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感動の最終本「きのう、きょう、あした。」つばた夫妻から人生を学ぶ

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本日ご紹介します「きのう、きょう、あした。」は、こつこつと丁寧な暮らしをされている、つばた英子さんとしゅういちさんご夫妻の、感動の最終本です。

この本は最終章です。まだ一度も、つばたご夫妻の本をお読みになられていない方は、ほかの本からお読みになることをオススメいたします。

[参考記事] 本物の幸せ|つばたひでこさんの本「あしたも、こはるびより」

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「きのう、きょう、あした。」の構成

「きのう、きょう、あした。」は、160ページ。おもに10章でまとめられています。

・ようこそ、つばた家へ
・あたらしい朝がきた
・あきふゆ
・暮らしを取り戻す
・英子さんのお菓子と料理
・きのうからあしたへ
・はるなつ
・ちいさなノルマを毎日
・「あとみよそわか」に生きてきた
・まちさな

「ようこそ、つばた家へ」

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しゅういちさんが旅立ち、ひとりになった英子さん。

わたしは、映画「人生フルーツ」を鑑賞したあと、英子さんのその後の暮らしが気になっていましたが、ページを開くと英子さんの笑顔に迎えられ、ホッとしました。

しゅういちさんが遺した「言葉」に守られながら、英子さんの暮らしが紹介されています。

変わらない毎日の営み

しゅういちさんのコックピット、ベッド、椅子(アントニン・レーモンド氏の寄贈品)も、そして英子さんの静かな営みも、そのままです。

変わらないおもてなし

その日の気候に合わせて、英子さんのお茶からはじまるおもてなしも変わりません。

暑い日は冷えたレモングラスティー、寒い日は熱々のライムティーを。レモングラスやライムは、キッチンガーデンで収穫したものです。

家で採れたもので作ったお菓子でおもてなし。とても素敵ですね。

少しだけ新しく。

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しゅういちさんが旅立ち、ひとりになった英子さんを気遣われている娘さんが、英子さんのために暮らしの道具を揃えました。

母を思う心は、どの家庭でも同じですね。

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ちなみにアラジンの水筒」は、わたしも以前使っていました。落として中を割ってしまってしまったので、今は別のものを使っています。
英子さんの暮らしは、少しだけ新しい道具が取り入れられていました。

キッチンガーデンの再開

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しゅういちさんの「塩ぬき生活」を最優先にされていた英子さん。

すこし手が離れていた畑にも足を運ぶようになりました。

1日1時間と決めて、コツコツ畑仕事を始められました。

あたらしい朝がきた

しゅういちさんが旅立って、しばらくの間、どうしたら良いか分からなくなったという英子さん。

人のために生きてきた英子さんは、「暮らす指針」を失い、生活リズムが狂ってしまわれたことが綴られています。

体重が減ってしまったこと。

虚しさ。

しゅういちさんにお供えする「陰膳」に支えられ、英子さんはしゅういちさんの言葉を思い出します。

ひとりぼっちになった英子さんは、しゅういちさんの遺した「ある言葉」を思い出し、ゆっくりと前に進むきっかけとなりました。

あきふゆ

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秋と冬になり、英子さんのチャレンジが始まりました。

来年の収穫に向けて、キッチンガーデンのお世話です。これだけ広いガーデンをお一人で作業していることに、私は毎回驚いています。

冬のキッチンガーデンは、何もないように見えますが、じゃがいも、かぶ、大根、白菜など冬野菜がちゃんと育っています。

英子さんは天気の良い日に干し野菜を作って、長い冬の保存食として活用しています。

しゅういちさんお手製の農機具を大切に使う英子さん。姿は見えなくても、しゅういちさんの存在を感じます。

この章では、英子さんの大切な器が紹介されています。一目ぼれしたという九谷焼、古伊万里など、どれも英子さんが長い年月をかけて少しずつ集めたものです。

暮らしを取り戻す

2017年に映画「人生フルーツ」が公開され、英子さんの身のまわりは騒がしくなりました。

シエスタ(お昼寝)とキッチンガーデンの時間がなかなかとることが出来なくなり、おだやかな暮らしのペースが崩れてしまいました。

人が集まる場所へ赴くことが多くなった英子さんは「簡単な食生活」を余儀なくされ、身体が悲鳴を上げました。

この章では、英子さんの生活の変化による体調の変化、修一さん思い出、そして「始末について」、英子さんの一日の過ごし方が語られてします。

無駄を出さずに最後まで使い切ることを「始末する」といいます。これについての英子さんの語りは、とてもためになります。

英子さんのお菓子と料理

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この章は、英子さんの料理がカラー写真で掲載されています。

正確な分量が書かれていないところが、いかにも英子さんらしいのですが(笑)、今どきの「時短料理」は、ありません。

英子さんがつくるお料理は、とっても美味しそうですよ♪

きのうからあしたへ

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この章は、何度でも読み返したくなります。

英子さんの滋味深い「ことば集」とでも言いましょうか。

「時をためる」とは、どういうことなのか。「便利さに頼り過ぎないこと」「家族への思い」など。

英子さんは、「ものはいらない」と言います。しかし食事だけは絶対に大事といいます。お金はないけれど、畑と雑木林を家族に遺したいという強いお気持ちを英子さんは持たれています。

