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映画「北北西に進路を取れ」完璧なスーツがあの名作2作品の原点というファッションの話

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ヒッチコックの「北北西に進路を取れ」は大作である。

しかし、ストーリーだけでなくファッションも見逃さないでほしい。

君はこの作品でケーリー・グラントが着ていたスーツが、のちの名作映画で着られたという逸話をご存知だろうか。

ニューヨークの広告代理店の重役に扮するケーリー・グラントのスーツはこれ以上ない「完璧なスーツ」であることを、今日はお話したいと思う。

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光るヒッチ・コックのセンス

HITCHCOCK

ヒッチ・コックは、ケーリー・グラントの身体に合うスーツをグラント本人に選ばせたという。

ケーリー・グラントは、スーツはもとよりシャツ、ネクタイ、靴と全てを選び、そして完璧に着こなした。

彼は同じ型のスーツを5着仕立て、「北北西に進路を取れ」の撮影にのぞんだ。

ヒッチ・コックの映画に出演できる役者は、当時の俳優としてのステータスで、ヒッチコックの映画に出演した役者は「一流」と言われていた。

ヒッチ・コックに選ばれる役者は演技力だけでなく、「美しさ」も重きを置かれた。

ヒッチコックが長身の英国人、ケーリー・グラントを主人公に選定したのは、やはり「目がある」としか言いようがない。

あの名作にグラントのスーツが使われた

007

ケーリー・グラントが着用していたスーツが後の007のジェームスボンド扮するショーン・コネリーも衣装として着たことをご存知だろうか。

ケーリー・グラントが着用したスーツは、イギリスはロンドンのサヴィル・ロウのビスポークテーラー「スタンバレー」が仕立てたものである。

スタンバレーは現在は「キルガー」という店に変わったが、ここでグラントは、同じスーツを5着仕立てたのだ。

コラテラル

君は、映画「コラテラル」をご覧になったことがあるだろうか?

これを観たことがある君は、トム・クルーズが着用していたスーツを「格好いい」と思わなかっただろうか。

彼のスーツこそ、ケーリー・グラントと同じものなのだ。

「北北西に進路を取れ」で完璧なグレースーツを学ぶ

完璧なスーツの定義とは何か。

それは、

・色はミディアムグレー
・3つぼたん段返り
・ベントなし
・薄いウーステッドの生地
・フラップなし
・細いネクタイはスーツと同じ色で、プレーンノットにディンプル。
・シャツはレギュラーカラー

である。

この映画は、時代の変化を感じることができる。

というのは、この映画で「帽子」をかぶっている人物があまりいないところだ。

わたしが別の記事で紹介した映画「アンタッチャブル」は、帽子をかぶっているのが普通の時代であった。

わたしたちはスーツを着るとき帽子をかぶらない文化で生きているため気付きもしないかもしれないが、この時代考証はすばらしい。

スーツの基本。

それは、ダブルカフスのシャツはジャケットから1cm出ていることと、ジャケットの丈は決して「尻が丸出しでないこと」だ。

北北西に進路を取れのケーリーグラントが着ているスーツをご覧いただきたい。「条件に全て適っている(かなっている)」とわかるだろう。

そしてこの映画に出演しているスーツを着ている俳優が「全員ツーピース」であることにも注目してほしい。

本作品は1959年のものであるが、この映画を観た君は「古めかしさ」を感じないだろう。

なぜなら、アメリカンカジュアルは不変だからだ。

多少のかたちの変遷はあるにせよ「定番のスーツ」とはこういうものなのだ。

T字カミソリ

ケーリーグラント扮するニューヨークの広告代理店勤務の重役は、ヒッチコックが好む「巻き込まれ映画」である。

ストーリーについてはこのページでは言及はしないが(是非、君の目で鑑賞してくれ)、スーツだけではなく「小物使い」も非常に興味深いので注目してほしい。

この映画を評論している人は、いわゆる「例の名シーン」についての言及が多いが、私は「汽車の中のシーン」についてお話しようと思う。

この映画を観た以来、わたしは「電気カミソリ」という文明の利器を30年使っていない。

社会人になりたての頃、父が買ってくれた「ブラウン」は部品の調達が難しい理由もあり宝の持ち腐れになってしまっている。

私が現在使用しているカミソリは、北北西に進路を取れで使われていたメーカーとは異なるとは思うが「T字カミソリ」である。

映画のあるシーンで、寝台列車に「T字のカミソリ」が常備されていて、駅の洗面所で男性陣がこぞって髭剃りをしているシーンは大変面白い。

汽車にカミソリが置いてある時代を、君は「粋」だと思わないか?

