農学博士の木嶋利男が紹介されている、ニンニクのコンパニオンプランツと、栽培のポイントについて、ご案内いたします。
ニンニクを ほかの野菜と一緒に栽培しますと、もう1品収穫できるメリットがあるだけでなく、ニンニクを単体で育てるより生長が促進し、病気予防の効果が高まると言われています。
木嶋先生が紹介されているコンパニオンプランツ栽培は、野菜の特性を活かした方法ですので、参考になさってください。
「ニンニクのコンパニオンプランツ」相性の良い野菜一覧
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ニンニクと相性の良い野菜(コンパニオンプランツ)、前作・後作に適した野菜を ご案内いたします。
ニンニクと相性の良い野菜一覧
野菜 混植 前作 後作 病気予防 害虫忌避 生育促進 空間利用 イチゴ ● ● ● ● ● クリムソンクローバー ● ● ● キュウリ ● ● ● オクラ ● ● ●
今回は、コンパニオンプランツの「イチゴ」と「クリムゾンクローバー」について、ご紹介いたします。
※ニンニクの前作におすすめの野菜「キュウリ」、後作におすすめの野菜「オクラ」につきましては、本ページの最後の[関連記事]を参考になさってください。
ニンニクのコンパニオンプランツ「イチゴ」
イチゴの開花が早まり、実がたくさん成る効果
イチゴとニンニクのコンパニオンプランツ栽培は、イチゴに 程よいストレスがかかり、株立ちぎみに育ちます。
株立ちぎみになったイチゴは 風通しがよくなりますので、病気の発生を防ぐことができます。
春になると イチゴは葉っぱや茎を伸ばし、からだを作る「栄養生長」から、花や実を付ける「生殖生長」に早く切り替わり、イチゴの花は1~2週間早く咲き始めて花の数が増えます。
花が早い時期から咲くようになるということは、イチゴの収穫時期が延びるということですので、結果、果実を多く収穫することが出来るようになります。
イチゴの病気を抑える効果
イチゴがかかりやすい病気は、「萎黄病、炭疽病、灰色カビ病」などがあります。
ニンニクのにおい成分「アリシン」には殺菌作用があり、根っこには抗生物質を出す微生物が共生するため、イチゴの病気を抑えることができます。
害虫よけの効果
イチゴは、アブラムシとハダニが付きやすい野菜です。
アブラムシはウイルス病を媒介するやっかいな害虫ですが、ニンニクとイチゴを一緒に栽培しますと、アブラムシやハダニが寄り付きづらくなり、ウイルス病にもかかりにくくなります。
イチゴとニンニクのコンパニオンプランツ栽培のポイント
※ イチゴの株間から芽が出たニンニク
品種選び
ニンニク、イチゴの品種は特に選びません。何でもOKです。
土づくり
イチゴの苗を植え付ける3週間前に、必要な肥料を入れてよく耕し、高めのウネを立てます。
植え付け
9月中旬~10月下旬に、イチゴの苗を植え付けます。
同時にニンニクも、イチゴの株の間か、条間に植え付けます。
・イチゴの条間40センチ、株間40センチ。
・ニンニクは、イチゴとイチゴの真ん中に植え付けます。
追肥
11月上旬と、2月下旬に追肥を1回ずつ行います。
収穫
イチゴは、5月上旬~6月中旬くらいまでが収穫時期です。
ニンニクは4月頃に花茎が伸びてきますので、途中で切って「茎ニンニク」としてお召し上がりいただけます。
ニンニクの収穫時期は、地上部の8割くらいが枯れてきましたら、掘り上げます。
晴れの日に収穫しますと、傷みづらくなり、長く保存することが出来ます。
保管方法は、葉と根を切って2~3日間 畑で乾燥させたあと、束ねて軒下などの日陰で風通しの良い場所に置いたり吊るしたりします。
ニンニクのコンパニオンプランツ「クリムソンクローバー」
クリムソンクローバーは、マメ科の緑肥作物です。
真っ赤な花が咲くため、「ストロベリーキャンドル」「ストロベリートーチ」とも呼ばれています。
まずニンニクを植え付けたあと、その周囲にタネをばらまきしておきますと、1週間ほどで発芽して、地面を覆うように丈の低い草がのびます。
マルチの役目になるクローバー
クリムソンクローバーは、マルチの代わりなる頼もしい植物です。
畝に霜柱が立ちますと、ニンニクの株はその力で浮き上がってきてしまいますが、クリムソンクローバーがそれを防ぐ役目を果たしてくれます。
雑草予防と天敵のすみかに
クリムソンクローバーは、3月頃から急激に生長し、繁茂したクローバーは、他の雑草が生えるのを防いでくれます。
なお、クリムソンクローバーのやわらかい葉にアブラムシなどの害虫が寄ってきますが、益虫であるテントウムシも呼び寄せることになりますので、害虫被害を軽減することが出来ます。
わが家はクリムソンクローバーを毎年育てておりますが、驚くほどテントウムシがやってきますのでおススメしたいコンパニオンプランツです。
土を肥沃にする効果
クリムソンクローバーはマメ科の植物で、根に「根粒菌」が付きます。
この菌が空気中の窒素を固定することにより、土が肥沃になります。
土が肥沃になりますと、ニンニクはその養分を吸って球が大きくふくらみます。
緑肥用のクリムソンクローバー
クリムソンクローバーは緑肥用のタネが販売されています。
このほかにも草花のタネとしても売られています。
タネをまくタイミングは、ニンニクの苗が15cmほどの大きさの時が良いみたいです。
種のまき方は、ウネにばらまきして、軽く土を混ぜると発芽します。
クリムソンクローバーの栽培ポイント
クリムソンクローバーは4月の終わり頃、真っ赤な花が咲き、畑の景観がとてもよくなります。
一年草ですので、貸農園や市民農園などでも お手軽にお使いいただけるかと思います。
5月の中旬になりますと、タネを付け、こぼれたタネから雑草化することがありますので、タネを付ける前に刈り取ると良いそうですが、わが家は枯れるまで育てております。
刈り取った地上部は 肥料分が豊富に含まれていますので、そのままウネに敷いておきますと草肥になります。
まとめ
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、ニンニクのコンパニオンプラツと、栽培のポイントについてご案内いたしました。
ニンニクを単体で育てるより、コンパニオンプランツと混植しますと、生長が促進して病気予防になるメリットがあると言われていますので、参考になさってください。
[参考文献]
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