家庭菜園でおすすめのコンパニオンプランツを「病気予防」「害虫忌避」「生育促進」と目的別にご案内いたします。
また、コンパニオンプランツ栽培を提唱されている農学博士 木嶋利男先生の上手に使い分けるコツについてもご紹介いたしますので参考になさってください。
目的別で選ぶ|家庭菜園でおすすめのコンパニオンプランツ
病気予防の目的
野菜の病気予防に効果のあるコンパニオンプランツは、「ネギの仲間」です。
ネギ属の野菜は根の表面に生息しているバークホーデリアという細菌が抗生物質を出し、そばに植えている野菜の病気を防ぐ効果があると言われています。
作物 | 病気が予防できる作物 | 栽培メモ | ||
ネギ属 | 葉ネギ・ワケギ・アサツキ | アカザ科 | ホウレンソウ | |
ウリ科 | キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ゴーヤ、ヘチマ、シロウリ、ズッキーニなど | |||
アブラナ科 | カブ、チンゲンサイなど | ×大根(枝根になる) | ||
長ネギ | ウリ科 | キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ゴーヤ、ヘチマ、シロウリ、ズッキーニなど | ||
バラ科 | イチゴ | ニラを近くに植えない | ||
ナス科 | ジャガイモ | |||
ニンニク | ウリ科 | キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ゴーヤ、ヘチマ、シロウリ、ズッキーニなど | ||
バラ科 | イチゴ | ニラを近くに植えない | ||
ニラ | アブラナ科 | コマツナ、ミズナ | ×大根(枝根になる) | |
ウリ科 | キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ゴーヤ、ヘチマ、シロウリ、ズッキーニなど | |||
ナス科 | トマト、ナス、ピーマン、シシトウ、パプリカ、唐辛子 | |||
バラ科 | プラム | ×イチゴ(生育不良) | ||
チャイブ | ウリ科 | キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ゴーヤ、ヘチマ、シロウリ、ズッキーニなど | ||
玉ねぎ | ウリ科 | キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ゴーヤ、ヘチマ、シロウリ、ズッキーニなど | ||
マメ科 | ソラマメ、エンドウ |
害虫忌避の目的
独特の香りをもつネギ類・キク科植物は、「アレロパシー効果」が強い野菜です。
アレロパシー効果とは 他の植物や動物、微生物に対してアレロケミカルという物質を出し、引き寄せないことを言います(参考:ウィキペディア)。
このためネギ類・キク科植物との混植は、野菜を単体で育てるより 寄り付く害虫が減少します。
作物 | 科目 | 害虫が寄り付かなくなる野菜 | 栽培メモ | |
ネギ属 | 葉ネギ | アカザ科 | ホウレンソウ | |
ウリ科 | キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ゴーヤ、ヘチマ、シロウリ、ズッキーニなど | |||
アブラナ科 | カブ、チンゲンサイなど | ×大根(枝根になる) | ||
ニラ | アブラナ科 | コマツナ、ミズナなど | ×大根(枝根になる) | |
ナス科 | トマト、ナス、ピーマン、シシトウ、パプリカ、唐辛子 | |||
チャイブ | マメ科 | エダマメ | ||
アブラナ科 | カブ、チンゲンサイなど | ×大根(枝根になる) | ||
ウリ科 | キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ゴーヤ、ヘチマ、シロウリ、ズッキーニなど | |||
キク科 | 春菊・レタス類など | アブラナ科 |
カブ、キャベツ、コマツナ、アイコン、チンゲンサイ、ハクサイ、ブロッコリー、ラディッシュ、ルッコラなど | キク科はアブラナ科の害虫に効果的 |
セリ科 | ニンジン・パセリ | セリ科もアブラナ科の害虫に効果的 | ||
マメ科 | エダマメ・インゲン | イネ科 | トウモロコシ | 互いの害虫を遠ざける |
生育促進の目的
野菜の生長を促進させる目的の場合は、マメ科植物が効果的です。
マメ科植物は根に根粒菌を共生し、空気中の窒素ガスを固定してマメへ養分を供給し、土も肥沃になります。
マメ類を育てる場合、肥料は少なめ(もしくは不要)と言われているのはこのためです。
この特長を活かし、マメ科と別の野菜を一緒に育てますと、双方の生育が促進します。
作物 | 科目 | 生育が促進する野菜 | 栽培メモ | |
マメ科 | インゲンマメ・枝豆など | ナス科 | ナス、ピーマン、シシトウ、パプリカ、唐辛子など | |
イネ科 | トウモロコシ | |||
ヒルガオ科 | サツマイモ | |||
エンドウ | アオイ科 | オクラ | ||
ヒルガオ科 | サツマイモ | |||
ソラマメ | アブラナ科 | キャベツ | ||
ネギ属 ヒガンバナ科 |
タマネギ | |||
落花生 | ナス科 | トマト、ナス、シシトウ、パプリカ、唐辛子など | トマトが甘くなる |
コンパニオンプランツを上手に使い分けるコツ
まずは目的を1つに絞ってみましょう
コンパニオンプランツ栽培は、1つのウネやプランター1個で多品目の野菜を収穫することが出来ますので大変 魅力的ですね。
農学博士の木嶋利男先生は、まずは目的を1つに決めて栽培してみましょうと述べられています。
(作物を)いろいろ植え付けてしまいますと、土の中の根圏微生物相が非常に複雑になりすぎてしまい、時と場合によっては互いが効果を打ち消す方向に向いて、生育が阻害されることもあります。
引用 木嶋利男著「コンパニオンプランツで野菜づくり」
私の経験ですが、それぞれの野菜が大きく生長することを考えず、あれもこれもと欲張って植えつけたため、葉っぱどうしが混み合い収穫しづらくなり、雑草を取り除くことにひと夏中苦労し、通路にまで伸びたサツマイモのツルを踏みつけなければならない事態になったことがあります。
数年サイクルでコツコツと
コンパニオンプランツ栽培は、野菜や害虫の性質など 自然のしくみを利用します。
そのため、薬剤を使用した時のような即効性を期待することは難しく、数年後にようやく効果が現れてくるものと思って臨まれると良いかと思います。
昨年は枝豆にカメムシがたくさん付いたので、今年はチャイブを一緒に植えてみよう。
アブラナ科の野菜にアブラムシを寄せ付けないように春菊の種をまいてみよう。など、前回の症例を振り返りながら コツコツと野菜づくり行ってゆかれることをおすすめしたいです。
まとめ
家庭菜園でおすすめのコンパニオンプランツを「病気予防」「害虫忌避」「生育促進」と目的別にご案内いたしました。
コンパニオンプランツ栽培は、同じ空間に多品目の野菜を育てられる 大変 魅力的な方法ですが、まずは目的を1つに決めて野菜と野菜を組み合わせてみてくださいね。
なお、本ページでご紹介しきれなかった組み合わせにつきましては、関連記事にてより詳しくご案内しておりますので 参考になさってください。
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[参考文献]