はるなつ

kinou,kyo,ashita (9) 春になり、英子さんはキッチンガーデンを始めます。まずは「土づくり」から。そして「種まき」と、英子さんも新たな春が始まりました。

この章は、春と夏のキッチンガーデンで収穫したものが紹介されています。

英子さんが長い年月をかけて培った野菜のお世話について詳しく書かれていますので、たいへん勉強になります。

しゅういちさんが大好きだったハブ茶も植えました。

しゅういちさんがペイントした黄色いクワで、キッチンガーデンを耕す英子さん。とても頼もしいです。

この章でも英子さんの「夏の器」が紹介されています。英子さんは季節で器を替えていらっしゃるんですよ。

ちいさなノルマを毎日

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夜、お布団の中で、あしたのことをボンヤリと考えるという英子さん。

小さなノルマを課して、翌日クリアにして、何となくスッキリするのだそうです。

英子さんの小さなノルマは多岐にわたります。

畑のこと、家の中のこと、手紙の返事を書いたり、買い物など。

1日で終わらせようとせず、小さなノルマを毎日少しずつ続けてゆけば良いというお考えです。

英子さんは水を汲み置くことも忘れません。この本を読んで、私も英子さんの工夫を真似しています。

英子さんは「食材の冷凍」をメインとされていらっしゃいます。なるほど、こうやって冷凍しているのね!と、勉強になります。

「あとみよそわか」に生きてきた

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この章では、しゅういちさんの「遺言」といえる言葉がまとめられています。

しゅういちさんは、「あとみよそわか」と、よくつぶやいていたそうです。

「あとみよそわか」とは、幸田露伴が娘の文(あや)によく口にしていた言葉です。

露伴は娘に、鍛練と呼べるほどの厳しさで、掃除を指導したときによく言っていたそうです。

「あとみよ」とは、「跡をみて、もう一度確認」、「そわか」は、「成就」を意味する梵語と言われています。

どんなにうまく出来たと思ったとしても、もう一度、自分の行った結果を確認することは大切なことである。

姿は見えなくなってしまったけれど、しゅういちさんの言葉は英子さんに、そして私たち読者に大きく響きます。

番外編「まちさな」

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ご紹介しています「きのう、きょう、あした。」の中に、番外編として「まちさな」というページが入っています。

「まちさな」とは、精神科病院、山のサナーレ・クリニックが運営している医療福祉の複合施設です。

この施設の設計を、しゅういちさんは無償で引き受け、手がけました。

まさに、しゅういちさんの最後の仕事でした。

しゅういちさんの思いがこもった複合施設が、紹介されています。

つばた夫妻の本について

英子さんとしゅういちさんの本をお読みになる方は、次の順番でお読みになることをオススメいたします。

[つばた英子さん・しゅういちさんの本]

1.あしたも、こはるびより
2.ときをためる暮らし
3.ひでこさんのたからもの
4.ふたりからひとり~ときをためる暮らし~それから
5.きのう、きょう、あした。

「あしたも、こはるびより」

英子さん83歳、しゅういちさん86歳の時に出版されました。しゅういちさんが設計した丸太小屋で暮らし、キッチンガーデンで野菜や果物を栽培されるお二人の素敵な生活が紹介されています。

「ときをためる暮らし」

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英子さんとしゅういちさんの暮らしについて、語り口調で綴られています。「あしたも、こはるびより」より、読み応えのある内容です。

「ひでこさんのたからもの」

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初版「あしたも、こはるびより」から4年経った、お二人の暮らしです。英子さんの愛用品、手料理など、写真を眺めているだけでも癒されます。

「ふたりからひとり~ときをためる暮らし~それから」

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ときをためる暮らしの続編です。心にしみる1冊です。

「きのう、きょう、あした。」

今回ご紹介している本です。つばた英子さん、しゅういちさんの感動の最終章です。お二人の言葉で学ぶことが、たくさんあります。

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まとめ:つばた夫妻からから学ぶこと

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今回ご紹介しています「きのう、きょう、あした。」で共感し、学んだことは、

・故人の遺した言葉で生きてゆく。
・人間は、自然と共存する。

英子さんが一人、健気に生きている強さに私はパワーをもらいました。

そして、自分の残りの人生を、いかにして生きてゆくか、ということを、改めて考えされられました。

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この記事を書いた人
カジトラ

関東在住の専業主婦です。
夫と二人暮らし。
2023年の春、海に近い地域に移住しました。

家族の介護、某シンクタンクで馬車馬のように働き詰めだった日々に区切りをつけ、現在は農学博士 木嶋利男氏が提案するコンパニオンプランツ栽培で野菜を育てています。

文明の利器を取り入れつつも、古き良きモノ・慣習を大事にしながら暮らしてゆくことを目指しています。

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