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6月の農作業|昔農家さんから学ぶ農事歴

ame,rain (★)

昔農家さんから学ぶ、6月の農作業について、ご案内いたします。

昔の農家さんは、私たちよりも はるかに季節の移り変わりに敏感で、植物や動物の動向などを観察しながら、農作業を行っていました。

先人の知恵は、現代を生きる私たちの野菜づくりのヒントになるものが数多くありますので、参考になさってください。

※ 掲載の画像はすべてイメージです

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昔農家さんから学ぶ6月の農作業について

6月はおもに、夏野菜の枝の誘引や芽かきなどを行いますが、特にこの頃は水による病気が発生しやすくなります。

作業がとくになくても雨の合間に野良まわりをして、野菜の手当をいたしましょう。

アジサイが咲いたら夏野菜の収穫スタート

ajisai (★)

地域によって異なりますが、アジサイの花が咲き始める頃から、いよいよ夏野菜の収穫が始まります。

ねむの花、百合の花が咲く頃、大根をまく

nemunoki,albizia (★)ねむの花

Lilly,yuri (★)百合の花

ネムノキの花や百合の花の開花は、梅雨の時期にあたります。

この頃に、ダイコンは発芽しやすいことを知っていた昔の農家さんは、種をまいていたと言われています。

大根の胚軸(白い食べる部分)が肥大するのは、旧盆過ぎの雨が多い時期になりますので、この頃に種まきする大根は、水分が多い環境で、大きく育ちやすくなります。

主人の足音は肥料より効く

この諺は、雑草や病害虫が発生しやすい梅雨の時期に、とくに農作業がなくても、一日一度は野良まわりをすれば、野菜はよく育つという意味です。

百の肥やしより、一時の旬

肥料を多く施すより、野菜の手当は適期に行いなさいという意味です。

ツバメが低く飛ぶと雨降り

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梅雨の時期、昔農家さんは ツバメの動きで雨降りの予測をしていたのだそうです。

ツバメのエサとなる蚊やハエなどの虫は、低気圧の影響で湿度が上がると翅(はね)が重くなり、高く飛ぶことができません。

そのため、雨が降る前に、ツバメはその虫たちを捕まえるために低空飛行しますので、先人はそれをよく観察していたと言われてます。

泥の跳ね返りに気を付けて

cucumber,betobyo

野菜は、空気中に浮遊している菌(胞子)や、蚊・アブラムシなどの害虫が細菌を媒介して病気になる場合があります。

とくに梅雨の時期や、雨上がりの農作業は、泥の跳ね返りで野菜が病気にかかる場合がありますので、気を付けて作業をしましょう。

また、ハサミや支柱に付着したウイルスなどによって病気が発生するケースもありますので、使い終わった道具はきれいに水洗いをします。

6月の農作業(例)

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※地域によって前後します。(参考文献 久保田豊和著「新版 暦に学ぶ野菜づくりの知恵 畑仕事の十二ヵ月」)

6月の農事歴

私たちは現在 新暦(太陽暦)にて暮らしておりますが、江戸時代以前の農家さんたちは、旧暦にて農作業を行っていました。

旧暦の農事は、現代においても参考になり、野菜づくりの良き指標となるかと思いますので、ご案内いたします。

6月の農事歴[旧暦5月(皐月)]

1日
2日
3日
4日
5日 ◎芒種(旧暦5月1日頃)
6日
7日
8日 ◇蟷螂生ず
9日
10日 ◎入梅
11日
12日
13日 ◇腐草蛍となる
14日
15日
16日 ◇梅の実黄ばむ
17日
18日
19日
20日
21日 ◎夏至
22日 ◇乃東枯れる
23日
24日  
25日
26日
27日 ◇菖蒲華咲く
28日
29日
30日

◎ 二十四節気 ◇ 七十二候

参考文献 久保田豊和著「新版 暦に学ぶ野菜づくりの知恵 畑仕事の十二ヵ月

◎芒種(ぼうしゅ―新暦6月5日頃)

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芒種の芒は、「のぎ」という麦や米などの先端の細い毛のことで、梅雨の前に田んぼ仕事に追われることから、この名がつきました。

◇蟷螂生ず(かまきりしょうず―新暦6月8日頃)

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カマキリが生まれる時期です。

◎入梅(にゅうばい―新暦6月10日頃)

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梅雨の季節に入る最初の日です。

現在では、太陽の中心の黄経が80度を通過した日が梅雨入りとされているようですね。

◇腐草蛍となる(ふそう ほたるとなる―新暦6月13日頃)

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川辺でホタルが飛び始める時期です。

昔は、腐った草がホタルに化生すると考えられていたようです。

◇梅の実黄ばむ(うめのみきばむ―新暦6月16日頃)

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梅の実が黄色く色付きはじめる頃です。

◎夏至(げし―新暦6月21日)

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一年でもっとも昼の長い日です。

実際は、梅雨空で太陽を見ることがなかなかできません。

また、この頃はアジサイの盛りでもあります。

◇乃東枯れる(うるきかれる―新暦6月22日頃)

 

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乃東(うるき)は、別名を夏枯草(かこそう)といい、冬至の頃に緑の芽を出すこの草も、夏至には枯れます。

◇菖蒲華咲く(あやめはなさく―新暦6月27日頃)

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古くは「アヤメ」と呼ばれていたショウブの花が咲く頃です。

旧暦五月は、「悪月(あしげつ)」と呼ばれ、僻邪(へきじゃ)の風が吹くといわれていました。

僻邪=よこしまな風とは、病気を運ぶ風のことで、人間も植物もこの時期は病気になりやすいと考えられていました。

菖蒲の葉で邪気を払うのは、ここからきていると言われています。

まとめ

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6月の農作業と農事歴について、ご案内いたしました。

昔の農家さんは自然と共存しながら農作業を行い、私たち現代人よりも、はるかに季節の移り変わりに敏感でした。

先人の知恵は、今を生きる私たちの野菜づくりのヒントになるものが数多くありますので、参考にしていただければ幸いです。

[参考文献]

新版 暦に学ぶ野菜づくりの知恵 畑仕事の十二ヵ月

やさい畑 2018年 冬号

 

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キッチンガーデンのこと野菜づくり
この記事を書いた人
カジトラ

関東在住の専業主婦です。
夫と二人暮らし。
2023年の春、海に近い地域に移住しました。

家族の介護、某シンクタンクで馬車馬のように働き詰めだった日々に区切りをつけ、現在は農学博士 木嶋利男氏が提案するコンパニオンプランツ栽培で野菜を育てています。

文明の利器を取り入れつつも、古き良きモノ・慣習を大事にしながら暮らしてゆくことを目指しています。

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