農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ゴーヤの育て方と栽培のポイントについて、ご案内いたします。
原産地と似たような環境をつくってゴーヤを栽培しますと、生育がよくなると言われていますので、参考になさってください。
ゴーヤについて
ゴーヤの原産地
※ 画像はイメージです
ゴーヤの原産地は、現在のインド東部の高温多湿の植生(=ある地域に集まって生長する植物の集団)が豊かな土地です。
ゴーヤの原種は、低い木が茂っている明るいところに自生し、ツルを伸ばして低い木に絡みついて育っています。
多湿な土地のため、原種のゴーヤの根は浅いところに伸びて、地上部は土の湿気から逃れるように高いところへ登ります。
この様子から、ゴーリはキュウリと似た性質を持っています。
日本への伝来
ゴーヤは、東南アジアから台湾、沖縄などの島伝いに日本に入ってきたと言われています。
そして、琉球(沖縄県)で栽培が行われるようになり、今でも沖縄が断トツの生産量です。
ゴーヤの名前について
農学博士の木嶋利男先生によりますと、ゴーヤの正式和名は、「ツルレイシ」ですが、沖縄での呼び名である「ゴーヤ(ゴーヤー)」が定着しました。
ゴーヤの育て方と栽培のポイント
土づくり
原産地の様子から、ゴーヤは養分を欲します。
そして、ツルを旺盛に伸ばして実を次々にならせますので、元肥をしっかりと施して、収穫が始まりましたら追肥をします。
また、水分も欲しますので、水はけの良い砂質や壌土の畑の場合は、高さのない平畝を準備し、粘土質の畑の場合は10cm程度の高さにします。
砂質の畑 | 壌土 | 粘土質の畑 | |
畝の高さ | 平畝 | 高さ10cm | |
元肥 | 壌土の2割増 | ボカシ肥料 200g/㎡ 草木灰 少量 |
壌土の2割減 |
追肥 | 収穫が始まりましたら、2週間をめどにボカシ肥料 30g/㎡を薄くまきます |
草木灰を施す理由
カリウムが豊富な草木灰は、水を吸い上げるゴーヤのポンプ力を高める効果があります。
ゴーヤの種まき時期
昔の農家さんは、ウリ科の野菜は 桜が散る頃に種をまいていたと言われています。
先人の知恵は、今でも応用することができますので、自然暦を指標に種をまいてみてくださいね。
ゴーヤの種まきのコツ
木嶋先生によりますと、ゴーヤの種は鳥に食べられても消化されないよう、非常にかたい殻で守られています。
そのため、発芽率が悪いので、種をまく前の晩に水を浸しますと 発芽しやすくなります。
なお、砂と一緒に手で揉んで種の表面を軽く傷をつけてからまく方法も、水を吸いやすくなり発芽率が上がりますので、おためしになってみてください。
コンパニオンプランツで栽培
ウリ科のゴーヤは、ネギ属と相性が良いので、根を絡ませて苗を植え付けてみましょう。
支柱でツルを誘引
ゴーヤを地這いで栽培しますと、雨が多い場合 実が傷みやすくなりますので、支柱に誘引して育てます。
木嶋先生によりますと、ゴーヤの根は水分を欲しますが、地上部は湿気が苦手なのだそうです。
その証拠に、ゴーヤのツルや葉は水を弾く性質があり、ツルツルしています。
🥒 アーチタイプの支柱・合掌仕立
園芸ネットを張り2条植えをしますと、原産地の様子に似たような姿になります。
🥒垂直仕立て
木嶋先生は、家庭菜園では垂直に立てたスクリーン型の支柱に1条植えがおすすめされており、台風対策にも有効です。
敷きワラ、刈り草を敷きます
ゴーヤの原産地は、地表に積もった落ち葉などで浅根が守られていますので、畑においても畝を裸にしないで 敷きワラや刈り草を敷きます。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ゴーヤの育て方と栽培のポイントについて、ご案内いたしました。
原産地と似たような環境をつくってゴーヤを栽培しますと、生育がよくなると言われていますので、参考になさってください。
[参考文献]
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