枝豆を収穫した後の残渣(ざんさ=枝、葉、根)の処理はどうすれば良いかしら。と、悩まれたことはないでしょうか。
枝豆の枝は意外にかさばりますので処分が厄介ですね。
家庭菜園やプランターで枝豆を栽培した後の残渣処理は、捨てずに土の中に入れておくのがおすすめで、私が利用しているサポート付き貸農園「シェア畑」で教えてもらった方法です。
本日は、「枝豆の残渣を土に入れておくと良い理由」と「その方法」についてご紹介いたしますので、ご参考になさってください。
土を肥沃にする「枝豆」
枝豆を収穫した後の土が、フカフカと柔らかくなっていると思われたことはないでしょうか。
これは枝豆の根が土を肥沃にしたためです。
枝豆の根は、「根粒菌」という土壌微生物が共生します。共生菌は空気中の窒素を取り込み、養分に変える働きがあります。
根粒は一定の期間で枝豆の根から脱落して分解され 土に豊富な養分を供給するため、土がフカフカになります。
枝豆収穫後のおすすめの処理
私は、現在利用しているサポート付き貸農園「シェア畑」で、収穫した枝豆の枝や根を畑のウネの上や通路に置いておくことをすすめられました。
枝豆を収穫した後の残渣(根、葉、茎)は、処分しないで土の上に置いておいたり、土に鋤き込んで土づくりに活用しますと、次に栽培する野菜は少ない肥料で生長が促進すると言われています。
この章では、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている処理方法を具体的にご案内いたします。
枝豆収穫後の処理
1.枝豆を収穫した後 株元を切り、根っこを土の中に残します。
地上部の茎や葉も処分せず、その場に残しておきます。
2.後作野菜の土づくり
次に栽培する野菜の土づくりを行います。
クワで深さ10~15cmほど軽く耕します。この時、根っこと茎・葉を一緒に鋤き込み、ウネを立てます。
枝豆の根は意外に深く、土の中に残ったままになりますが、無理に掘り起こさなくても大丈夫。次第に分解されて、次の野菜の通り道になりますのでご安心ください。
3.3週間かけて分解させます
枝豆栽培の時期は気温が高いので、根や残渣(茎や葉)は2週間程度で分解されます。
このとき微生物が一気に増えますが、2~3週間後には分解が終わり、土の微生物相が安定します。
そして3週間後には、次の野菜の植え付けに利用しやすい土の状態になっています。
4.分解された有機物で次の野菜が良く育ちます
3週間後の土は 有機物が十分に分解されています。良質な土に植え付けた苗や種は、生育が良くなります。
枝豆の後作はマメ科はNGです
枝豆を栽培した後の土で、マメ科の野菜を育てるのは避けましょう。
同じ場所で、同じ科の作物を繰り返して栽培することにより、次第に生育不良となってゆく現象を「連作障害」と言います。
連作すると栄養が偏ってしまいます
同じ土で同じ科(マメ科)の野菜を続けて栽培しますと、土の中の栄養分が偏り、生長に障害をもたらす場合があると考えられています。
連作すると病害虫が増えてしまいます
連作を続けますと、栄養の偏りだけでなく土の中にひそむ微生物にも偏りが生じてバランスが崩れてしまいます。
そのため野菜は、深刻な病害虫による被害を被る可能性があります。
枝豆の後作に特におすすめの野菜は?
枝豆を栽培した後の土は、根粒菌の働きで(何もしなくても)肥沃になっています。
それに加えて 枝豆の根や残渣を鋤き込んだ土は、より栄養が豊富になり、後作の野菜が良く育ちます。
枝豆の後作に良いと言われている野菜はたくさんありますが、木嶋先生は特に「ハクサイ」「ニンジン&ダイコン」をおすすめされています。
ハクサイ
ハクサイは比較的栄養を必要とする野菜で、肥沃な土の栽培が適しています。
しかしながら肥料過多の土は、害虫が付きやすくなるという悩ましさもあります。
枝豆を栽培した土にハクサイの苗を植え付けますと、幼い苗のうちから豊富な養分を吸収することが出来ますので 葉が大きく成長して結球しやすくなります。
ニンジン&ダイコン
ニンジンとダイコンをミックス栽培するのもおすすめです。
どちらも肥料をあまり必要としない野菜ですので、枝豆栽培後の肥沃な土で十分よく育ちます。
また、ニンジンとダイコン同士がコンパニオンプランツとなり、それぞれに付きやすい害虫を忌避する効果も期待できます。
まとめ
枝豆を収穫した後の残渣処理について、ご紹介いたしました。
夏野菜の時期は、炎天下での作業になりますので片付けも重労働ですね。
枝豆の残渣を捨てずに土にすき込みますと ゴミに出す労力がなくなるうえ、土が肥沃になります。
家庭菜園だけでなく プランターで枝豆を栽培されている場合も同じ効果がありますので、おためしになってみてくださいね。
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野菜づくりBOOK
木嶋利男著「育ちがよくなる! 病害虫に強くなる! 植え合わせワザ88 決定版 コンパニオンプランツの野菜づくり」