農学博士の木嶋利男先生が紹介されている「野菜の苗づくりの裏ワザ」について、ご案内いたします。
野菜の種をポリポットなどにまいて育苗されているとき、苗の生長とともに葉が黄色くなってしまったご経験はないでしょうか。
ポットなどで育苗中の野菜の葉が黄色くなる現象の要因の1つに「養分不足」が考えられます。
今回ご紹介する木嶋先生の裏ワザは、育苗ポットの土を2層にし、1つのポットで種まきから苗まで育てられる大変効率的なものですので、参考になさってください。
育苗ポットの土を2層に!野菜の苗づくりの裏ワザ
種について
種には、発芽するための十分な栄養分が含まれています。
そのため、発芽のさいには 土に栄養分はほとんど必要ありませんので、少ない養分の土に種をまきます。
栄養が必要になるタイミング
野菜の種が発芽し、本葉が展開する頃になりますと、土からの栄養分が必要になってきます。
1つのポットで土を2層にする裏ワザ
農学博士の木嶋利男先生は、野菜の生育に沿った苗づくりを紹介されています。
その方法は、種をまいて苗を育てる時に使う土(培養土)を 2層にします。
種まき~育苗に使う土(培養土)
土を2層にします
ポリポットの中に入れる土を2層にします。
種まき用の土 | 赤玉土 |
育苗用の土 | 完熟堆肥や有機肥料を混ぜてなじませた土 |
9cmポットの場合、完熟堆肥や有機質肥料を混ぜてよくなじませた土を、ポットの底から5cm程度詰め、その上に肥料分を含まない赤玉土を3cmほど詰めます。
ポットの上部2cmは、水やりをする際、水が溢れないためのウォータースペースをとります。
赤玉土の層に種をまきます
2層にしたポットの効果
木嶋先生によりますと、土を2層にすることで、根がすっきり伸びて、病気が発生しにくくなります。
種まきの土・育苗用の土について
ポットの土をすべて養分が多いものにしますと、根があまり伸びず、病気が発生しやすくなります。
反対に、養分が少ない土だけですと、養分を求めて根が伸びすぎて、ポットの中でとぐろを巻く老化苗になる場合があります。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている「野菜の苗づくりの裏ワザ」について、ご案内いたしました。
発芽に適した土、根を伸ばすのに適した土と2層にすることで、病気に強く、丈夫な苗に育つと言われていますので、参考になさってください。
[参考文献]