農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、オクラのコンパニオンプランツ栽培について ご案内いたします。
オクラを単体で育てるより、別の植物と一緒に栽培しますと 両方の生育が促進する効果があると言われています。
今回は、オクラを収穫した後、草丈が高くなった茎を抜かずに、次の栽培に有効利用する木嶋先生の裏技もご紹介いたします。
オクラのコンパニオンプランツ栽培「マメ科の野菜」
オクラと相性の良い「マメ科の野菜」
エンドウ
エダマメ
インゲン
農学博士の木嶋利男先生は、オクラとマメ科野菜を混植しますと、生育が促進する効果があると紹介されています。
🌱 エンドウ
🌱 エダマメ
🌱 インゲンなど
土を肥沃にする「マメ科の野菜」
マメ科野菜の根は根粒菌が付いています。この菌は空気中の窒素を取り込んで、土を肥沃にする働きがあります。
土が肥沃になりますと、オクラとマメ科野菜 双方の生育が促進し、ほどこす肥料が少量で済みます。
空間を有効に利用できます
※ オクラとエダマメのコンパニオンプランツ栽培
オクラは根っこを深く張って生長し、一方でマメ科の野菜は 一般的に根の張りが浅いため、地面の中を立体的に使うことができ、互いの根張りをさまたげることはありません。
またオクラは草丈が高くなりますが、特に枝豆は低い草丈で育ちます。すると互いが日陰になることなく生長を邪魔し合いませんので、空間を有効に利用することが出来ます。
オクラのコンパニオンプランツ栽培「シソ」
オクラのコンパニオンプランツは「シソ」も有効です。
害虫を寄せ付けない効果
※ オクラの葉を食害するフタトガリコヤガ
オクラはアブラムシ類やカメムシ、フタトガリコヤガが付きやすい野菜ですが、シソをそばに植えますと、害虫たちはその独特の香りを嫌がり寄ってこなくなります。
オクラのコンパニオンプランツ栽培「マリーゴールド」
※ オクラとマリーゴールドのコンパニオンプランツ栽培
家庭菜園でおなじみのマリーゴールドも、オクラとの混植が効果的です。
土に潜むセンチュウ
オクラは「センチュウ(線虫)」という寄生虫が付く場合があります。
センチュウは線形動物の総称で、土の中のどこにでも住んでおり、オクラの根に穴を開けて中に侵入します。
センチュウに寄生されたオクラは根にコブができたり 根腐れを起こすなどの症状があらわれ、次第に収穫量が減って最終的には枯れてしまうことがあります。
センチュウの寄生を防護する効果
センチュウ類は見つけて殺すことが困難ですので、被害を受けないよう防護する必要があります。
マリーゴールドは、根から侵入したセンチュウに殺虫物質を分泌して殺傷する力がありますので 大変頼もしいコンパニオンプランツです。
なおマリーゴールドは、細かくカットして畑にすき込みますと、センチュウを防ぐ効果が発揮されますので、おためしになってみてください。
センチュウに効果的なマリーゴールドの品種
アフリカン種
フレンチ種
木嶋先生は センチュウに効果的な品種は、フレンチ種より「アフリカン種」をおすすめされています。
アフリカン種は草丈が70~100cmほど高くなり場所をとりますので、オクラとぶつからないよう植えるのがポイントです。
バンカープランツとしても役立つマリーゴールド
マリーゴールドをウネの周りや通路に植えておきますと、センチュウの防除だけでなく、バンカープランツ(おとり作物)として益虫(テントウムシなど害虫の天敵)を増やす効果があります。
オクラのコンパニオンプランツ栽培「ヒマワリ」
オクラより大きくなるヒマワリを「壁」にして栽培する方法もあります。
オクラの風よけ効果
草丈が高くなるオクラは、台風などの強風で倒れてしまうことがあります。
そこで風が逃げるよう ヒマワリを風上と風下に植えて障壁を作っておきますと、オクラの倒壊や傷みを防ぐことが出来ます。
上はシェア畑で栽培したオクラが台風で倒壊してしまった写真です(涙)。
訪花昆虫を呼び寄せる効果
ヒマワリの花にはミツバチなどの訪花昆虫がやってきますので、オクラの受粉の手助けをしてくれます。
害虫も来きますが天敵も来ます
オクラに付く害虫は、アブラムシ類やカメムシ、フタトガリコヤガなどですが、コンパニオンプランツのヒマワリが壁となり、害虫の侵入が少なくなると言われています。
コンパニオンプランツ栽培は、害虫を完全に防ぐことは難しいですが、それをエサとする天敵もやってきますので、畑の環境が少しずつ変わってゆきます。
少ない肥料で生長促進
木嶋先生は、ヒマワリの根は土の中の不溶性リン酸分を溶かして、オクラが吸いやすい状態に変える能力があると述べられています。
したがいまして、少ない肥料でもオクラの生長促進を期待することができます。
オクラのコンパニオンプランツ栽培「ナス」
※ オクラとナスとマリーゴールドのコンパニオンプランツ栽培
ナスを、オクラのコンパニオンプランツにすることもできます。
アオイ科のオクラと ナス科のナスは、科が違いますので 寄ってくる害虫が異なります。
別種の虫は互いを避け合う性質がありますので、オクラとナスに付くそれぞれの害虫は寄り付くことが少なくなり、害虫の被害が減ることを期待出来ます。
木嶋先生の裏ワザ「オクラ収穫後の有効利用」
この章でご案内する方法は、木嶋先生が紹介されている興味深い裏ワザですので参考になさってください。
オクラを収穫した後の茎を支柱にする裏ワザ
収穫が終わったオクラの茎は根が深く張っていますので、抜く作業に手間取られたことはないでしょうか。
木嶋先生の裏ワザは、地中深く根を張るオクラの性質を活かし、次の野菜のために「支柱」として残しておく方法です。
わが家は、オクラの茎を支柱にして エンドウを育てています。
オクラは ほぼ垂直に草丈を伸ばしますので エンドウの支えになりますが、支柱やネット等で補助しますと、より安心です。
オクラの後作におすすめの野菜
エンドウ
ソラマメ
オクラの株元にエンドウやソラマメの種をまき、オクラの茎を支柱代わりにします。
オクラの茎は 支柱の役割と、枯れたオクラの茎や葉が寒風よけにもなりますので大変便利です。
支柱にする目的で、オクラの位置をあらかじめ決めて種まきしておきますと、次の野菜づくりが楽しみになりそうですね。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、オクラのコンパニオンプランツをご案内いたしました。
コンパニオンプランツ栽培は害虫を完全に防ぐことは難しいものの、害虫をエサとする天敵もやってきますので、畑が良い環境に変わってゆくと思います。
農薬を使わず出来るだけ自然なかたちでオクラを育てたい方におすすめしたい栽培ですので、参考になさってください。
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[参考文献]
[参考サイト]
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