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本物の幸せ|つばたひでこさんの本「あしたも、こはるびより」

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あなたの、幸せな生活はどういうものですか?

これからの人生について考えなくちゃ・・・と思いながらも、私たちは毎日、毎日おなじ生活を繰り返して、具体的な想像をしていません。

でも、人生の節目節目で、私たちはこれからどうやって生きてゆこうかと、考えることがあります。

今の会社をやめて転職しようかと考えるとき、異国の地へ行って知らない文化に触れたとき、子どもが独立した時、パートナーと別れた時。

今、ちょうど私がその時期にいて、つばた英子さんとつばたしゅういちさんご夫妻の本「あしたも、こはるびより」に出合いました。

この本が出版されたとき、つばた英子さんは83歳、しゅういちさんは86歳でした。

お二人とも80台という年齢にもかかわらず、自宅の畑(キッチンガーデン)で野菜を作って仲良く暮らしています。

「あしたも、こはるびより」を読んで、わたしは自分自身のこれからの暮らしについて「大きなヒント」をもらったような気がします。

そして、「本物の幸せ」とは何かという事を、考えさせられました。

きょうは、つばた英子さん・しゅういちさんご夫婦の本「あしたも、こはるびより」を、ご紹介いたします。

この本が、あなたのこれからの人生の何かのきっかけになれば嬉しく思います。

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「あしたも、こはるびより」について

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「あしたも、こはるびより」は、2011年に株式会社 主婦と生活社から発行されました。

つばた英子さんとしゅういちさんご夫妻の本は、他にも何冊かありますが、出版された年を確認すると、この本が一番最初に出版されたようです。

1冊159ページ。ご夫婦の姿、キッチンガーデン(畑のこと)、ご自宅の中などの写真がふんだんに載っていて、「目で楽しむ」ことが出来きます。

この本の特徴は、つばたご夫妻の「暮らしぶり」が載っているだけです。人生についてのアドバイスは一切書かれてありません。

つまり、ご夫婦の暮らしをこの本で、自分がどう感じるかという本。

この「あしたも、こはるびより」に感銘を受けている方は多く、(Amazonの口コミをみました)読まれた方々のそれぞれが、「なにか」を、得ているのかと思います。

「つばた英子さん」と「しゅういちさん」について

英子さん(津端英子)

生まれ

キッチンガーデナー。1928年1月18日生まれ。O型。

愛知県半田の裕福な造り酒屋の娘として生まれ、身のまわりのことは全て「ねえや」がやってくれていたという深窓(しんそう)のお嬢様です。

結婚

サラリーマンのしゅういちさんと、お見合い結婚。

以来、「男の身勝手50年」と付き合うことになります。結婚後も、お金を見たことも持ったこともない生活が続きます(!)

常に夫を立て、支えてこられました。けんかは一度もしたことはないそうです。

好きなこと

畑、料理、編み物、機織り、刺しゅうなどの「手仕事」全般。

しゅういちさん(津端修一)

生まれ

1925年1月3日生まれ。B型。

愛知県岡崎市生まれ。建築家。東京大学第一工学部卒業。丹下健三のもとで、住宅問題の研究をテーマに卒業論文に取り組まれました。

建築設計事務所をへて、日本住宅公団勤務。2011年現在、高蔵寺ニュータウン(愛知県春日井市)の開発をはじめ、宅地造成を担当。

その後、広島大学教授などを歴任。

2015年6月2日、いつものように草取りをした後、横になって休みながら永眠。90歳。

趣味・得意なこと

ヨット。人生で5回遭難しかかりましたが、無事に帰還。

建築家の才能を発揮し、家や庭のデザインを担当。整理整頓が得意で、家の中が暮らしやすいように工夫しています。

この本は2011年に出版されたのですが、わたしがこの本の存在を知ったのは最近です。

お二人ともご高齢ということもあり、現在のご様子を心配していましたが、しゅういちさんは2015年に亡くなっていたことを知りました。大変残念です。

「あしたも、こはるびより」本文について

この本の構成は、「春夏秋冬」4つの季節ごとに、ご夫婦の暮らしが紹介されています。

つばた家の紹介

この土地にお二人がやってきたのは、1975年。はじめは石ころだらけの土地だったそうです。60年かけて、家のまわりの200坪の土地をキッチンガーデンに作り上げてゆきました。

