農学博士の木嶋利男先生が紹介されている「ヘアリーベッチを使った畑の雑草対策」についてご案内いたします。
夏の畑の草取りから解放され、ひと安心と思いきや、寒い季節になっても雑草がちらほらと生えてくるのが気になりますね。
来春まで畑を休ませておこう!でも、雑草が気になる・・・と思われている方は「ヘアリーベッチ」の種をまいてみられてはいかがでしょうか。
ヘアリーベッチは畑の雑草対策に有効な緑肥(りょくひ)で、土を肥沃にする家庭菜園における強い味方の植物ですので、参考になさってください。
ヘアリーベッチの雑草対策
マメ科の緑肥植物「ヘアリーベッチ」
ヘアリーベッチはマメ科の緑肥植物で、根っこに根粒菌が共生して空気中の窒素を固定します。
すると土が肥沃になりますので、やせた畑の土づくりに最適で、次に栽培する野菜の生長が促進する効果が期待できます。
畑の雑草対策に最適
ヘアリーベッチは「シアナミド」という成分が含まれており、畑に生える多くの雑草を抑える効果があります。
土を肥沃にし、他の雑草を生やさなくするヘアリーベッチは秋冬に畑を休ませておく時に栽培するのにぴったりな緑肥です。
雑草対策になるヘアリーベッチの栽培法
種まき
ヘアリーベッチは種をまいて栽培します。
種まきの時期は、雪が降らない地域では10~11月頃の冬季で、発芽の適温は20℃です。
当方の経験ですが、発芽率が非常に高く、恐ろしいほど旺盛に育ちます。
[中間地] 9月下旬~
[暖 地] 11月中旬~
[冷涼地] 5月下旬~6月下旬
参考 タキイ種苗株式会社
種のまき方
バラまきして、3cm程度の土をかけて鎮圧します。
おおよそ1週間ほどで、発芽します。
ヘアリーベッチの栽培
ヘアリーベッチは、やせた畑でも日陰でも日なたでも、水はけが良ければ旺盛に育ちます。
ツル性で1m~2mくらい伸びますので、種をまきすぎますと畑がモジャモジャになるかもしれませんので、適量をまいてみてください。
翌春3月下旬からすき込みます
ヘアリーベッチを冬の間育て、翌春3月下旬~4月上旬に畑にすき込みます。
刈り取ったものをクワなどで土にすき込み、1か月以上かけてしっかり分解させますと、少ない肥料で次に栽培する野菜の生長が促進します。
ヘアリーベッチ栽培の後作で気を付けたいポイント
ヘアリーベッチ栽培の後に植えると良い野菜
トマト、キュウリ、ナスなど「苗を移植する野菜」が向いています。
ヘアリーベッチ栽培の後に向かない野菜
ダイコン、ニンジンなど「種をまいて育てる野菜」は、ヘアリーベッチに含まれる雑草を防除するシアナミドの影響で、発芽障害を及ぼす可能性がありますので不向きです。
その他のマメ科の緑肥作物
土を肥沃にして畑の雑草対策になるその他の緑肥作物をご紹介いたします。
マメ科の緑肥作物(ほか)
マメ科の緑肥、「クリムソンクローバー」「白クローバー」「レンゲ」も雑草対策になります。
これらもヘアリーベッチと同様、土を肥沃する効果、自ら害虫を引き付けて天敵を呼び寄せる働きがありますので、野菜の害虫対策にもなります。
まとめ
※ わが家の畑です
畑の雑草対策「ヘアリーベッチ」の栽培法について、ご紹介いたしました。
農学博士の木嶋利男先生によりますと、ヘアリーベッチをはじめとする緑肥作物は土を肥沃にすることを目的に栽培し、土にすき込みます。
生長している間はヘアリーベッチが含まれる成分で多くの雑草を抑えることが出来ますので、来春まで畑を作物を植える予定のない方は育ててみられてはいかがでしょうか。
種をまいて、ほぼ放任しておくだけで土が肥えて雑草を抑えることが出来ますのでおすすめの植物です。
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[ヘアリーベッチの種]
[参考文献]※189頁