ほうれん草の後作に良い野菜をご紹介いたします。
遅めの秋に種まきしたほうれん草は、越冬させて翌年の1~3月に収穫することが出来ます。
この時期は温度が低いので、土の微生物による有機物の分解がゆっくりです。そのため土の養分があまり使われることがなく、肥料が土に残ります。
これを活かして、後に植える野菜は肥料なしでも生長が促進します。
厳寒期のほうれん草は、とっても甘くて美味しいですね。次につなげる後作の野菜も元気育ちますので、ご参考になさってください。
ほうれん草の後作に良い野菜「ブロッコリー」
ほうれん草は、10月上旬~中旬に種をまくと、とくに保温をしなくても翌年の1~2月の真冬に収穫することができます。
また、11~12月に種をまいて、ビニールトンネルをかけて栽培すると、3月に収穫することも出来ます。
農学博士の木嶋利男先生によりますと、この時期は温度が低く、微生物による有機物の分解もゆっくりなので、肥料分を多めに施して栽培する必要があるそうです。
その結果、ほうれん草を収穫した後は、使われなかった肥料分が土に多く残りがちになります。
そこで春に、たい肥や元肥を与えずに、ほうれん草の枯れた下葉や根などを鋤き込んでウネを立て直して、夏どりのブロッコリーを栽培します。
ブロッコリーは、土に残った肥料だけで十分よく生長します。
木嶋先生によりますと、ほうれん草の残渣などの未熟な有機物で、ブロッコリーの根が傷む心配もほとんどないそうです。
ほうれん草からブロッコリーのリレー栽培ポイント
品種選び
ホウレンソウ
春どり用の品種が育てやすいです。
ブロッコリー
春まき夏どり向きの品種を選びましょう。
ほうれん草の栽培
土づくりなど(例:ウネ幅70cm、高さ10cm)
🍃 種まきの3週間前までに完熟たい肥とぼかし肥(または牛ふんと鶏ふん)などを施して、ウネを立てます。
🍃 酸性の土の場合は、石灰分を施して中和させましょう。
🍃 種まきの時期は地域によって前後しますが、11~12月です。12月中旬にビニールトンネルをかけます。
🍃 ウネ幅70cmの場合を例にしますと、4列植え・1cm間隔で条まきしながら育てましょう。
🍃 間引き
・本葉1枚で株間3~4cm、
・草丈が5~6cmで株間6~8cmに間引きます。
🍃 追肥
2月上旬にぼかし肥(または鶏ふんなど)を追肥します。
🍃 収穫
草丈が25cmくらいになったら収穫します。2月中旬までの寒締めが美味しくなります。お彼岸を過ぎるとトウが立ちやすくなってきます。
ブロッコリーのリレー栽培
土づくりなど(ウネ幅70cm、高さ10cm)
🥦 たい肥や元肥は施さずに、軽く耕してウネを立てます。
🥦 ブロッコリーの植え付け
2月中旬~3月上旬に種をポリポットなどにまいて、種を育てておきます。3月下旬~4月上旬に本葉5~6枚で植え付けます。
🥦 追肥と土寄せ
植え付けの3週間後に、ウネの片側にぼかし肥(または鶏ふん)を追肥して土寄せをします。さらに3週間後にもう片側に追肥して土寄せをします。生長を観察しながら必要であれば、追肥を行い、不要であれば土寄せだけします。
🥦 収穫
春まき夏どりの場合は、植え付けてから60~70日で収穫することが出来ます。
ほうれん草の後作に良い野菜「ダイコン、ゴボウ」
ダイコン
ゴボウ
ほうれん草の後作に良い野菜は、肥料分が比較的少なくてもよく育つダイコンやゴボウも適しています。
ただし、ほうれん草の残渣を鋤き込んで土づくりをすると、お肌が汚くなる場合があるので、取り除いて耕しましょう。
まとめ
厳寒期の土は、微生物による有機物の分解がゆっくりなので、肥料が土に残りがちです。
冬期の土の特性と、少ない肥料でもよく育つブロッコリーの特性を活かした栽培方法をご紹介いたしました。
私が今利用しているサポート付き貸農園「シェア畑」で、ほうれん草を栽培していますが、冬のほうれん草は甘くてほんとに美味しいですね。
ほうれん草を収穫した後は、土づくりで肥料要らずのブロッコリーを栽培してみてはいかがでしょうか。
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[参考文献]
野菜づくりBOOK(サポート付 貸農園 シェア畑)