古くなった枝豆の種の発芽率を上げる方法を、ご紹介いたします。
枝豆は、採種してから2年を過ぎたころから発芽率が急速に低くなると言われています。
そこで昔の農家さんは 古くなった枝豆の種の発芽を促すために、あるものと一緒に種まきをしていました。
このやり方は、私たちが行っている家庭菜園でもおためしいただける方法ですので、参考になさってください。
枝豆の古い種の発芽率を上げる方法|昔農家さんから学ぶ伝承農法
古い枝豆の種の発芽率が低くなる理由
農学博士の木嶋利男先生によりますと、枝豆の種には 油脂分が多く含まれており、そのため保存の状態が良くないと油脂分が変質し、採種から2年を過ぎると発芽率が急激に低下しますと紹介されています。
古い枝豆の種の発芽率を上げるもの
昔農家さんは、古い枝豆の種と一緒に「キュウリの種」をまいて、発芽を促していたのだそうです。
木嶋先生によりますと、キュウリの種には まわりの植物の発芽をうながす「発芽促進物質」をつくりだす性質があるため、他の植物を発芽させて その植物に自分のツルヒゲを絡ませながら生長してゆきます。
キュウリの性質を活かした伝承農法
発芽促進物質をつくりだすキュウリの性質を利用したのが、古い枝豆の種まきです。
いっしょに種まきをすることにより、枝豆の発芽率が上がり、その後の生育も良くなります。
古い枝豆の種とキュウリの種をまくポイント
木嶋先生が紹介されている、古い枝豆の種とキュウリの種をまく2つのポイントについて、ご案内いたします。
1.枝豆と枝豆の真ん中にキュウリの種をまく方法
キュウリの種を挟むように、2~5cmほどの間隔で枝豆の種を両側にまきます。
2.1つの穴に混ぜてまく方法
枝豆3粒、キュウリ1~2粒を 一ヶ所に点まきする方法も発芽率が上がります。
枝豆が発芽したときに行うこと
同時に種をまきますと、枝豆は3~4日で発芽し、キュウリは1週間~10日ほどで芽を出します。
キュウリは発芽した枝豆の生育を抑制してしまいますので、一緒に育てず切り取ることがポイントです。
枝豆の発芽を確認後、キュウリの株は株元でカットし、枝豆は本葉2枚のときに間引いて2本にします。
キュウリの株元にまいてもOK
すでに栽培しているキュウリの株元に、古い枝豆の種をまいて育てることも出来ます。
キュウリは浅根でウネの全体に広がっていますので、根っこを傷めないようにキュウリの株元から10cmほど離れたところに1か所3粒 点まきします。
枝豆の根は深く張りますので、キュウリの根と競合することはありません。
応用できる古い種の種まき
古い枝豆の種を発芽させるのに キュウリの種のほかに、ウリ科野菜の種を使うことも出来ます。
ウリ科野菜の例
・メロン
・スイカ
・ズッキーニ
・マクワウリなど
まとめ
古くなった枝豆の種の発芽率を上げる方法をご紹介いたしました。
このやり方は、昔農家さんが行っていた伝承農法で、他の植物の発芽を促すキュウリの性質を活かした種まきです。
枝豆の種の状態によってはあまり発芽しない場合もあるかもしれませんが、実験気分でおためしになってみられてはいかがでしょうか。
[参考文献]
木嶋利男著「伝承農法を活かす 野菜の植えつけと種まきの裏ワザ」
木嶋利男著「昔農家に教わる 野菜づくりの知恵とワザ」
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