農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ネギの育て方についてご案内いたします。
土づくり・土寄せ・美味しく育てる栽培ポイントについてお伝えいたしますので、参考になさってください。
ネギについて
ネギについて
ネギは多年草で、冬を越して春に花が咲くリズムを持っていて、夏には休眠します。
ネギの原産地
※ 画像はイメージです
ネギの原産地は、現在の中国西部のステップ草原で、背の低い草で覆われた遊牧が行われているような冷涼な平原です。
ネギの原種は、川や湖から少し離れた周辺部に、ニラのような姿をしたものが草の中で自生しています。
日本への伝播
華北系(下仁田ネギ)
華南系(九条ネギ)
ネギの歴史は古く、平安時代の「延喜式」に記載されているのだそうです。
ネギの日本への伝播は、2系統に分かれます。
華北で育てられていた長ネギタイプは、朝鮮半島や渤海湾を経由して北陸や東北地方に渡ってきました。
北方から伝播した系統は寒さに強く、埼玉の深谷ネギ、群馬の下仁田ネギが生まれました。
一方で、華南で育てられてきた葉ネギタイプは、沖縄や九州の福岡あたりに伝わりました。
南方から伝わった系統は暑さに強く、京都の九条ネギ、大阪の難波ネギなどの葉ネギが生まれました。
※ 延喜式 平安時代中期に編纂された格式。
ネギの育て方|土づくり・土寄せ・美味しく育てる栽培ポイント
土づくり
ネギの根は 酸素を欲する性質があり、土の表層部分にびっしりと張り、養水分を吸収して根に養分を貯蔵します。
元肥は1㎡あたり、完熟牛ふん堆肥を2kgと米ぬかを200gを畝にまいて、浅い部分にすき込みます。
なお、普段 野菜を栽培している畑であれば、表層部分にリン酸が十分にありますので、骨粉は要りません。
元肥に牛ふん堆肥を使う理由は、牛ふん堆肥には硫黄が含まれているからです。
ネギ類は、硫黄を吸収して辛み成分をアリシンをつくり、ネギらしい食味になります。
粘土質の畑 | 砂質の畑 | |
畝の高さ | 溝を掘って植えて、土を寄せながら育てます。ネギは最終的に溝底から30cmほど土を盛ります。 | |
元肥 | 完熟牛ふん堆肥2kg/㎡の2割減 | 完熟牛ふん堆肥2kg/㎡の2割増 |
追肥 | 米ぬか30g/㎡を通路にまいて土を寄せます。根を切らないよう気を付けます。 |
ネギの種まき・苗の定植時期
種をまく時期(秋のお彼岸)
苗を植える時期(桜の開花)
秋まきのネギは、中間地では9月のお彼岸の頃から10月いっぱいまで種をまくことができます。
苗の植え付けは翌年の春で、桜の開花が目安です。
ネギ苗の植え方
溝を掘り、ネギの苗を立てかけて並べ、根に少量の土をかけてワラを敷きます。
その後、ネギの生長に合わせて、3~4回ほど土寄せをし、最終的に溝底から30cmほど土を盛り上げます。
土を盛るたびに、ネギは上の方へ根を伸ばして根の量を増やします。
ネギの追肥
ネギの追肥は、土寄せのタイミングに行います。
1回につき、1㎡あたり30gの米ぬかを通路にまいて土を寄せます。
ネギの収穫
秋まきのネギは、翌年の夏から収穫を始めます。
美味しいネギを育てるポイント
木嶋先生は、梅雨が明ける7月末に、いったん全てのネギを掘り上げて干し、葉と根を切って植え直すことをおすすめされています。
葉と根を切ることにより、ネギは再び生長が始まり、秋冬に美味しいネギを収穫することができます。
ネギをすぐに食べる場合 | 秋冬に食べる場合 |
5本ほど まとめて植え直すと、やわらかく美味しいネギを食べられます。 | 5cm間隔て植え直します。掘り上げた畝に改めて溝を掘り、春の定植と同様にネギを並べて育て、4~5日後に葉が立ちあがったら一気に土寄せします。 |
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ネギの育て方についてご案内いたしました。
梅雨入り前に収穫したネギを干して、再び植える方法につきましては関連記事を参考になさってください。
[参考文献]
[関連記事]