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連作障害対策|堆肥と米ぬかを使った土づくり

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農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、連作障害対策の土づくりについて、ご案内いたします。

毎年、同じ作物を、同じ場所で 作り続けてゆきますと、生育不良になったり、病気になりやすくなったりする「連作障害」が発生する場合があります。

木嶋先生によりますと、連作障害は上記による原因だけではなく、さまざまな要因が重なった時に発生するものと、述べられています。

今回は、連作障害が発生する条件、牛ふん堆肥や米ぬかを使った土づくりについて、ご案内いたします。

※ 連作障害は、1つの対策のみで解決することは困難です。今回は、「土づくり」に焦点をあて、ご紹介いたします。
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連作障害について

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連作障害について

毎年、同じ科の野菜を 同じ場所で育て続けますと、病気になりやすくなったり、害虫被害が多くなる、いわゆる「連作障害」が発生しやすくなると言われています。

農学博士の木嶋利男先生によりますと、同じ作物を繰り返し栽培し続けるのが原因で連作障害が発生するのではなく、次の3つの条件が重なった時に、おこる可能性がありますと、述べられています。

連作障害が発生する3つの条件

条件1「病害虫の発生」

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※ 画像はイメージです

病原菌、悪玉センチュウが原因で、野菜が生育不良になります。

条件2「病気や害虫が発生しやすい環境」

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風通しや、水はけが悪い畑、泥ハネが起こりやすいウネの場合などでも病気や害虫が発生しやすくなります。

条件3「抵抗性の低い野菜で育てる」

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元気がない生育不良の苗を植え付けたりする場合にも、発生しやすくなります。

1つの原因ではない連作障害

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連作障害は1つの要因で発生するものではなく、悪条件が重なった時に起こる可能性があります。

連作障害を発生させないためには?

木嶋先生は、この3つの条件がそろわなければ、どれか1つでも欠けると連作障害は発生しないと、述べられています。

つまり、3つの条件のうち、2つまでなら連作障害は発生しないということです。

畑に原因となる病害虫が存在していたとしても、抵抗性が強い元気な野菜を育てたり、病気や害虫が繁殖しにくい畑の環境を整えていれば、連作障害は発生しないということになります。

連作を可能にする4つの条件

木嶋先生は、連作をするための4つの基本対策を紹介されています。

1.畑の土の立体構造をつくる
2.水はけを改善する
3.たい肥をまき、2回耕す
4.病気に強い品種を選ぶ

今回は、土づくりに焦点を当てておりますので、3番の「たい肥をまき、2回耕す」について、ご紹介いたします。

病原菌のすみかをなくす土づくり

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木嶋先生によりますと、連作障害を引き起こす病原菌の多くは、地中に埋まった野菜の残渣に潜んでいるのだそうです。

そこで、残渣をきれいに分解させて、病原菌のすみかをなくすことが、連作障害対策の第一歩と言えるでしょう。

連作障害対策の土づくり1「牛ふん」

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土づくりのタイミング

土づくりは、合計2回行います。

回数 時期 具体的に行うこと 施肥の量(目安)
1回目 苗の植付け1か月前 牛ふん堆肥を施して耕す 1㎡あたり2~3kg
2回目 苗の植付け2週間前 軽く耕し、酸素を供給

1回目

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完熟した牛ふん堆肥を1㎡あたり2~3kgまいて、鋤き込みます。

耕す深さは約10cmで、かるく混ぜる程度です。

牛ふんを施すことによって、野菜の残渣の分解が進みます。

2回目

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苗の植え付ける2週間前に、軽く耕して地中に酸素を送り込み、分解をさらに加速させます。

堆肥を入れたことで、土の中の微生物の種類が多様になり、特定の病原菌の増殖を防ぐことができ、野菜が健康に育ちます。

連作障害対策の土づくり2「米ぬか」

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悪玉センチュウを制御する効果

木嶋先生は、米ぬかをすき込むのも効果的ですと、述べられています。

米ぬかは、野菜に無害なセンチュウを増やし、悪玉センチュウと言われている野菜に寄生する「ネコブセンチュウ」「ネグサレセンチュウ」「シストセンチュウ」を抑制する働きがあります。

米ぬか対策が有効な畑

米ぬかを使う土づくりは、連作によりセンチュウの被害がひどくなった畑に効果的です。

米ぬかが連作障害対策に効果的な理由

木嶋先生によりますと、センチュウはとても多くの種類がいますが、植物に寄生して被害を与える種類はごくわずかで、ほとんどのセンチュウは 植物に寄生せず、土の中のさまざまな有機物や微生物を食べながら、自活して生きています。

これらを、善玉のセンチュウ、「自活型センチュウ」といいます。

米ぬかをウネにすき込みますと、この自活型センチュウの仲間が急速に増え、老廃物として出される尿酸は、即座にアンモニアに変化しますので、一時的に土の中のアンモニア濃度は高くなります。

自活型センチュウは、ある程度のアンモニア濃度に耐えることが出来ますが、悪玉のセンチュウは、その10分の1程度までしか耐えることができません。

そのため、自活型センチュウを増やせば、悪玉センチュウを減らすことが出来ます。

米ぬかの鋤き込みとその効果

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米ぬかを使った連作障害対策の方法

米ぬかの鋤き込みに適した時期

センチュウの活動が盛んな春から秋の暖かい時季に行います。

土づくり(連作障害対策)の期間

米ぬかをウネに施してから、約1か月後に、野菜の栽培を始めることが出来ます。

米ぬかをまいてから、1か月以上経ちますと、悪玉センチュウの多くは死滅して数が少なくなっています。

米ぬかの量について

1㎡あたり、400グラム~2キログラム程度です。

米ぬかの使い方

米ぬかを土にまきます。

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よく鋤き込みます。

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1か月ほど放置し、それ以降に 野菜を栽培することが出来ます。

まとめ

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農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、牛ふん堆肥や米ぬかを使った土づくりについて、ご案内いたしました。

木嶋先生によりますと、連作障害は、同じ作物を毎年おなじ場所に繰り返し作り続けると発生するだけが原因ではなく、そのほかの要因が重なった時に発生します。

牛ふん堆肥や米ぬかを使った土づくりは、わが家は毎回行っております。

そして昨年から、ナスとエンドウを交互に連作しておりますので、ご興味のある方は、下記の[関連記事]を、参考になさってください。

※ 連作障害は、1つの対策だけでは解決することは困難です。今回は、「土づくり」に焦点をあて、ご紹介いたしました。

[参考文献]

木嶋利男著「連作でよく育つ野菜づくり」

[関連記事]

交互連作|ナスの後作にエンドウ、エンドウの後作にナスがおすすめの理由

[参考アイテム]

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キッチンガーデンのこと野菜づくり
この記事を書いた人
カジトラ

関東在住の専業主婦です。
夫と二人暮らし。
2023年の春、海に近い地域に移住しました。

家族の介護、某シンクタンクで馬車馬のように働き詰めだった日々に区切りをつけ、現在は農学博士 木嶋利男氏が提案するコンパニオンプランツ栽培で野菜を育てています。

文明の利器を取り入れつつも、古き良きモノ・慣習を大事にしながら暮らしてゆくことを目指しています。

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