農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、トマトをセル苗で栽培する方法をご案内いたします。
トマトをセル苗で育てた場合、より大きなポットに移し替える鉢上げを行い、苗を大きくするのが一般的ですが、今回ご紹介する栽培は、セルで育てた小さな苗をそのまま畑に植える方法です。
セル苗で育てたトマトは、草勢が強くなり、果実が大きくなると言われていますので、参考になさってください。
果実が大きくなる!トマトをセル苗で栽培する方法
トマトのセル苗植えについて
今回ご紹介する方法は、小さなセル苗を畑に植え付け、草勢の強い株に育てる栽培です。
トマトの成長段階について
トマトには、茎や葉っぱを大きくする「栄養生長」と、花を咲かせて実を付ける「生殖生長」という2つの生育段階があります。
栄養生長🌱 | 生殖生長🍅 |
トマトの花が咲く前の段階で、草勢が強くなる時期です。 | トマトの花が咲いた後の段階で、草勢はやや低下します。 |
草勢が強い栄養生長期にセル苗を植え付ける
通常、トマトは最初の花が咲いた「生殖生長」に移った後に苗を植え付けますが、セルで育てた苗は、「栄養成長」の段階ですので、草勢が強くなり、果実が大きくなります。
セル苗植えのメリットとデメリット
メリット | デメリット |
・草勢が強くなり、果実が大きくなります。 | ・2段までは通常通り開花。3段以降は段とびで果実がなる場合があります。 |
・大きく育てた苗に比べ、根が深く張り、広範囲に伸びます。 | ・糖度が低めになります。 |
果実が大きくなる!トマトをセル苗で栽培する方法
用意するもの
・セルトレー
・種まき用の土
・トマトの種
栽培方法
・トマトの種をセルトレーに1粒ずつまき、発芽するまで23℃以上で管理します。
・発芽後、18~23℃のやや低温で管理しますと、健強な苗に育ちます。
・本葉3枚に生長しましたら、苗をセルから取り出して、根鉢を崩さないように畑に植え付けます。
苗の定植後の管理
・セル苗は小さく、根が十分に土の中に伸びないため、活着するまではこまめに水やりをします。
・花芽の方向が不明の段階で植え付けますので、本葉が7~9枚ほど開いて最初の花が咲きましたら、折れないように茎をねじって花が通路側に向くように支柱に誘引します。
・トマトの花が咲いた後も草勢が強いため、誘引後の水やりは極力控えて栽培します。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、トマトをセル苗で栽培する方法をご紹介いたしました。
この栽培は、トマトの生長期が2段階ある特徴を活かしたもので、花が咲く前の草勢が強い時期に苗を植え付ける方法です。
セル苗のトマトは根が張りどっしりした株に育ち、果実が大きくると言われていますので、参考になさってください。
[参考文献]
木嶋利男著「伝承農法を活かす 野菜の植えつけと種まきの裏ワザ」
[参考アイテム]