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農学博士の木嶋利男先生が紹介されている「トマトの寝かせ植え」の方法をご紹介いたします。
トマトの苗は通常 垂直に植えて育ててゆきますが、この方法は苗を寝かせて植え付けます。
トマトの寝かせ植えは、トマト本来の性質を活かした栽培で、苗が強く育ち、たくさん収穫することが出来ます。
今回は 寝かせ植えの方法、メリット・デメリットについてご紹介いたしますので 参考になさってください。
トマトの寝かせ植えの方法
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用意するもの
🍅 トマトの苗(接ぎ木苗でない自根苗(じこんなえ=種から育てた苗)を使います)
寝かせ植えの手順
1.畑のウネに沿って深さ5~10cm、底の幅20cmの植え溝を掘ります。
2.苗をポットから取り出し、根鉢を崩して広げ、第1葉が埋まるように寝かせて植えつけます。
3.植え付け後、水を十分に与えます。
出典 木嶋利男著「野菜の植えつけと種まきの裏わざ 18頁」
トマトの寝かせ植えのメリット・デメリット
苗を寝かせて植えるとどうなるの?
トマトの寝かせ植えは、「不定根」をたくさん発生させるために行います。
トマトは 土や水分があると、茎からも不定根という根を発生させます。
この不定根がたくさん生えますと、養分と水分の吸収が増えますので草勢が強くなり、実の付きが多く、収穫期間が長くなります。
トマトの寝かせ植えのメリット
🍅 果実が大きくなり、着果数も増えます。
🍅 収穫期間が長くなります。
🍅 病害虫への抵抗力が高まります。
トマトの寝かせ植えのデメリット
畑で寝かせ植えを行う場合、株間を90cm以上作って育てますので、限られたスペースで野菜を育てている場合は畑の広さと相談しなければならなくなるかもしれません。
また この栽培は、収量を増やすことが出来ますが、糖度が低くなりますので、甘さを重視せず、たくさん収穫したい時に行うと良いかもしれません。
🍅 株間が90cmほど必要になります。
🍅 糖度が低くなります。
寝かせ植えと同じ効果「トマトの深植え」
農学博士の木嶋利男先生は、畑のスペースがとれず 寝かせ植えが難しい場合は、根鉢を崩さずに第1葉が埋まるよう「深植え」をすれば、同じ効果を得ることが出来ますと述べられています。
この場合も、メリットとデメリットは寝かせ植えと同じになります。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている「トマトの寝かせ植え」の方法をご紹介いたしました。
この栽培は、トマトの性質を活かし 茎からも不定根を発生させて 養水分の吸収させ、たくさん実を付けさせる方法です。
普通の植付けより糖度は低くなるようですが、たくさん収穫したい場合におすすめの方法ですので、参考になさってください。
なお、トマトの糖度を上げる栽培は、[関連記事]を参考になさってくださいね。
[関連記事]
驚き!ポットのまま植えるトマト栽培|甘み旨味が増えて病害が減る方法です
[参考文献]
木嶋利男著「伝承農法を活かす 野菜の植えつけと種まきの裏ワザ」