後半シーンも見逃せない

レギュラーカラーからボタンダウンへ

後半のシーンから、グラントは訳があってスーツを着替えることになる。ここで彼は、ボタンダウンシャツを着る。

ボタンダウンに着替える。ジャケットなし。

この意味を君はお解りだろうか?

ケーリー・グラントは救出に向かう。ジャケットを着たまま壁をよじ登ることなど出来ない。

また、レギュラーカラーのシャツを着ていた彼は、白のボタンダウンシャツに着替える。その心は「動きやすい=カジュアル」なスタイルになったわけだ。

わたしは「シャツが変わる」シーンが、ヒッチコック映画の素晴らしいところだと思う。

現代の映画のように、どこから手に入れたか知らないが、いつのまにか動きやすい洋服に着替えているマヌケなことをしない。

ケーリー・グラントが着替えるシーンは、決して見逃せないシーンである。

プレントウからローファーに

靴がプレントウからローファーに変わるところも学ぶべきシーンである。

プレントウは「フォーマルな場」で履くもので、ローファーは「カジュアル」な靴である。

これで君は靴を履くシチュエーションを学ぶことが出来たはずだ。

靴下の色が白というとこも見逃すな

グラントが着替えるシーンで、靴下の色が「白」に変わることも見逃さないでほしい。

靴下の色は「白も基本に入っている」ということを、証明しているのだ。

男はコロコロ着替える必要なし

現代の映画を観ると、1作品で俳優が着替える洋服はいったい何着なのかとウンザリしているが、北北西に進路を取れは2着で勝負をしている。

もちろんストーリー的に別の洋服に着替えることがないストーリーなのだが、私が言いたいことは「男はコロコロ着替える必要はない」ということだ。

男のスーツファッションは、シャツの色をストライプ、水色に変えたり、ネクタイを小紋やストライプ柄にする程度でよいのだ。

そもそもスーツとは、コロコロ変えることをしないことが普通なのだ。

王道のブルックスブラザーズ

映画「北北西に進路を取れ」で、アメリカンスタイルの基本を学ぶことができる。

ドラッドファッションの王道は、やはりブルックスブラザーズであろう。伝統的なアメリカの衣装の基本はここにある。

・伝統的なスタイルを継承している
・品質が良い
・ルールに従っているので、どのタイプの洋服でも恰好よく組み合わせることとができる

仕立てが良く、ドラッドファッションのスーツ、小物を求めるならば、是非ともブルックスブラザーズの門戸を叩いてほしい。

まとめ:映画で学ぶ男のファッション

現代映画は、今でこそ服がびりびりに破けたり、ボロボロになった洋服を街のマーケットで走りながら盗んで着て変装するという映画が「面白い」という評価になっているようだが、それはまやかしだと私は考える。

男のファッションというものは、実はそういうものではない。

このページを訪れてくれた君は、おそらく「男のファッション」に興味があったからだと思う。

当時のファッションが「正解」ということではない。クロストシユキ氏もファッションは変遷してゆくもので、昔のものが良いということを否定している。

しかしだ。

最低限の「本物のスーツファッション」というものを識ったうえで、「変化」をつけてゆくことを私は支持してゆきたい。

店員の言われるままではもったいない。是非とも「北北西に進路を取れ」で、男の「定番」ファッションとものはどういうことなのかということを、識っていただきたい。

おしゃれとは何か。

その心は、本物の男のファッションを理解したうえでようやく行えることであると私は考える。

どこかの街で、ケーリーグラントのようなグレーのスーツを着ている君に会えたら、わたしはきっと声をかけて握手を求めるだろう。

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