失敗しないキュウリ苗の選び方と、よく育つ植え方のコツについて、ご紹介いたします。
種苗店やホームセンターなどで、たくさん陳列しているキュウリの苗の中からどれを選んでよいか、悩まれたことはないでしょうか。
今回は、病気や害虫の被害に遭いづらい苗選びのポイントと、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、苗を植え付ける際の裏ワザについてご案内いたしますので、参考になさってください。
良い苗を選ぶ5つのポイント(すべての野菜共通)
野菜づくりを始めたばかりの方は、種苗店やホームセンターなどで販売されている苗を植えるのがおすすめです。
苗選びは、野菜の栽培においてとても重要で、良い苗は元気に育ちますので、お世話が容易になります。
下記の5つは、キュウリを始めとする、すべての野菜に共通する選び方のポイントです。
1.生長の度合いが適切なもの
2.葉の色とつや、厚みがあるもの
3.株の姿かたちが良いもの
4.病害虫に侵されていないもの
5.接ぎ木苗か自根苗か
良いキュウリ苗を選ぶポイント
1.本葉2~3枚の苗を選びましょう
キュウリなどのウリ科野菜は、根が繊細で傷みやすいため、大きな苗を植え付けますと、根の活着が悪くなってしまいます。
そのため、なるべく若い苗を選ぶのがポイントで、本葉が2~3枚のものが最適です。
キュウリの苗は、生長が早いので、植え付ける日を考慮して購入されると良いかと思います。
🥒 本葉が2~3枚のもの
🥒 できるだけ大きく育っていないもの
2.子葉が残っている苗
子葉が緑色のまま残っているものは、育苗中 適切な施肥管理が行われていた証です。
肥料不足の苗は、子葉が黄色くなったり欠落していたりします。
3.選ばないほうが良い苗
お店で陳列しているたくさんのキュウリ苗の中から、ベストなものを探し出すのは意外に大変ですね。
そこで、消去法で良い苗を見つけてゆくポイントをご紹介いたします。
✖ 徒長している苗
徒長している苗は、育苗中に日当たりが悪かった可能性と、お店に出荷されたあと、日当たりの悪い売り場に置かれていた場合などが考えられます。
こういった苗の特徴は、自立することが出来ず傾いており、その後の生育も悪いので、選ばないようにしましょう。
※ 写真は、わが家で種から育てたキュウリ苗です。梅雨の時期に種まきをし、日照が悪かったせいか徒長しています。畑に定植した後もあまり実を付けることなく、早い時期に枯れてしまいました。
✖ 老化している苗
花が咲いていたり、つぼみが付いている苗は、一見 よく育ちそうなイメージがありますが、老化している苗ですので 選ばないようにしましょう。
また、キュウリの根がポットからはみ出しているようなものも老化している苗です。
知って得する「キュウリ苗の植え方」の裏ワザ
この章では、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、キュウリ苗の植え方の裏ワザについてご案内いたします。
この方法は、昔から行われてきた伝承農法で、キュウリ以外のすべての野菜に行うことが出来ますので、参考になさってください。
キュウリ苗を植え付ける前に水分補給
野菜の苗は、植え付け穴に水を注ぎ、水が引いたら苗を植える方法や、苗の定植後、水をたっぷり与える方法など さまざまなやり方があります。
木嶋先生がおすすめされている苗の植え方は、野菜苗をポットのままバケツの水に浸し、葉と根に十分水分を行き渡らせたあと、植え穴に苗を植え付けます。
苗を植え付けた後は、3~4日は水やりをせず、苗の力で根っこを張らせてゆくのを待ちます。
苗を定植した後、すぐに水を与えてしまいますと、野菜の根は深く伸びようとせず、浅いところで根を張りはじめます。
根を浅く張った野菜は、萎れやすく常に水を必要として、丈夫に育たなくなります。
苗の植え付けの具体的な方法は、下記を参考になさってください。
[詳細]
野菜苗の植え付けの裏ワザ!水やりしないで元気に育てる「ブクブク植え」をご紹介します
キュウリの苗を植え付ける時間帯
キュウリやナスなどの夏野菜は、晴天の午前中に苗を植え付けますと、その後の生長が大きく変わると言われています。
キュウリやナスなどの夏野菜の苗は、高温を好みますので、晴天の午前中に植えるのがおすすめです。
苗の植え付け方法は、先にご紹介した「ブクブク植え」を行います。
根鉢を崩さないで植え付けます
キュウリの根は繊細ですので、根鉢を崩さないようポットから抜き取って植え付けます。
まとめ
良いキュウリ苗の選び方のポイントについて、ご紹介いたしました。
良い苗を選びますと、病気や害虫の被害に遭いづらくなり、美味しいキュウリを収穫することにつながります。
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、苗を植え付ける際の裏ワザについてもおためしになってみてくださいね。
[参考文献]
・やさい畑 春号 2020年 4月号
・木嶋利男著「学研ムック 有機・無農薬 野菜別 土づくりと栽培テクニック」