良いトマト苗の選び方をご紹介いたします。
種苗店やホームセンターで、たくさん陳列しているトマトの苗から、良い苗を探すポイントをご案内いたします。
良い苗を選びますと、病気や害虫の被害に遭いづらくなり、美味しいトマトを収穫できることにつながります。
今回は、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、苗を植え付ける際の裏ワザについてもご紹介いたしますので、参考になさってください。
良い苗を選ぶ5つのポイント(すべての野菜共通)
野菜づくりを始めたばかりの方は、種苗店やホームセンターなどで販売されている苗を植えるのがおすすめです。
苗選びは、野菜の栽培においてとても重要で、良い苗は元気に育ちますので、お世話が容易になります。
下記の5つは、すべての野菜に共通する選び方のポイントです。
1.生長の度合いが適切なもの
2.葉の色とつや、厚みがあるもの
3.株の姿かたちが良いもの
4.病害虫に侵されていないもの
5.接ぎ木苗か自根苗か
良いトマト苗を選ぶポイント
1.本葉7枚以上の花が咲き始めた苗
良いトマトの苗を選ぶ時の重要なポイントは、葉の枚数と花の状態です。
本葉7~10枚で、草丈が30~35cm、第一花房(一番はじめに咲く花)の花が咲き始めている苗がベストです。
それよりも大きくても小さくても、なかなかうまく育たず、花が3つ以上咲いている苗は、根が活着する前に実が付いてしまい、株がじゅうぶんに育たなくなります。
育苗店で最適な状態の苗が置いてあるとは限りませんので、上記の条件に近い苗をお探しになってみてください。
🍅 草丈が30~35cm
🍅 第一花房のうち花が1~2つ咲いた状態のもの
2.接ぎ木苗で保険栽培
前の年に青枯病や半萎ちょう病などが発生した畑の場合、「接ぎ木苗」を選ぶのも一つの手段です。
接ぎ木苗は、自根苗より価格が高くなりますが、抵抗性を持った台木を使用していますので、病気に強くなります。
3.選ばないほうが良い苗
お店で陳列しているたくさんのトマト苗の中から、最適なものを探し出すのは意外に大変ですね。
そこで、消去法で良い苗を見つけてゆくポイントをご紹介いたします。
✖🍅✖ 徒長している苗
徒長している苗は、育苗中に日当たりが悪かった可能性と、お店に出荷されたあと、日当たりの悪い売り場に置かれていた場合などが考えられます。
徒長している苗は、その後の生育が悪いため、選ばないようにしましょう。
※ 写真は、わが家で種から育てたトマト苗で、日照が悪く徒長しています。畑に定植した後もあまり実を付けることなく、早い時期に枯れてしまいました。
✖🍅✖ 老化している苗
老化している苗は、葉が黄色くなっていたり、実が付いていたり、ポットの底から根がはみ出したりしていますので、避けましょう。
✖🍅✖ 小さすぎる苗
葉が6枚以下の苗も避けましょう。
苗が小さな状態で植えてしまいますと、根の伸びが旺盛になる「つるぼけ」がおこり、茎や葉がは立派に育つ反面、実の付きが悪くなります。
知って得する「トマト苗の植え方」の裏ワザ
この章では、農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、トマト苗の植え方の裏ワザについてご案内いたします。
この方法は、昔からの伝承農法で、トマト以外のすべての野菜に行うことが出来ますので、参考になさってください。
トマト苗を植え付ける前に水分補給
※ 画像はキュウリの苗です
野菜の苗は、植え付け穴に水を注ぎ、水が引いたら苗を植える方法や、苗の定植後、水をたっぷり与える方法など さまざまなやり方があります。
木嶋先生がおすすめされている苗の植え方は、野菜苗をポットのままバケツの水に浸し、葉と根に十分水分を行き渡らせたあと、植え穴に苗を植え付けます。
苗を植え付けた後は、3~4日は水やりをせず、苗の力で根っこを張らせてゆくのを待ちます。
苗を定植した後、すぐに水を与えてしまいますと、野菜の根は深く伸びようとせず、浅いところで根を張りはじめます。
根を浅く張った野菜は、萎れやすく常に水を必要として、丈夫に育たなくなります。
苗の植え付けの具体的な方法は、下記を参考になさってください。
[詳細]
野菜苗の植え付けの裏ワザ!水やりしないで元気に育てる「ブクブク植え」をご紹介します
トマトの苗を植え付ける時間帯
トマトやナスなどの夏野菜は、晴天の午前中に苗を植え付けますと、その後の生長が大きく変わると言われています。
トマトやナスなどの夏野菜の苗は、高温を好みますので、晴天の午前中に植えるのがおすすめです。
苗の植え付け方法は、先にご紹介した「ブクブク植え」を行います。
まとめ
トマト苗の選び方をご紹介いたしました。
良い苗を選びますと、病気や害虫の被害に遭いづらくなり、美味しいトマトを収穫することにつながります。
農学博士の木嶋利男先生が紹介されている、苗を植え付ける際の裏ワザについてもおためしになってみてくださいね。
[参考文献]
・やさい畑 春号 2020年 4月号
・木嶋利男著「学研ムック 有機・無農薬 野菜別 土づくりと栽培テクニック」