農学博士の木嶋利男先生が紹介されている「ポットのまま植えるトマト栽培」について、ご案内いたします。
この方法は、普通のトマト栽培より収穫数が少なくなりますが、甘みと旨味が増え、病害が減るという驚きの栽培法ですので、参考になさってください。
驚き!ポットごと植えるトマト栽培
ポットのまま植えるとトマトが甘くなる理由
トマトは、水分を抑えて栽培すると糖度が高くなると言われています。
農学博士の木嶋利男先生が紹介されているトマトをポットのまま植えて育てる方法は、ポットによって根が伸びる範囲が制限されますので水分の吸収量が減り、その結果 トマトが甘くなるという仕組みです。
病気の予防にも
ポットでガードされたトマトの根は、土中の病原菌に触れにくくなりますので、病気も発生しにくくなります。
伸長は遅れて着果数が減ります
この栽培のデメリットは、根の伸長が制限されますので、茎葉の伸長が遅れてトマトの実の収穫量が少なくなることです。
水っぽいトマトをたくさん収穫するより、甘い果実を栽培されたい場合に適した方法かと思います。
ポットごと植えるトマト栽培の方法
用意するもの
・トマトの苗(9cmポット)
・水
トマトの苗をポットのまま植える方法
1.トマトの苗をしっかり吸水させます。
2.植え付ける際、植え穴にもしっかり潅水し、苗をポットに入れたまま土に植え付けます。ポットの土の表面と植える土を同じ高さにするのがコツです。
3.植え付けた後も、ポットの鉢底の穴から水が流れ出るよう、充分に潅水します。
ポットを植え付けた後のお世話について
活着するまで水やりを
ポットごと植え付けたトマトは、ポットに遮断されて根を自由に伸ばすことが出来ません。
唯一 鉢底の穴から根が伸びるまで水分が不足しますので、日中は苗がしおれます。
このままでは枯れてしまいますので、晴れの日が続く場合は、こまめに水やりをします。
活着後のお世話について
日中 しおれなくなくなりますと、鉢底から根っこが出て活着したサインです。
そのあとは 乾燥気味にお世話をし、水やりを控えます。
これ以降の水やりは、トマトの下葉が内側にクルっと巻いて、土の表面が白く乾燥してきたタイミングに行います。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されているトマトの苗をポットのまま植えて育てる方法をご案内いたしました。
ポットによって伸びる根が制限され、水分の吸収量が減ったトマトは、甘みと旨味が増え、病害も減少する栽培法です。
味が薄く水っぽいトマトをたくさん収穫するより、甘くて旨味のある果実を採りたい場合に向いている栽培かと思いますので、参考になさってください。
a[参考文献]
木嶋利男著「伝承農法を活かす 野菜の植えつけと種まきの裏ワザ」