お二人の家は、建築家のアントニン・レンモンド氏の家にならって建てられました。室内はおおよそ72平米のワンルーム。リビング、キッチン、寝室も1部屋で壁がありません。

「分ける必要もないから」という理由で、しゅういちさんはひとつの空間をつくりました。

お湯が出ない水道、換気扇が付いていない台所でも、英子さんはへっちゃらです。湯たんぽのお湯を使ったり、沸かしたお湯で対応。娘さん夫婦のお下がりの2口コンロと古いオーブンだけで、ご馳走を作ります。

電子レンジを好まない英子さんは、土鍋とせいろで食材を蒸しています。コンロの元栓は調理のたびに開け締めして火の用心。

でも、つばた家には冷凍庫がなんと5つもあるんですよ。台所仕事の合間にササっと作って、急なお客様用のためにストックしているそうです。

はる

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キッチンガーデンの土づくり、種まきをされる様子が写真付で載っています。しゅういちさんが作った名札や、クワやカマの木の部分はすべて「黄色」。とってもおしゃれなんですよ。

木から収穫したサクランボや苺をジャムにしたり、餅つきしてヨモギ餅を作ったり。すべて手作りで春の食材を楽しみます。

なつ

夏も精力的に活動しているお二人ですが、シエスタ(お昼寝)もしっかりされているようです。

大麦を収穫して脱穀、焙煎して手作りの麦茶を作ったり、らっきょうや梅干しを作ります。

また、家具の配置がえをして、風通しをよくしたり、寝具をウールから麻に変えたりして涼しくなるような工夫をされています。

しゅういちさんが、七輪で収穫したトウモロコシを焼いている姿が写真に載っていますが、とっても美味しそうです。

あき

柿、栗、ゆず、レモンなどを収穫します。しゅういちさんが会社員だった時代はお中元やお歳暮は一切してこなかったそうですが、この暮らしを始めてからは、好きな人に贈っているそうです。

収穫した果物は、栗きんとんにしたり、柚子ジャムなど美味しそう。

また、この季節は落ち葉ひろいに精を出して、たい肥を作る準備に取り掛かります。

ふゆ

冬になってもお二人が何もしない時間はありません。

畑の落ち葉を敷き詰めて、暖かくして春の芽生えの備えをしたり、家の手直し、根菜類を干して保存食を作ります。

見どころ・読みどころ

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もてなして、生かされている

つばた家は、キッチンガーデンで収穫した果物や野菜を、ジャムにしたり、梅酒を作ったりして、お嬢さん家族や知り合いの人にお裾分けしています。

こんなに広いキッチンガーデンをご高齢の二人で営むことはとっても大変。でも、とても楽しんでいらっしゃいます。

英子さんは、ご自宅に訪問するお客様に手作りのごはんでおもてなし。「みなさんから元気をいただいて。おもてなしのおかげで生活にはりが出て、逆に私たちの方が生かされていると感じるんです」。

しゅういちさんの整理整頓

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お二人の家は、きれいにすっきり片付いています。整理整頓の担当は、しゅういちさんです。英子さんのおもてなし料理をイラストして記録しています。

数字を使う

お二人の家は、誰でも片づけやすいような工夫がされています。

その心は「なるべくやさしく、わかりやすいく、簡単に」。

たとえば、農作業の小屋の中の箱に数字が書いてあります。箱に番号が書いてあると、「1番に●●が入っている」と、誰でも分かりやすくなるからですって。なるほどですね。

かたちを揃えて、並べる

しゅういちさんは、道具の色と形を揃えています。ペンキで「黄色」に塗られているものが多くて、とても可愛いです。同じ色で統一すると、雑然さがなくなって、雰囲気がとても良くなります。

同じ紙袋を並べたり、色を自分で塗って揃えること。見習うことがたくさんあります。

また、プラスチック製品を使うことを「美しくない」とおっしゃるしゅういちさん。畑の支柱も竹を使われたりしています。

名札を使う

つばた家は、黄色い名札が大活躍。キッチンガーデンの植物の名前を書いたり、気を付けることなども名札に記します。

つばた家の味

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英子さんの料理はシンプルだけど、美味しそう。取れたての野菜や果物に勝る「美味しいもの」は、他にありませんよね。

