農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、コマツナのコンパニオンプランツと、栽培のポイントについてご案内いたします。
アブラナ科のコマツナは、アオムシやアブラムシの食害を受けやすい野菜ですが、ある野菜と一緒に育てますと、害虫を寄せ付けず、病気予防の効果を発揮すると言われていますので、参考になさってください。
コマツナ(小松菜)のコンパニオンプランツ
コマツナ(小松菜)のコンパニオンプランツに最適な作物
作物 | 科 | 期待できる効果 | |
リーフレタス、 春菊など |
キク科 | 害虫忌避 | |
ニラ | ヒガンバナ科 | 害虫忌避 | |
ニンジン | セリ科 | 害虫忌避 | |
アカザ、シロザ | アカザ科 | 害虫忌避、 畝の保湿 |
農学博士の木嶋利男先生は、コマツナに付きやすい害虫を忌避する効果のある作物は、キク科の野菜、ヒガンバナ科のニラ、セリ科のニンジン、畑に生える草のアカザ・シロザと紹介されています。
コマツナ(小松菜)のコンパニオンプランツ「リーフレタス」
害虫忌避の効果
キク科のリーフレタスを、コマツナのコンパニオンプランツとして栽培しますと、害虫が寄り付かなくなる効果があると言われています。
アオムシやコナガの幼虫は、コマツナをはじめとするアブラナ科の野菜が好物で、親であるモンシロチョウやコナガが葉っぱに卵を産み落とします。
そこでリーフレタスをコマツナのそばに植えますと、モンシロチョウやコナガはリーフレタスの独特の香りを嫌がり、寄り付かなくなると言われています。
またコマツナはアブラムシも付きやすい野菜ですが、リーフレタスが防除に有効です。
害虫忌避の効果をさらに上げる方法
モンシロチョウやコナガは、赤い色を嫌う性質があると言われていますので、赤い葉のサニーレタスを混ぜて植えますと より効果が高まると言われています。
応用できるアブラナ科とリーフレタスのコンパニオンプランツ栽培
リーフレタスは、ほかのアブラナ科野菜のコンパニオンプランツとしても、応用することが出来ます。
・チンゲンサイ
・カブ
・ミズナ
・ルッコラなど
これらのアブラナ科野菜もリーフレタスと一緒に育てますと、コマツナと同様、 モンシロチョウやコナガが寄りつかなく効果があります。
キク科の野菜の応用栽培
リーフレタスの代わりに、キク科のシュンギクをコンパニオンプランツにすることも出来ます。
シュンギクを栽培されたことがある方は、そういえば虫の被害があまりないと思われたことはないでしょうか。
モンシロチョウやコナガは、シュンギクの独特な香りも嫌いますので、寄り付かなくなります。
上は、コマツナとシュンギクを一緒に育てている写真です。
10月下旬ということもあり害虫が少なくなる時期ではありますが、防虫ネットを張らなくてもどちらも元気に育っています。
コマツナとリーフレタスのコンパニオンプランツ栽培のポイント
ウネの1列目にコマツナ、2列目にリーフレタスのように、列ごとに植え替えますと、害虫忌避の効果が高まります。
秋の栽培はレタスを先に!
気温が高い季節は、害虫の被害が甚大ですね。
秋にコマツナを栽培する場合、先にレタスを植えて株を大きく育てておきますと、害虫を寄せ付けない効果がアップします。
コマツナ(小松菜)のコンパニオンプランツ「ニラ」
コマツナのそばに「ニラ」を植えますと、害虫忌避と病気予防に効果があると言われています。
ダイコンサルハムシからコマツナをガード!
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秋にコマツナを栽培されたことがある方は、葉っぱのいたるところに小さな穴が空いてしまったというご経験はないでしょうか?
