カブのコンパニオンプランツをご紹介いたします。
カブと一緒に栽培すると、害虫忌避の効果、病気の予防、生育が促進する野菜があります。
農学博士の木嶋利男先生によると、異なる「科」の野菜と野菜を栽培すると、お互いの生育を助け合う働きがあるそうです。
同じウネで複数の野菜を栽培できるメリットもあるコンパニオンプランツを使って、カブを美味しく育てましょう。
カブのコンパニオンプランツ「葉ネギ」
アブラナ科とネギ属を一緒に栽培して害虫忌避
カブは「アブラナ科」の野菜です。
カブに限らず、アブラナ科の野菜を栽培すると、葉っぱにアブラムシやアオムシなどの害虫が付いて、うんざりされたことはありませんか。
「ネギ属」の葉ネギやチャイブを一緒に(そばに)植えると、害虫はネギの香りを嫌がるので、寄り付かなくなる効果があります。
アブラナ科とネギ属の野菜は、付く害虫が異なります。
異なる科に付く害虫は、お互いを避けあう傾向があります。つまりそれぞれの野菜に害虫が寄ってこなくなり、被害を抑えることが出来るのです。
病気の発生が少なくなる効果
農学博士の木嶋利男先生によると、アブラナ科とネギ属の根っこに付く「根圏微生物」は大きく異なり、そのため、病気の発生が少なくなるそうです。
甘いカブになって葉っぱも食べられる
葉ネギは、アンモニア態窒素を好んで吸収する特徴があります。
一方で、カブはアンモニア態窒素がさらに分解した硫酸態窒素を好んで吸収します。
そのため、お互いの養分を奪い合うことが起こらずに、また肥料過多にもなりません。
その結果、カブは丸く育ち、苦みが少ない甘いカブに生長し、葉っぱもエグミがなくなり美味しく食べることが出来ます。
カブと葉ネギの品種
カブ、葉ネギとも品種は何でもOKです。
葉ネギとの条間を調整すれば、カブは小さいものから大きなものまで何でも栽培できます。
春まき、秋まきが同時にできます
カブと葉ネギの栽培は、春は3月下旬~4月上旬、秋は9月中旬~下旬が適期です。
カブのタネまきと、葉ネギの苗の植え付けは、時期をずらさず同時に行うことができます。
カブと葉ネギの間隔は、15センチほどとりましょう。
葉ネギの植え方
葉ネギの苗が幼い場合は、3本まとめて植えると生育が良くなります。太い苗は1本植えします。
葉ネギは根元から3~5センチほど残して収穫すると、また芽が伸びてきます。
なお、カブを収穫した後は、葉ネギを掘り上げて、別のウネに移植することも可能なので、大変便利ですね。
葉ネギをコンパニオンプランツに使える野菜
カブの代わりに、チンゲンサイやコマツナなどのアブラナ科の葉物野菜と、葉ネギを一緒に育てても、同様の効果があります。
カブのコンパニオンプランツ「キク科の野菜」
アブラナ科とキク科で害虫忌避
アブラナ科のカブと、キク科の野菜を組み合わせて栽培すると、害虫よけになります。
なぜなら、2つの野菜は「科」が異なるためです。
カブにはモンシロチョウの幼虫アオムシや、コナガの幼虫がよく付きますが、キク科野菜をそばに植えると独特の香りを嫌って寄ってこなくなります。
キク科野菜「リーフレタス」
カブとリーフレタスを一緒に栽培すると、リーフレタス独特の香りを嫌がり、モンシロチョウやコナガが飛来しなくなり、卵を産み落される被害が減ります。
またリーフレタスによく付くアブラムシは、カブの香りを嫌うので、寄り付かなくなる効果があります。
カブの香りと、リーフレタスの香りが、害虫を寄せ付けない効果があるのです。
リーフレタスの栽培ポイント
カブ4~5列に対して、リーフレタスを1列植えるだけで害虫忌避の効果は十分あります。
なお、リーフレタスを1列植え付けなくても、株のところどころに植える方法でもOKです。
リーフレタスを先に大きくしておく
リーフレタスは、カブの種まきより先に苗を植え付けておくのがポイントです。
カブは、生長する前に害虫の被害にあってしまうと、収穫できなくなる場合があるので、リーフレタスを先に大きく育てておくと効果が発揮されます。
またカブの栽培中は、リーフレタスの外葉から収穫すると、長い期間、害虫忌避の効果を継続することが出来ます。
サニーレタスが特にオススメ
レタスであれば、特に品種は選びませんが、赤い葉のサニーレタスがオススメです。
なぜなら、モンシロチョウやコナガは「赤色」を嫌う性質があるので、赤いサニーレタスが害虫を寄せ付けない効果が高まるためです。
キク科野菜「春菊」
春菊もキク科の野菜です。
リーフレタス同様の効果がありますので、カブのコンパニオンプランツとして役立ちます。
カブと春菊の栽培時期は同じタイミングで行えるので、カブ、リーフレタス、春菊の3セットで植えても良いですね。
カブのコンパニオンプランツ「ニンジン」
アブラナ科とセリ科で害虫忌避効果
ニンジンはセリ科の野菜です。
アブラナ科のカブと、セリ科のニンジンを一緒に栽培すると、害虫忌避の効果があります。
科が異なる野菜は、寄ってくる害虫も異なります。害虫はお互いを避け合う性質があるので、カブとニンジンを一緒に育てると、互いの害虫が寄り付かなくなるのです。
ニンジンの栽培ポイント
品種選びについて
春まきの場合は、トウ立ちしにくい品種を選びます。
夏から秋にまく品種は、なんでもOKです。
ニンジンの栽培期間を利用する
カブの栽培期間は、50~60日で、ニンジンは100~120日程度です。
ニンジンの栽培期間中に、カブを2週間ずつ ずらして種まきすると、長い期間にわたってカブを収穫することが出来ます。
まとめ
カブのコンパニオンプランツをご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
異なる科の野菜を一緒に育てると、害虫忌避の効果や生長の促進、病気の予防になるという素晴らしい栽培方法ですね。
私は、サポート付き貸農園「シェア畑」で、初めて野菜作りをはじめたばかりの初心者ですが、この菜園でコンパニオンプランツを知ってから大変興味をもち勉強しています。
農薬を使わずに、できるだけ自然な方法で野菜の栽培ができれば、こんなにうれしいことはありませんね。
カブのコンパニオンプランツが害虫を忌避したり、美味しく育てられるかどうかを、カジトラで検証してゆく予定ですので、また遊びにいらしてくださいね。
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[参考文献]