家庭菜園で、大切に育てている野菜に害虫が付いていたら、即座に捕まえて除去するのが鉄則といわれていますね。
その一方で、青虫やアワノメイガ、ヨトウムシなどの「蝶と蛾の幼虫」は、殺さないほうが畑が良い環境になってゆくことをご存知でしょうか?
今回ご案内する害虫駆除は、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている対策で、イモムシ類を殺さずに瀕死の状態にして、畑の害虫被害を減らしてゆく方法です。
本ページでは、いささかグロテスクな内容をご紹介いたしますが、参考になさってください。
青虫・アワノメイガ・ヨトウムシ駆除対策の裏技
当方は、キャベツの葉の中に青虫を見つけるたびに せっせと駆除しておりましたが、農学博士の木嶋利男先生は、「半殺しにして野菜の葉の上に放置する方法」を、紹介されています。
この方法は、グロテスクな対策ですが、半殺しにするのには理由があります。
半殺しの理由は「昆虫寄生菌」を増やすため
野菜の葉の上に半殺しにした青虫を置いておきますと、「昆虫寄生菌」がたくさん増え、広がります。
昆虫寄生菌は、生きた虫を好んで食べますので、寄生された青虫は養分を吸い取られ死滅します。
木嶋先生は、昆虫寄生菌は畑中に広がりますので、しだいに 害虫の被害が減ってゆきますと、紹介されています。
青虫を半殺しにする方法
青虫やイモムシ、アワノメイガなどを見つけましたら、葉の上で下半身だけつぶして葉の上に置いておきます。
映画「ミザリー」の様な非常にエグい方法ですので、おぞましい対策ですが、これが昆虫寄生菌にとって貴重なエサとなり、菌が畑全体へ広がり害虫被害が減ってゆくのだそうです。
半殺しが有効な害虫
半殺しが有効な害虫
「蝶・蛾の幼虫」が半殺しに有効で、瀕死の虫に昆虫寄生菌が付き 畑中に広がってゆきます。
-半殺しが効く害虫-
🐛 青虫(モンシロチョウの幼虫)
🐛 タバコガ類
🐛 ヨトウムシ類
🐛 スズメガ類
🐛 アワノメイガなど引用 農薬に頼らない病害虫対策(学研 木嶋利男著)
半殺しが効かない害虫
甲虫類に「半殺し」は効果がありませんので、完全につぶして処分します。
-半殺しが効かない害虫-
🐞 テントウムシダマシ
🐞 カメムシ類
🐞 バッタ類
🐞 ウリハムシ など
引用 農薬に頼らない病害虫対策(学研 木嶋利男著)
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、青虫・アワノメイガ・ヨトウムシなどの駆除方法をご案内いたしました。
蝶と蛾の幼虫を瀕死の状態にして野菜の葉の上に置いておきますと、昆虫寄生菌が寄生し死滅します。
この方法は非常にためらいがありますが、畑全体に昆虫寄生菌が広がり、病害虫がしだいに減ってゆくということですので、わが家は昨年から半殺し対策を実践しております。
自然界の力を借りた害虫対策ですので、参考にしていただきましたら幸いです。
[参考文献]
[参考サイト]
昆虫寄生菌Verticillium lecanii (Lecanicillium spp.) によるダイコンバーティシリウム黒点病の生物防除
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