お菓子作りも得意な英子さんは、プリン、ケーキ、なんでも作ります。

しゅういちさんのベーコン

しゅういちさんは、ご自身がつくった「炉」で、ベーコンを作ります。男の料理ですね。

「炉」のつくり方と、ベーコンの作り方レシピが掲載されていますが、しゅういちさんのイラストを見ているだけで、とっても楽しいです。

強要しない

つばた夫妻の間には、「お互い、何事も強要しない」という暗黙の了解があるようです。

たとえば、野菜が苦手なしゅういちさんに英子さんは無理やり食べさせようとしませんし、しゅういちさんも英子さんが何かしたい、買いたいと言えば「どうぞ」「いいね」。

長いこと、夫婦生活を送っていると波風もあったに違いありません。

それを乗り越えてやってこられたのは、やはり相手への思いやりではないでしょうか。

ちょっと残念なこと

「あしたも、こはるびより」は、写真としゅういちさんの絵がふんだんに掲載されていて、大変素敵な本なのですが、2つだけ残念なことがあります。

全ページカラーではないこと

カラーと白黒写真が織り交ぜて作られているので、全ページカラーだったらもっと良かったなと思います。

レシピの分量がわからない

英子さんの美味しそうな料理は、作り方は書いてありますが、具体的な分量が載っていません。

ひでこさんは、「味見しながら、感覚で」というポリシーで調理されています。

味の好みは人によって違うからというお考えのうえで、あえて分量を掲載していないのだろうなあと、思います。

つばた夫妻の本について

英子さんとしゅういちさんの本は、「あしたも、こはるびより」の他にも出版されています。

下記の順番で、お読みになることをおすすめいたします。

1.あしたも、こはるびより
2.ときをためる暮らし
3.ひでこさんのたからもの
4.ふたりからひとり~ときをためる暮らし~それから
5.きのう、きょう、あした。

「あしたも、こはるびより」

本記事で、ご紹介している本です。

「ときをためる暮らし」

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英子さんとしゅういちさんの暮らしについて、語り口調で綴られています。「あしたも、こはるびより」より、読み応えのある内容です。

「ひでこさんのたからもの」

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初版「あしたも、こはるびより」から4年経った、お二人の暮らしです。英子さんの愛用品、手料理など、写真を眺めているだけでも癒されます。

「ふたりからひとり~ときをためる暮らし~それから」

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ときをためる暮らしの続編です。心にしみる1冊です。

「きのう、きょう、あした。」

つばた英子さん、しゅういちさんの感動の最終章です。お二人の言葉で学ぶことが、たくさんあります。

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まとめ

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自分たちで庭をつくり、畑を耕し、野菜を育てる暮らし。素朴でクラッシックではあるものの、「うらやましい」と思いませんか。

「あしたも、こはるびより」は、真の豊かさとは何かということを、考えさせられる本です。

つばた夫婦の暮らしは、私にとってまさに理想で、本物の幸せを感じます。

・自分で野菜や果物を作ること

・丁寧に生きること。奉仕を惜しまない精神

・「もの」へのこだわり、愛情。

・ふたりの尺度で暮らすこと。押し付けない。束縛しない。

人生の先輩の生活を垣間見ると、何かヒントを得られます。

何よりも「良質な時間を楽しみながら年を重ねてゆく」ことが、私たちが目指していることではないでしょうか。

「あしたも、こはるびより」は、写真がふんだんに使われているので目で見る楽しみがある本です。

こうやって生きなさいという指南本ではありませんが、「自分の人生、これからどうしようか」と、考えさせられます。

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この記事を書いた人
カジトラ

関東在住の専業主婦です。
夫と二人暮らし。
2023年の春、海に近い地域に移住しました。

家族の介護、某シンクタンクで馬車馬のように働き詰めだった日々に区切りをつけ、現在は農学博士 木嶋利男氏が提案するコンパニオンプランツ栽培で野菜を育てています。

文明の利器を取り入れつつも、古き良きモノ・慣習を大事にしながら暮らしてゆくことを目指しています。

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