根元から切り取り)丈夫そうな芽を1本残します。
3.お世話について
間引きをしましたら、早めに株元にワラを敷きます。この時、株のまわりの草を取り除きます。
ツルが伸び、巻きヒゲが自然にネットに絡むまで、必要であれば誘引して麻ひもで固定します。
キュウリの直播は、苗を植え付けるより草勢が強く、吸肥力も強くなりますので、よく発酵したボカシ肥を2~3週間隔で3回に分けて追肥をします。
・1回目 株元に施肥
・2回目 ウネの肩の部分に施肥
・3回目 通路部分に施肥
4.収穫
早採りを心がけて収穫します。
収穫が遅れますと、栄養分が果実の中の種に送られて、ほかの果実が大きくなりません。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されているキュウリの種の直播についてご案内いたしました。
苗を植え付けるより、草勢が強くなり 生育が旺盛になる栽培法ですので、参考になさってください。
[参考文献]木嶋利男著「伝承農法を活かす 野菜の植えつけと種まきの裏ワザ」