これは害虫「ダイコンサルハムシ」の食害によるものかもしれません。
ダイコンサルハムシは アブラナ科の野菜に付きやすい虫で、コマツナの葉っぱの上に、4~5ミリほどの小さな黒い虫を見つけたら、ダイコンサルハムシの可能性があります。
ダイコンサルハムシは、退治しようと手を近づけると葉っぱから落ちて逃げてしまい、駆除するにも面倒で悩ましい害虫です。
ニラの香りで害虫をシャットアウト
ダイコンサルハムシはニラの香りを嫌いますので、コマツナとニラの混植でダイコンサルハムシが寄り付かなくなります。
応用栽培できるアブラナ科野菜とニラの組み合わせ
ニラは、ほかのアブラナ科の野菜にも応用して栽培することが出来ます。
[アブラナ科の野菜例]
・キャベツ
・ブロッコリー
・ハクサイ
・チンゲンサイ
・ミズナ
・カブ
・ダイコン など
ニラを使ったコンパニオンプランツ栽培のポイント
※ わが家は、ニラをバラして植えて、少しずつ株を増やしています。
ニラを1か所に3株まとめて植えますと、ニラどうしが助け合ってよく育ちます。
ニラが伸びたら刈り取ります!
ニラが伸びてきましたら、株元から3センチあたりのところで刈り取るようにします。
ニラは、切り口から液体が出ますが、このにおいをダイコンサルハムシが嫌がります。
刈ったニラは、もちろんお召し上がりいただけますが、傷んだニラの場合は処分せず、コマツナのウネの上に敷いておくだけでも害虫忌避の効果を発揮します。
夏に美味しいニラを育てるコツ
夏の暑い時期に育っているニラは、葉がかたくてあまり食べる気がしないかもしれません。
それを刈り取り、コマツナのウネに敷いておきますと、コマツナの生育初期の害虫対策になります。
また固い葉っぱを捨て刈りすることにより、やわらかくて香りの高い葉を収穫することが出来ます。
コマツナ(小松菜)のコンパニオンプランツ「ニンジン」
ニンジンも、コマツナにとって強い味方のコンパニオンプランツです。
コマツナとニンジンを同じウネで混植しますと、ニンジンに付きやすいキアゲハの飛来を防ぐことができます。
さらに、コマツナに付きやすいモンシロチョウやコナガの幼虫、アブラムシによる被害を抑えることができますので野菜全体の害虫による被害が少なくなります。
コンパニオンプランツ栽培で害虫が寄り付かなくなる理由
コマツナはアブラナ科、ニンジンはセリ科と「科」が異なり、それぞれの野菜に寄ってくる害虫が違います。
別種の害虫は 互いを避ける性質があるため、野菜全体に害虫が寄り付かなくなります。
コマツナとニンジンのコンパニオンプランツ栽培のポイント
ニンジンの栽培期間は、種まきから収穫まで100~120日程度です。
一方でコマツナは40~60日と栽培期間が短いため、ニンジンの栽培期間と重なるように時期をずらしながら種まきします。
葉が触れ合う距離で育てます
コマツナ(アブラナ科)とニンジン(セリ科)は、科が異なりますので互いの害虫を避けることができますと述べましたが、双方の葉っぱが触れ合う距離で育てますと、より効果が高まります。
ニンジンの葉っぱは細かいため、コマツナの成長の妨げにならないのも大きなメリットです。
コマツナ(小松菜)のコンパニオンプランツ「アカザ・シロザ」
アカザ
シロザ
害虫予防とマルチの役目
木嶋先生は、畑に生える草「アカザ・シロザ」も、コンパニオンプランツとしておすすめされています。
アカザ科のアカザとシロザは ホウレンソウに近い仲間で、アブラナ科の害虫忌避に役立ちます。
これらは地表を覆うように生えますので、マルチの代わりとして保湿やほかの雑草の防除にもなります。
ただし、放任しておきますと草丈が高くなりますので、コマツナが日陰になるようでしたら株元で切り詰めると良いでしょう。
まとめと実証
農学博士の木嶋利男先生が紹介されているコマツナのコンパニオンプランツと、栽培のポイントについてご案内いたしました。
上の写真は、5月に収穫したコマツナです。
多少の虫食いはありますが、リーフレタスや春菊との混植で、モンシロチョウが盛んに飛び始める春でも防虫ネットを張らずに育てています。
コンパニオンプランツ栽培は、コマツナを単体で育てるよりメリットがありますので、参考になさってくださいね。
[参考文献]
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