農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ナスの育て方「種まき・土づくり・植え付け・追肥・更新剪定」のポイントについて、ご案内いたします。
ナスの原産地は、高温多湿の樹林帯です。
木嶋先生によりますと、家庭菜園においても 原産地のような環境で育てますと、美味しく育ちますので、参考になさってください。
ナスの育て方|種まき・土づくり・植え付け・追肥・更新剪定の栽培ポイント
ナスの原産地
※ 画像はイメージです
ナスの原産地は、東南アジア(現在のインド東部あたり)の樹林帯で、川や沢沿いの開けた明るい場所に原種が自生しています。
原種のナスは、落ち葉が積もって土砂が崩れたような場所にタネを落とし、水脈を探って根を深くまで下ろしています。
日本への伝来
ナスは、東南アジア、アジア大陸を経て日本に渡り、奈良時代にはすでに栽培されていたと言われており、各地に広まったのは江戸時代です。
ナスは栽培のしやすさ、地域の食文化に溶け込んで、多くの伝統品種が誕生しました。
原産地の様子からも分かりますように、養水分がある河川沿いで、美味しいナスがなります。
ナスの品種
温暖で栽培期間が長い西南暖地では「長実」「大実」タイプの品種、北方では「丸実」「小実」タイプの品種が多い傾向があります。
ナスの種まき
温室で育てる方法をご紹介いたします。
一般地で 3月頃、育苗箱に種を筋まきし、23~28℃前後の温室で育苗します。
本葉が1枚のときに、ポリポット等に移植して、本葉6~8枚の苗に仕上げます。
土づくり
砂質の畑 | 壌土の畑 | 粘土質の畑 | |
畝の高さ | 20cm以上 | 30cm | |
元肥 | 壌土の2割増 | 完熟堆肥、油粕など | 壌土の2割減 |
追肥 | 葉の色が淡くなってきたら油かす・米ぬか等を株元に施す |
原産地の様子から、ナスは水と養分を好みますので、根を畝全体に張り巡らせられるような畝をつくります。
苗を植え付ける20日以上前に、畑を60cm掘り下げ、完熟堆肥や油かすなどをよく混ぜて耕します。
そして、高さ30cm以上の高さの畝をつくり、微生物相を安定させておきます。
植え付け
※ 空気がブクブクと抜けるまで水に浸します。
ナスをはじめとする夏野菜の苗は、晴天の午前中に植えつけるとよく育つと言われています。
苗を植え付ける早朝、水を入れたバケツにポットごと浸けて、たっぷり吸水させます。
吸水させたポットを日陰に3~4時間ほど置いて、植え付けます。
2本仕立て(3本仕立て)で育てます。
V字形に支柱を立てて育てます。
追肥
ナスは次々と実を付けますので、養分を欲します。
葉が淡い色になりましたら、畝の土壌全体にボカシ肥や米ぬか等を施します。
ナスの切り戻し
ナスは、収穫盛期を過ぎますと、脇芽が伸びてこなくなります(実が付かなくなってきます)。
そこで、最盛期のころ(一般地でお盆前)に、葉を数枚残してすべての枝を切断し、枝を切った分だけ根もシャベルなどで切断します。
そして、ボカシ肥や米ぬか等をほどこします。
すると、株が若返り、再び新芽が伸びて花が咲き、実がなります。
これを、「ナスの切り戻し」「ナスの更新剪定」などと呼んでいます。
切り戻しが成功した場合、霜が降る頃まで美味しい秋ナスを楽しむことができます。
2022年は 更新剪定が成功して、11月末まで収穫することが出来ました。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ナスの育て方「種まき・土づくり・植え付け・追肥・更新剪定」の栽培ポイントについてご案内いたしました。
原産地のような環境で育てたナスは瑞々しく美味しくなると言われていますので、参考になさってください。
[参考文献]